カテゴリ:モータースポーツ
カルロス・ゴーン社長が、ルノーF1チームをどうするつもりなのかは、全く見えてこない。ルノーのF1投資額を半減しても、減少した分をどうやって補うかがはっきりしなかった。その役割を担うのは、どうやらロシア共和国になるらしい。何とプーチン首相はロシアがスポンサーになると語っている。ルノーは次第に関与を弱め、その代わりにロシアの自動車企業「ラーダ」が役割を引き継ぐことになるらしい。ロシアは世界有数の資源国であり、その実権を握るプーチン首相の協力が得られるならば、確かに方向性は見えてくる。
ロシアがF1に肩入れするのは、自動車産業の育成が狙いだろう。急成長する中国やインドに比較して、ロシア経済は波動を繰り返している。現在は低迷期にあり、自動車産業を苦境に陥れている。ルノーはラーダに資本参加しているから、この政策はどちらにも都合がよい。ルノーは投資額を抑えられ、ロシアはラーダを宣伝できる。莫大な原油や天然ガス資源を持つロシアには、F1は有効な投資先に見えるのだろう。 ロシア政府の財政を賄うのは、石油や天然ガスからの莫大な利権であり、その資金を生かして自動車産業を発展させたいという願望がある。ソ連時代から引き継がれてきた産業技術の遅れなどが、ロシア経済の成長を阻害している。原油の再値上がりで、大船に乗っているプーチン首相から見ると、F1投資などは微々たる浪費にすぎない。それよりも、祖国の名声を高めて、大国復活のプロセスを進めたいロシアの政治家には、F1が最適の道具に見えるのかもしれないなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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