2714546 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

MATRIX7

MATRIX7

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010.03.09
XML
カテゴリ:国際経済
 アイスランドは人口30万人の小国であり、リーマン・ショックで破たんに追い込まれた銀行を複数持つ。県や市に相当する小国の銀行が、金融自由化を生かして世界各地に進出し、莫大な利益を上げていた。金融業が利益をもたらすと、寒村だったアイスランドは、欧州一の豊かな国に成長した。石油産出国の人口が少ないと、一人当たりの国民所得が上昇するのと同じだろう。
 アイスランド民族はデンマークに支配されていた時代が長かったので、独立心が旺盛である。さらに、EUが漁業規制を押しつけることを嫌って、EUとユーロに不参加の立場を保っていた。金融機関が自由な裁量を手にしたことは大きなプラスになったが、三大銀行が破綻すると一気に通貨が暴落した。それが物価の急上昇をもたらし、国民経済を苦しめている。
 小国であるアイスランド政府が、巨大化した金融機関を統制できなかったのは当然だろう。リーマンショックによって銀行経営がとん挫すると、国営化しか道は残されていなかった。アイスランドの銀行は海外進出を狙って、ネット銀行のシステムを取り入れて成長を続けた。ネット上で決済すれば、店舗や国境の制限を受けない。高金利を売りにしたアイスランドの銀行は、英国やオランダで多額の預金を集めていたのである。
 これらの銀行が破たんした時、多額の海外預金をどうするかが課題になった。国営銀行ならば、預金者に支払わねばならない。しかし、英国とオランダで積み上がった預金は4500億円にも達していて、その返済をアイスランド国民に負担させようという動きが、政府と国際機関によって進められていた。
 英国とオランダの預金者を保護するために、アイスランド人に負担させる動きを糾弾したのが国民投票の結果だろう。英国とオランダは国際的圧力をかけて、法案の成立を狙っていた。しかし、反対票が90%を超えて法案は廃棄された。英国政府とオランダ政府は。アイスランドのEU加盟を妨害すると脅して屈服させようとしたが、アイスランド人の反発は強く、もくろみは成功しなかった。さすがに、人口30万人の民族に4500億円の負担は重すぎる。アイスランドの未来は暗澹としている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.03.09 15:29:00
コメント(0) | コメントを書く
[国際経済] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.