そっちかよ3
それぞれ犬を連れた、ふたりの初老の男性が、いつものように公園のグラウンドに入ろうとして、足を止めた。入り口横に立て看板があった。そこには、自信がないのか遠慮しているのか、小さな字で、以下のように書かれてあった。『おねがい 市では、公園内での犬の散歩は、 ご遠慮を願っているところでございます。 ところで、また、当野球場において、犬の鎖を外し、 走らせることは、野球場利用者の迷惑となって おりますので、行なわないでください。 平成二十二年一月二十九日 **市公園管理者 電話 0***(**)****』「‘犬の散歩’じゃなくて、正確にいうと‘犬を連れての散歩’ですな」右側の男性が言った。ちっとも反省していない。「…………」左側の男性は、眉間にしわを寄せて看板をじっとみている。「おや、どうされました」「今年は平成二十二年か。二十一年かとおもってた」そっちかよ。-------------------------------------------------<ほっと一句>記念写真 チーズのズゥで おちょぼぐち