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スーパーのちかくの交差点にて、車で信号待ちしていると、
目の前の横断歩道を、右から左に、婆様が渡っていく。 歩行補助用のカートを押しながら、とことこ、とことこ、と。 渡り始めたときに信号はすでに点滅していて、途中で赤になっている。 それでも婆様は急がず、同じペースで歩きつづける。 おそろしく遅い。カタツムリみたいだ。 こちらのことはいっさい気にしない。 カートの物入れの中をじっと見つめたまま、一心に歩きつづける。 わたしはハンドルを握ったまま辛抱強く待っている。 婆様が渡り終えたとき、わたしの目の前の信号は黄色に変わった。 後続車はいない。 しゃあないなあ、一回待つか。 この婆様、よく見かける。 ふしぎにいつも、わたしが横断歩道の手前で信号待ちしているときに、 目の前を横切っていく。 相性がいいのか、わるいのか。 「とことこ婆ちゃん」と名づけよう。 ------------------------------------------ <ほっと一句> せんぷうき解体してる老父かな お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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