ピーンポーン
インターフォンが1回鳴った
これはマンション下の集合玄関で誰かが我が家の部屋番号を押したということだ
モニター画面を覗き込む
映し出されたのはおじいさんと呼ぶにはちょっと早いかな、という年齢のお方
きちんと背広を着て、手には何やら紙切れを持っている
むむ、怪しい
何かのセールスに違いない
とりあえず受話器を取り上げ応答する
背広のお方はカメラがあることを意識せず
手元の紙切れを見たまま話し始めた
母 「はい」
じい「「◎◎さんの お宅 ですか?」
母 「はぁ、そうですが」
じい「わたくしー、あー、小〇館のー、もーのーですがーー、
あーーー、◎◎さんのー お宅にはー、
あー、来年からー 小学校にー あーがーるー
おーこーさんがー いーらーっしゃーるーという
こーとーでーすがー・・・」
ここで私の限界に達した
無言のまま受話器を置き、深くため息をひとつ
ふーーーーーーーー(-o-)
定年を迎えて尚も働こうとするおじさまなのか
リストラされたおじさまなのか
はたまたその会社でたたき上げとして働き続けるも
定年間際にいきなり外回りを命じられたおじさまなのか
よくは分からないが
なんだかなぁ
セールストークも覚えてない(覚えられない?)初老のおじさまが
この猛暑の中、背広姿で学習教材を紹介して歩いている
悲哀たっぷり過ぎてなんとリアクションしてよいものか分からんちん
これも時代のせいなのかしらん
あのおじさまから教材を購入した方はいらしたかしら
ノルマとかあるのかな
ちょっと心配だわ
でも、我が家では決してそういうものは購入しないんだけどね