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灰色の空のむこうには…

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2013.10.05
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カテゴリ:本の話題

一刀斎夢録 下


死するは易く、生くるは難い。
殺すは易く、生かすは難い。



沖田、土方、近藤ら仲間たちとの永訣。土方の遺影を託された
少年・市村鉄之助はどこに消えたのか――
維新後、警視庁に奉職した斎藤一は抜刀隊として西南戦争に
赴く。運命の地・竹田で彼を待っていた驚愕の光景とは。

正直な気持ちを書かせていただきますと、僕は今までの人生で
いろいろな本を読んできましたが、本巻ほど衝撃を受けた作品
は初めてで、まさに荒れ狂う激流に呑み込まれたかのような
読後感でした。

どこからが現実でどこからが虚構なのか、自分で判断出来ない
あやふやな世界へ放り投げられたまま最後まで読み切ってその
ままここから抜け出せなくなっていたところを、山本兼一氏の
解説にある一文に引っ張られて救い出された気がします。


上巻から続くこの独特な世界観は、他のメディアでは真似する
ことが出来ない、情景を想像しながら読む活字という媒体を
最大限に活かした傑作でした。





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Last updated  2013.10.10 23:08:54
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