形成外科医のアメリカ留学計画

[■形成外科・手外科] カテゴリの記事

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• 12/01/26 シリコンインプラント豊胸術の安全性(6)

  本日のYahoo NEWSより"2010年に倒産したフランスのポリ・アンプラン・プロテーズ（PIP）社が製造した豊胸用シリコンバッグが体内で破れる恐れがあるとされる問題で、同社創業者が拘束された"とのこと。■問題点・同社はシリコンバッグの材料として医療用ではなく"工業用シリコン"を使用していたこと・PIP製バッグは他社製品よりも破裂しやすい→漏れたシリコンが炎症を惹起・2011 Nov 25 PIP製バッグで豊胸手術を受けた女性が、胸部の「未分化大細胞型リンパ腫（ALCL）」で死亡・日本の医師が個人でフランスから輸入し使用している可能性がある■未だ不明な点・PIP製バッグとALCLとの関連（発がん率を高めるリスクは確認されていない）■PIP製バッグ豊胸術を受けた患者さんへの対応・バッグの摘出を勧める（予防的措置として）・摘出を希望しない場合→乳房と腋窩部分の超音波検査（6か月ごと）

  2012.01.26

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  手外科参考書／Hand Surgery (Oxford Specialist Handbooks Series in Surgery)

  Hand Surgery (Oxford Specialist Handbooks Series in Surgery)同じくAmazon.comで購入した。手外科 version。

  2011.12.19

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  形成外科参考書／Plastic and Reconstructive Surgery (Oxford Specialist Handbooks in Surgery)

  Plastic and Reconstructive Surgery (Oxford Specialist Handbooks in Surgery)Amazon.comで購入した。形成外科のessenceがコンパクトにまとまっている。

  2011.12.19

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• Capsulectomy vs. Capsulotomy

  Capsulectomy vs. Capsulotomyよく間違えやすい単語。■Capsulectomy: 被膜切開術→removal of scar tissue■Capsulotomy：被膜切除術→release of the scar tissue-ectomyはもともと切除術という意味。■まとめ・"Capsulectomy" は取り除く（ちなみにcolectomyは結腸切除術。coletomyという言葉はない。）

  2011.12.19

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• ■論文（PRS）：Plastic surgeons' satisfaction with work-life balance

  形成外科において、(a) 女性医師の増加、(b) 仕事とプライベートのバランスを保ちたいと考える若手医師が増えてきたことにより、旧世代と比較して仕事に対する考え方に変化があるように思われる。本論文 (Ref. 1) はｰASPS memberを対象にしたアンケート調査を元にｰ仕事 vs プライベートのバランスと形成外科医の満足度(=satisfaction with work?life balance)を調査結論としてはｰ世代間（旧世代と新世代）での考え方の違いはほとんどなかった。ｰ女性医師、再建外科医のsatisfaction with work?life balanceが低い傾向があるｰ再建外科医は大人数のグループを形成し、On-call業務を分散することでこの問題が解決できるかもしれない■Reference1. Streu R, McGrath MH, Gay A, Salem B, Abrahamse P, Alderman AK. Plastic surgeons' satisfaction with work-life balance: results from a national survey. Plast Reconstr Surg 2011;127:1713-1719.■まとめ・形成外科において、女性医師、再建外科医の"仕事vsプライベート満足度"が低い・長期労働やOn-call義務を分散することで解決できる可能性がある

  2011.11.26

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• ■論文（NEJM）: Dupuytren diseaseの原因にWnt経路の異常が関与している

  ドイツの研究チームがDupuytren disease 960人と対照3117人を対象に、疾患関連遺伝子の同定を全ゲノム関連解析で検討。関連遺伝子は9つの遺伝子座に見られ、このうち6つの遺伝子（WNT4、SFRP4、WNT2、RSPO2、SULF1、WNT7B）がWntシグナル経路と関係していた。Wnt経路の異常が疾患の線維腫形成に重要であることが示唆された。■ReferenceDolmans GH et al; Dutch Dupuytren Study Group; German Dupuytren Study Group; LifeLines Cohort Study; BSSH-GODD Consortium. Wnt signaling and Dupuytren's disease. N Engl J Med 2011:28;365:307-317.

  2011.11.25

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• de Quervain syndromeの治療とそのエビデンス

  de Quervain syndromeの治療とそのエビデンス■治療オプション3つ(1) Splinting(2) Corticosteroid injection (※)(3) Surgical release of the 1st dorsal compartment※KCCは2～3回までの注射を勧めている。それで無効なら手術。■手術のポイント2つ・橈骨神経（浅枝）に注意する（損傷したり、牽引しすぎない）・1st compartmentをsubcompartmentを含めて完全に開放する→無効例や再発例の多くがseparate EPB fibroosseous tunnelの切り残しや不十分な切離による■Evidence(1) Weiss AC, Akelman E, Tabatabi, M. Treatment of de Quervain’s disease. J Hand Surg 1994;19A:595-598.→(a) ステロイド注射単独、(b) ステロイド注射＋スプリント、(c) スプリント単独の3群を比較し、de Quervainに対するステロイド注射の有効性とスプリント単独の無効性を証明した。著者は初発症例に対してステロイド注射単独を勧めている。(2) Harvey FJ, Harvey PM, Horsley MW. De Quervain's disease: surgical or nonsurgical treatment.J Hand Surg Am 1990;15:83-87.→2回のステロイド注射で約80％の患者の鎮痛に成功した。(3) Witt J, Pess G, Gelberman RH. Treatment of de Quervain tenosynovitis: aprospective study of the results of injection of steroids and immobilization in asplint. J Bone Joint Surg 1991;73A:219-222.→ステロイド注射による長期的な症状鎮静効果は約60％→注射無効例の原因は1st compartmentをとらえていなかった or subcompartmentの存在(4) Ta KT, Eidelman D, Thomson G. Patient satisfaction and outcomes of surgery forde Quervain’s tenosynovitis. J Hand Surg 1999;23A:1071-1077.→de Quervainに対する手術症例43人(フォローアップ平均3年)→治癒率は88%、患者満足度91%(5) Yuasa K, Kiyoshige Y. Limited surgical treatment of de Quervain's disease: decompression of only the extensor pollicis brevis subcompartment. J Hand Surg 1998;23A:840-843.→de Quervainの手術でEPBのsubcompartmentのみを開放し全例で良好な成績であった→EPBの腱鞘炎がde Quervainの本態と考える■まとめ・de Quervainに対してはまずステロイド注射（60－80％で長期的な鎮静効果）・手術による患者満足度は90％以上・手術では橈骨神経損傷・牽引に注意し、EPBのsubcompartmentの切り残しがないようにする

  2011.11.25

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  de Quervain syndromeの生じる第1コンパートメントの解剖

  de Quervain syndromeの生じる第1コンパートメントの解剖■1st compartmentの位置→1st compartmentは橈骨の橈側面に位置する→1st compartment内にははAPLとEPBが走行する→1st compartmentに生じる狭窄性腱鞘炎のことをde Quervain syndromeと呼ぶ■APL、EPB、EPLの位置関係（Ref 1より）■APL: abductor pollicis lomgus・機能：母指CMCJにおける母指の外転＆伸展・解剖：変異が多いことで有名→腱数が複数（1－5本）あり、停止部も様々→2本で第1中手骨骨底に停止するパターンが最も多い■EPB: extensor pollicis brevis・機能：母指MCPJにおける伸展・解剖：→腱数は1本で第1基節骨骨底に停止する→5-7%でEPBは欠損→snuff boxの橈側壁を形成している■APL-EPB間の隔壁の存在・1st compartment内でAPL・EPBがそれぞれ別々の腱鞘内に存在するのが1/3に見られる■参考文献1. Ilyas AM, Ast M, Schaffer AA, Thoder J. De quervain tenosynovitis of the wrist. J Am Acad Orthop Surg 2007;15:757-764.2. 上羽康夫. 手　その機能と解剖（金芳堂）■まとめ・APBは解剖学的変異が多い腱・APBは腱の数が2本ある場合が1番多く、腱停止部も様々（基本的には第1中手骨骨底）・EPBは基本的には1本で第1基節骨骨底に停止する・APLｰEPB間に隔壁を認めることがあり（1/3）、de Quervain治療の際に注意が必要

  2011.11.25

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• 11/11/23　Qualitative study (質的研究) とは？

  現在進めているプロジェクトの一環で質的研究（Qualitative study, 別名:定性的研究）を行うことになった。■質的研究とは？端的に言うと、＝数値では表せない情報（言語や現象など）を解釈する研究＝社会からデータを採取する1つの方法であり、主に数値化できないものを対象とする⇔対になるのは量的研究（quantitative study）＝数値化できるデータを用いた研究この質的研究は、様々な分野（社会学、文化人類学･･･）で使用される研究手法であるが医療の世界（特に形成・整形領域）に焦点を絞ってまとめた。■具体例一般的に医学論文では数値データを文章におきかえて論文にする。(例)【数値データ】脛骨骨折（Type III-B＆C ）患者100人を対象にデブリードマン後にプレート固定を行った結果、治療後の関節可動域は□°、偽関節は△％･･･【エビデンス】脛骨骨折（Type III-B＆C ）の治療アウトカムはよくないこの場合、可動域、合併症などを数値で表示することができその数値データをもとに文章に置き換えることができる。上記のような論文はよく目にする。一方で、脛骨骨折（Type III-B＆C ）治療後の「患者満足度」はどうだろうか？これを数値化するのはとても難しい。ただ、治療法を評価する上で非常に重要なファクターでありこれをなんとか形にしたい（＝論文で使える文章にしてエビデンス化したい）。この場合、実際の患者さんからインタビュー形式で満足度を調査することで数値化不可データを抽出して適切な方法論でデータ解析することで１つのエビデンスとなる。つまり、「脛骨骨折治療後の患者満足度は高い」というエビデンスが得られることになる。これが質的研究の本質である。（正確には"質的研究の1つの形である"）■質的研究が有効なのは？質的研究は、大規模な社会全体像の把握を目的とする社会調査としては有効ではない。つまり対象が広すぎるとダメ。しかし専門家や特徴ある人物、典型的事例に対してインタビューや観察をするなど、先行研究が少ない分野の研究のために、探索的な予備調査をする目的としては有効とされる。■参考URL・Wikipedia・教育研究のための質的研究法講座・質的研究の広場■参考文献・Shauver MS, Aravind MS, Chung KC. A qualitative study of recovery from type III-B and III-C tibial fractures.Ann Plast Surg 2011;66:73-79.■まとめ・質的研究は数値化不可データを文章にする（⇔定量研究）・具体的には、患者満足度をインタビュー形式で収集し、データ化する方法がある・先行研究が少ない予備研究に有用とされる

  2011.11.23

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  Radial arteryとsnuff boxの関係は？

  Radial arteryとsnuff boxの関係は？形成外科医になったばかりのころに上級医から"snuff-box付近の腫瘍を切除するときは気をつけろ"と言われたのを覚えている。※橈骨動脈は手掌側からsnuff boxの底面を這うように横切り、手背側に向かう。Snuff boxは重要な道路（構造物）が密集する交差点のような場所。特に、■Superficial branch of radial nerve■Radial artery■Cephalic veinは注意しないといけない。※ちなみにradial arteryとcephalic veinを吻合して透析用シャントを作成する方法があるCMCJ arthroplastyでtrapeziumにアプローチする際に解剖を理解せずに闇雲に展開すると術後出血、知覚障害などが生じる可能性がある。

  2011.11.18

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  局所皮弁を作図するための大切な3つのこと

  局所皮弁を作図するための大切な3つのこと今日、UM形成外科の朝カンファでCheek reconstructionの講義があった。要は頬部に皮膚欠損があったときの局所皮弁の選択が主なテーマ。形成外科に入局したばかりの時、1つの皮膚欠損を閉創するにも様々な局所皮弁のオプションがあり、カンファで上の先生がなぜスラスラ作図できるのか不思議に思った記憶がある。個人的に、局所皮弁の作図をする際には下記3点をまずチェックしてdecision-makingしている。(1)皮膚余剰部を探すまず、皮膚欠損周辺の皮膚余剰部を探す。局所皮弁の本質は"皮膚余剰部から皮膚不足部への皮膚の移動"。例えば頬部皮膚欠損を閉創するときには下顎部・頸部の皮膚のたるみを利用する。一方で、側頭部の皮膚は余裕がないことが多い。(2)Tension lineを把握するTension line（＝皮弁のドナーを縫縮するときに縮める方向：上図の青↑）を把握し、その方向の皮膚の緊張が緩いことを確認する。同時にTension lineの延長線上に重要構造物（下眼瞼など）がないのが好ましい。（なぜなら、外反や変形が生じるから）(3)最終的な"きずあと"が目立たないか想像する最終的な"きずあと"（ドナーの縫合線も含む）が目立たないか、RSTLに一致するか（※）をチェックする。※例外：頬部ではRSTLに直交するきずは目立つが、前額ではRSTLに直交するきずも綺麗に治る（例：前額皮弁）■まとめ局所皮弁作図において(1) 皮膚のたるみを探し、(2) Tension lineとなる方向に緊張がなく、(3) きずが目立ちづらい　のがキモ。

  2011.11.18

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  Oblique traiangular flap

  Oblique traiangular flapは1980年にVenkataswamiらによってPRSにはじめて報告された（Ref 1）。神経血管茎付きV-Y advancement flapで指尖部を被覆する。（外傷形成外科より）ここで疑問なのがどれぐらいadvance可能なのかということ。Sanoらは皮弁の前進距離は12mm以下にしたほうがよく、12mmを超えると指尖部のsensory disturbanceが生じると結論づけている（Ref 2）。■References1. Venkataswami R, Subramanian N. Oblique triangular flap: a new method of repair for oblique amputations of the fingertip and thumb. Plast Reconstr Surg 1980;66:296-300.2. Sano K, Ozeki S, Kimura K, Hyakusoku H. Relationship between sensory recovery and advancement distance of oblique triangular flap for fingertip reconstruction. J Hand Surg Am 2008;33:1088-1092.■まとめ・Oblique traiangular flapは神経血管茎付きV-Y advancement flapで指尖部欠損を被覆する手術法・1cmちょっとadvanceすることができる

  2011.11.12

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  橈骨遠位端骨折に伴うEPL断裂の機序は？

  橈骨遠位端骨折に伴うEPL断裂の機序は？DRfxに伴うEPL ruptureはUMでも今まで2例見たことがある。保存治療によるギプス固定解除後に生じていた。■EPLの解剖・Lister tubercleで45°方向をかえる・Lister tubercle付近で腱の血行が乏しい (Ref 1, 2)・6つの伸筋区画のうち最も狭い区間内にEPLは存在する■EPL断裂の機序(a) 機械刺激による摩擦で断裂(b) 阻血性壊死により断裂※それぞれ単独を指示する論文、(a)+(b)両者の関与を指示する論文がある仮説として、(1) 橈骨遠位端骨折が生じると、(2) 血腫や仮骨によりもともと狭いコンパートメントがさらに狭くなる(3) もともと血行の乏しい同部EPL tendonの血行、滑膜栄養が障害される(4) さらにLister tubercleとの機械刺激も加わり断裂すると考えることができる。■References1. Engkvist O, Lundborg G. Rupture of the extensor pollicis longus tendon after fracture of the lower end of the radius--a clinical and microangiographic study. Hand 1979;11:76-86.2. Hirasawa Y, Katsumi Y, Akiyoshi T, Tamai K, Tokioka T. Clinical and microangiographic studies on rupture of the E.P.L. tendon after distal radial fractures. J Hand Surg Br 1990;15:51-57.■まとめ・DRfxに伴うEPL断裂は、(a)腱が擦れる機械刺激と(b)腱の血行不良 がその原因と考えられている。

  2011.11.10

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• 手のデグロービング損傷の特徴

  手のデグロービング 損傷の特徴■手掌-皮膚・皮下組織は剥脱-強靱な手掌腱膜は温存されることが多く、その深部に存在する血管、神経、腱、骨間筋機能は温存されることが多い■手背-皮膚・皮下組織は皮下静脈とともに剥脱-伸筋腱は温存されることが多い■指-皮膚、神経、血管は剥脱-腱は温存されることが多い■まとめ・手指（PIPJより末梢）の血行がないことが多い・骨間筋は温存されるのでMCPJの屈曲・伸展は可能であることが多い→最低でも基節骨をできるだけ長く温存する

  2011.11.09

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  上肢のコンパートメント症候群／切開線

  1. hand has 10 separate fascial compartmentsa. 4 dorsal interosseib. 3 volar interosseic. thenar muscles: FPB, AbPB, OP d. adductor pollicis e. hypothenar muscles: AbDM, ODM, FDM brevis 2. forearm has 3 compartmentsa. mobile wad proximallyb. volar compartmentc. dorsal compartment3. arm has 2 compartmentsa. anterior (biceps, brachialis)b. posterior (triceps)★Carpal tunnelからwristにかけての切開線が重要。ここをwristに直交するように一直線に切開する方法もあるが、正中神経を開放した後に閉創できなくなってしまうことが多い。そのため、切開線を尺側に持って行くことで皮弁を挙上し、少なくとも正中神経はこの皮弁で被覆できる。★背側の2切開線のみで背側＆掌側骨間筋、Adductor pollicisを除圧する。

  2011.11.09

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• 手の熱傷：手掌と手背の違い

  手の熱傷において、同じ熱エネルギーでも手掌・手背で深達度が異なるため治療方針もことなる。■手掌・皮膚・皮下脂肪が厚い→深部組織（腱・靱帯など）が露出しづらい・豊富なエクリン腺が存在する（→良好な上皮化が得られる）→熱傷I～II（DDB）まで保存治療可能なことが多い→熱傷IIIはOPE■手背・皮膚・皮下脂肪が薄い→深部組織（腱・靱帯など）が露出しやすい→熱傷I～II（SDB）まで保存治療可能なことが多い→熱傷II（DDB）～IIIはOPE→手背は可動域の大きい部位であるため、DDBであればシート状植皮、III度であれば薄い皮弁が望ましい■まとめ・手掌は厚く、手背は薄い・手掌はIII度以外保存治療が原則だが、手背はII度でも手術が必要なことが多い

  2011.11.09

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  Versajet? Hydrosurgery Systemと用いたデブリードマン

  UMの手術室でVersajet? Hydrosurgery Systemという器具を使ったデブリードマンを見た。手外科ではあまり見かけないが、他の形成外科の手術で頻用するとのこと。■メカニズム高速の水流で創面を洗浄しつつ、壊死・感染組織を切除吸引する■Optimal OutcomesClinicalReduced bacterial burdenPreserves viable tissueRemoves unwanted necrosis and debrisImproved graft and synthetic dressing resultsImproved excision of contoured areas, web spaces and facial structuresMinimized peripheral tissue damage→要は、正常組織を極力温存したうえで効率的なデブリードマンができるHealth EconomicReduced number of debridementsReduced healing time, compared to conventional methodsReduced operating room timeReduced repeat proceduresMinimized cross contaminationReduced treatment cost→要は、手術時間・回数を減らし、治療期間を短くすることで医療費を減らすことができる■参考URL1. 医学のあゆみ　新しいデブリードマン技術: Hydrosurgery　（松村一先生）2. smith&nephew HP■参考文献1. Granick MS et al, "Toward a common language; surgical wound bed preparation and debridement", Wound Repair & Regeneration, 2006, 14, S1-S10. 2. Vanwijck R et al, "Immediate skin grafting of sub-acute and chronic wounds debrided by hydrosurgery", J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2010 Mar;63(3):544-9.■まとめ-Versajetは高速水流で創面を洗浄し、壊死組織を切除吸引するデブリードマン専用機器-切除すべき組織と健常組織の選択性が非常によく、質の高いデブリードマンが行える-治療期間↓、治療コスト↓につながる

  2011.11.08

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  骨の一般的な知識

  ■骨-(a)細胞 と (b)細胞間質（細胞以外） で構成される-(a)骨細胞(osteocyte) と (b)膠原線維を中心とした線維とカルシウムの水酸化アパタイト※若年者では骨が豊富な線維を含むために弾力性がある※骨の場合、この細胞間質が固い！■長幹骨各部の名称

  2011.11.07

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• 11/11/06 AAPS 2012 抄録を作成

  来年4月にSFで開催されるAAPS (American Association of Plastic Surgeons)用の演題アブストラクトを作成した。来年の4月はすでに帰国しているが代理で誰かが発表するということで演題のみ提出することになった。内容はPyrocarbon PIPJ arthroplastyの長期アウトカム研究。本演題はPRSに投稿しており、先日reviewer's commentが返ってきたところだ。今週末はこのrevisionを進めている。

  2011.11.06

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• 強皮症と手指病変

  強皮症 (systemic sclerosis：SSc)と手指病変■病態皮膚および多臓器に線維化，血管内皮傷害が生じる原因不明の疾患■診断SScの診断には，1980年のアメリカリウマチ学会の分類基準が用いられている．******************************************************手指あるいは足趾を越える皮膚硬化を満たすかor以下の3項目のうち2項目を満たす場合に分類できる．(1) 手指あるいは足趾に限局する皮膚硬化(2) 手指尖端の陥凹性瘢痕, 指腹の萎縮(3) 両側性基底部の肺線維症．******************************************************★初発症状としてはRaynaud現象が最も多く、皮膚の硬化に先行することが多い．★手指や足趾のRaynaud現象を訴える患者では，SScを念頭に置き診察をする必要がある．■病型分類(A)広範囲の皮膚硬化を呈するdiffuse cutaneous type（びまん皮膚硬化型）-自己抗体：抗Scl-70抗体，抗RNAポリメラーゼIII抗体など(B)皮膚硬化の限局したlimited cutaneous type（限局皮膚硬化型）-抗セントロメア抗体，抗U1RNP抗体-CREST症候群■まとめ・強皮症の手指病変はRaynaud現象で発症することが多く、その後に皮膚硬化、潰瘍、壊死が生じる。

  2011.11.06

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• 指の麻酔にエピネフリンは禁忌？

  従来、エピネフリン添加の局所麻酔薬の手指への使用は指の壊死を起こす危険があるために禁忌とされてきた。しかし、最近その使用が見直されている。2005年にLalondeらは3110人を対象にしたprospective studyにより、low-dose epinephrine (1:100,000 or less) を付加した局所麻酔薬を手指に使用しても1例も組織壊死は認めなかったことを報告している（Ref 1）。（同時に、拮抗薬であるPhentolamineを使用する必要もなかった。）この論文を読むと、"エピネフリン付加局所麻酔薬は指に使用できる"と結論づけたくなるが(1) エピネフリンが低濃度であること(2) 対象がelectiveであること(※)を考慮しないといけない。つまり、Raynaud病など末梢循環障害を有する場合は依然使用すべきでないと考える。※Elective epinephrine injection was avoided in the uncommon situations in which patients might have had pre-existing significant problems with hand or finger ischemia such as previous finger infarction, severe acute crush, previous replantation, Buerger’s disease, revision Dupuytren’s surgery, severe vasospastic disorders, and so forth. Smokers, however, were not excluded unless they showed significant signs of finger ischemia.■References1. Lalonde D, Bell M, Benoit P, Sparkes G, Denkler K, Chang P. A multicenter prospective study of 3,110 consecutive cases of elective epinephrine use in the fingers and hand: the Dalhousie Project clinical phase. J Hand Surg Am. 2005;30:1061-1067.■まとめ・健常人の手指治療において、低濃度エピネフリン添加局所麻酔薬の使用はエビデンスがあるが末梢循環障害患者には依然禁忌である。

  2011.11.06

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  SL tear (Stage, Xp所見, 術中所見, 治療方針)

  この分野は必ずしもクリアに分類できない。文献を読んでも著者によって手術適応がだいぶ異なる。特にdorsal capsulodesisの位置づけが難しい。UMでは(a) Xpでclenched fist viewでのみ異常所見が見られ（dynamic）(b) 術中所見でSL靱帯が部分的に残存している場合（基本的にdorsal partが残っていることが多い）にdorsal capsulodesisを選択している。

  2011.11.04

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  SL tear (Geissler分類、SL靱帯所見、関節所見の関係)

  -Geissler分類はarthroscopyの所見を元に分類されている-(a) Ligamentはattenuated、partial tear、complete tearに分類できる-(b) Radiocarpal scopeでgapを認めればcomplete tear-(c) Midcarpal scopeでSL間にprobeが入ればGradeIII、より大きいarthroscopeが入ればGrade IV■まとめ・Radiocarpalからgapが確認できればSL靱帯のcomplete tear・MidcarpalからprobeまたはarthroscopyがSL間に入ればSL靱帯のcomplete tear

  2011.11.04

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  Scapholunate（SL） ligamentの3D構造

  Scapholunate（SL） ligamentの3D構造■SL ligamentは"C"の形をしている。背側面が1番強固。■3D rendering of the scapholunate ligament with the scaphoid removed demonstrates the dorsal (blue), proximal (yellow), and volar (green) components.（左側が掌側、右側が背側）■参考URLhttp://www.radsource.us/clinic/0906

  2011.11.04

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  Tenodesis effect（腱固定効果）とは？

  リラックスした状態で机の上に手を置くと手指が軽い屈曲位になっていることがわかる（Fig1）。これは手指の屈筋と伸筋のバランスによって作り出されている。■Fig1　Fingers posture at rest■Fig2 手関節を屈曲させる→伸筋腱が伸ばされる＆屈筋腱がゆるむ→手指は伸展する■Fig3 手関節を伸展させる→伸筋腱がゆるむ＆屈筋腱が伸ばされる→手指は屈曲する※Active wrist flexion stretches the extensor digitorum communis. The tension created pulls the fingers into extension (Fig 2). A similar but converse action results in the tenodesis grasp effect, in which wrist extension results in finger flexion (Fig 3). ■まとめ・屈筋と伸筋のバランスで fingers postureは規定される・Tenodesis effect=手関節屈曲で手指が伸びる、手関節伸展で手指が曲がる

  2011.11.04

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  Eaton & Littler法

  母指CMJ関節症の治療にEaton & Littler法(Ref 1)がある。この手術の本質は母指中手骨の基部にあるpalmar (volar) oblique ligamentの補強をすること。この靱帯が緩んで、関節がグラグラしているだけであれば（stage I）、この手術のみで可。CMCJの関節症の程度によっては、Trapezium excisionの併用や、CMCJ fusionなどが選択される。■Eaton & Littler法母指中手骨の骨孔を通した半切FCRを出口のAPLと骨膜に緊張をかけてしっかり縫合することが重要。半切FCRは図のように残存FCRに巻き付けたり、残存FCRに直接縫い付けるなど色々な方法がある。■ReferencesEaton RG, Littler JW. Ligament reconstruction for the painful thumb carpometacarpal joint. J Bone Joint Surg 1973; 55A: 1655-1666.

  2011.11.04

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  Ulnar nerveのdorsal branchの走行は？

  -Pisiformから8cm中枢側でmain trunkから分岐-FCUの深層を走行し、-Pisiformから5cm中枢側で筋膜を穿通枝し背側へ-Ulnar styloidの表層を通過し手背へ（Ulnar styloidの周囲を操作する際には注意が必要）■ReferenceBotte MJ, Cohen MS, Lavernia CJ, von Schroeder HP, Gellman H, Zinberg EM. The dorsal branch of the ulnar nerve: an anatomic study. J Hand Surg Am 1990;15:603-607.

  2011.11.03

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• PA (palmar aponeurosis) pulleyとは？

  PA (palmar aponeurosis) pulley=A1 pulleyのさらに中枢側で手掌腱膜により形成される繊維束のこと。（fibers surrounding each flexor tendon at the proximal flexor sheath, as a functional pulley in the digital flexor tendon system）1983年にManskeらが flexor tendon sheathの近位部にある手掌腱膜（palmar aponeurosis:PA）繊維束の解剖学的検討を行ったのが最初の報告（Ref 1）。彼らはこの繊維束が屈筋腱のpulleyとして機能していることを確認し、PA pulleyと命名した。Shermanらはtrigger fingerのA1 pulley切離後にclickが残存し、transverse palmar aponeurosis pulleyがその原因と考えられた2例を報告している（Ref 2)。Trigger fingerの手術において、A1切離後にclickが存在しないか十分に確認する必要がある。■References1. Manske, P. R., and |and |Lesker, P. A.: Palmar aponeurosis pulley. J. Hand Surg 1983;8:259-2632. Sherman PJ, Lane LB. The palmar aponeurosis pulley as a cause of trigger finger. A report of two cases. J Bone Joint Surg Am 1996;78:1753-1754.■まとめ－PA pulleyは、A1のさらに中枢側で屈筋腱のpulleyとして機能しているPA fibers

  2011.11.03

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  11/11/03 医学系Corpus: WebLSD

  医学論文で使用される言い回しや単語は通常の日常会話のそれとは明らかに異なる。若手Drの英文チェックをしていると英文自体は間違っていないが、科学論文には適さない表現をよく見かける。今までは関連する論文を読んで、その表現を真似する。あとは英文を書き続けているうちに医学論文独特の言い回しが自然に身につくと思っていた。これはある意味正しい。ただ、最近は便利なツールがある。医学論文の言語資料を集めたデータベースが存在する。簡単にいうと、医学論文で使用される単語や文章を集めた専用の辞書。早速試してみたがかなり便利だ。■医学系Corpus： WebLSD

  2011.11.03

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  手の知覚運動クイック診断

  ※これらの知覚と運動機能はそれぞれの神経によって100%支配されている部位と筋である。

  2011.11.03

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  手の知覚分布

  青＝橈骨神経黄＝正中神経赤＝尺骨神経（それぞれの境界にはやや個人差がある）

  2011.11.03

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  指のPulley

  指のpulleyは(a) Annular pulley (A1-A5で構成)(b) Cruciform pulley (C1-C3で構成)－A1はMCPJ掌側に存在し、trigger fingerで切離される。－Aの奇数は関節上■語源・Annular＝輪状の・Cruciform＝十字形の

  2011.11.02

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  Apert syndrome

  Apert syndrome■概要－尖頭合指趾症のI型（要は頭蓋縫合早期癒合と合指趾症）－線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)遺伝子の異常による（Ref1）■臨床症状(1) 冠状縫合早期癒合により頭蓋は前後が短く上方に長い尖頭(短頭)を呈する。縫合線が癒合すると縫合線の幅を広げる方向に骨は伸びなくなる。→矢状線が閉じると頭蓋は左右に伸びなくなるので前後に伸びる（上）→冠状線が閉じると頭蓋は前後に伸びなくなるので上方に伸びる（下）(2) 多くの例で示指，中指，環指が指先まで合指症を呈し爪も癒合する。指節骨の末梢は骨性に癒合する。小指と母指も合指症に含まれることがある。指節間関節は指節癒合(symphalangism)を呈する。母指は三角状骨(デルタ指節骨)により橈屈偏位を呈する。(3) その他：肘関節強直，肩関節可動域制限，心奇形，腎泌尿器系奇形，呼吸器系異常，消化器系異常を合併することがある。種々の程度の精神運動発達遅滞を認める。■参考文献1. Wilkie AOM, et al：Apert syndrome results from localized mutations of FGFR2 and is allelic with Crouzon syndrome. Nature Genet 9：165-72, 19952. Upton J：Classification and pathologic anatomy of limb anomalies. Clin Plast Surg 18：321-55, 1991■まとめ・Apertでは合指症を合併する・骨性癒合（骨性合指、指節癒合）を来しやすい

  2011.11.02

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• 11/10/16 静脈性うっ血？

  論文読んでいたら■静脈性うっ血という言葉が出てきた。･･･ん？うっ血は元々静脈に起こるものだからこの表現はおかしい。例えば"皮弁"を対象に考えてみる。皮弁内の血管を高速道路と仮定する。■充血：動脈血が過剰にはいったもの（高速道路の入口から車が大量に入っていく。高速道路内の車量↑）■虚血：動脈血がほとんど入らない（高速道路に入口から車がほとんど入っていかない。高速道路内の車量↓）■うっ血：静脈血がうまくでていかない（高速道路の出口が狭く車がスムースに出られない。高速道路内の車量↑）■静脈虚脱：静脈血がほとんど確認できない（高速道路の出口に車がほとんどない。高速道路内の車量↓）※静脈虚脱は皮弁外科ではあまり関係ない。循環器科で使用される。ちなみに英語ではうっ血のことをvenous congestionといい、対する語としてarterial congestionという言葉も存在する。（congestionはもともと渋滞という意味）そのため、それを日本語訳して"静脈性うっ血"という変な日本語が生まれたと考えられる。通常は"静脈還流障害"、"鬱血"が正しい。英語⇔日本語間の翻訳におけるトリックだ。■まとめ・×　静脈性うっ血・○　静脈還流障害 or うっ血

  2011.10.16

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  11/10/16 医療におけるDecision analysis（決定分析）とは？

  Grant申請準備のため、今週末は臨床疫学の勉強とGrant執筆に追われている。■Utility（効用値）-Deathを0点(最低点)、Perfect healthyを1.0点(最高点)としてそれぞれの状態に点数(価値)を与えていった値-主観的な評価法のため個人差が生じやすい-評点尺度法（linear scale）、時間得失法（time trade-off）などにより算出する※例えば、あるグループを対象にアンケートをした結果、腕を切断した場合のUtilityが0.8と算出されたとする。この"対象"が重要で、もし仮に外科医（両手を使う仕事）が対象であればUtilityは大幅に低下する（例えば0.5-0.6）ことが予想される。つまり、目的とする研究に合わせて対象（高齢者、若者、医者、外科医など）を明確に設定することが重要になる。■QALYs (Quality Adjusted Life Years)（質調整生存年）-"X＝QOL"と"Y=生存年"が組み合わさった数値-つまり「Utility」と「（そのUtilityでの）生存年数」を掛け合わせて数値化する-具体的には、Utility0.1で10年生きるのと、Utility0.5で2年生きるのと、Utility1.0で1年生きるのは皆同じ価値-このQALYs（＝いい人生値）の概念を導入することで、下記のように患者AB間の"いい人生値（健康で長く生きられるのがベスト）"を比較することが可能になる。(a) 患者AのQALYs＝10年×1.0＋10年×0.8＋10年×0.5＋10年×0.2＝25QALYs(b) 患者BのQALYs＝40年×0.5＝20QALYs（簡単に言うと、患者AのほうがBよりもいい人生を送ったことになる）（上記表はRef2より引用）-もちろん手術介入の有無によるQALYsも比較できるわけで形成・整形外科領域では主に"手術群"と"非手術群”が比較対象になる■Decision analysis-決定（判断）分析と和訳される-医療現場で、医師は患者QOLに関わる多くのdecisionを求められるが、その判断には多くの因子が複雑に絡んでいるため、できるだけ合理的かつ論理的に考える必要がある。-具体的にはdecision treeが作成され、それにデータ（各治療（手術）の成功率、各治療後のUtility値など）が加えられる-最終的に各治療後のQALYsにより治療法の善し悪しを比較する■Cost-Utility Analysis(費用・効用分析、economical analysisとも呼ばれる)-上記のdecision-analysisではいわゆる医療費の情報を含んでいない。どんなにイイ治療（QALYs↑）であっても、莫大な費用がかかるようでは医療経済の観点から問題がある。-そのため、QALYを増やすのにかかるCost(費用)を計算することで、その治療が経済的に効果があるのか検証する必要がでてくる。少ないお金で大幅にQALYを上げることができる治療法がcost-effectiveな本当にイイ治療ということになる。■References1. Quality Adjusted Life Years2. 薬剤経済学の真髄■まとめ・Utilityは完全健康体を1、死亡を0としたときの状態を数値化したもの・QALYs＝Utility×生存年数（数値が高いほど"いい人生"）・Decision analysisは必要なデータを加えたdecision treeを元に複数の治療法を比較し、それに医療費の情報を加えるとcost-utility analysisになる・つまり患者のQOLを最も向上させる治療法が医療経済の観点からは最適とは限らない

  2011.10.16

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• PRS: Level of evidence in plastic surgery research

  今年になってからPRSに論文を投稿する際に"EBM levelの表記"が義務づけられるようになった。それに関連して、今年のPRS2月号（EBM level表記義務づけの前）に形成外科領域のTOP journal 4誌のEBM score (average)を比較した研究結果が掲載されている。対象になった Journals は下記の形成外科御三家＋美容系雑誌。■Plastic and Reconstructive Surgery (PRS)■Annals of Plastic Surgery (Annals)■Journal of Plastic, Reconstructive, and Aesthetic Surgery (JPRAS)■American Journal of Aesthetic Surgery (Aesthetic)2007年1年間にreleaseされた論文1759編のうち41％にあたる726編を対象に、level I-IV の level付けをし、その平均値を比較している。結果は■PRS 3.05■Annals 3.31 ■JPRAS 3.35■Aesthetic 3.11※数値が低いほどEBM levelが高い※全体の平均値は3.2※ちなみにlevel I studyは2.2%のみ形成外科がより質の高い医療を社会に提供するためにこのEBM scoreは1つの基準になると考えられる。そして、PRSに採用される論文もlevel IVのcase seriesばかりではなくよりlevel I, IIにシフトしたものに変化していくことが予想される。■まとめ・形成外科系雑誌のEBM levelはまだ低い（平均level=3.2）・今後、形成外科においてもlevel I, IIのstudyが要求されることが予想される

  2011.10.14

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• 11/10/13 形成外科 周辺領域 論文のImpact Factor（IF）2010年度

  形成外科 周辺領域 論文のImpact Factor（IF）■一般外科 関連論文のIF・Annals of Surgery 7.9・Journal of the American College of Surgeons 3.65・World Journal of Surgery 2.7・The American Journal of Surgery 2.36■熱傷 関連論文のIF・Journal of Burn Care & Rehabilitation 2.42・Burns 1.95・Journal of Burn Care & Research 1.62■外傷 関連論文のIF・The Journal of trauma 2.63・Injury 2.38・Journal of Orthopaedic Trauma 1.78■小児外科 関連論文のIF・Journal of Pediatric Surgery 1.43・Pediatric Surgery International 0.95■皮膚外科 関連論文のIF・Dermatologic Surgery 2.34やはり購読者層の広がる一般外科、熱傷、外傷系論文のIFは比較的高い。将来的にAnnals of Surgeryのような雑誌に論文を書けたらと思う。"形成外科"はもともと"外科"から派生したマイナー科だが外科全体にインパクトを与えるような形成外科系の仕事ができればおもしろいと思う。以前に、Chang Gung (Kaohsiung)のDr.Kuo (plastic surgeon) が下記論文をAnn Surgに載せているのを知り刺激を受けた。■RefKuo YR, Kuo MH, Lutz BS, Huang YC, Liu YT, Wu SC, Hsieh KC, Hsien CH, Jeng SF.One-stage reconstruction of large midline abdominal wall defects using a composite free anterolateral thigh flap with vascularized fascia lata.Ann Surg 2004;239:352-358.

  2011.10.13

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• ASSH 2012 in Chicago

  ASSH 2012 in Chicago■Date：Sep 6-8, 2012■Place：Chicago■Abstract deadline：Feb 20つい先日ASSH2011が終わったばかりだがすでに来年度の案内がまわってきた。ASSHは1年フルに使って学会の準備をしている。ちなみに来年はシカゴで開催予定。KCCがprogram chairになっている。

  2011.10.09

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• 11/10/08　Pyrocarbon implantの論文投稿

  Pyrocarbon implantの論文が完成した。KCCのチェックも今朝無事に通過し、PRSに投稿することになった。Outcome studyは今回はじめての経験だったが思った以上に多くを学ぶことができた。Pyrocarbon implantによるPIPJ arthroplastyは長期的にみると多くのインプラント合併症が生じる。ただおもしろいことに本手術の患者満足度は非常に高く、その最大の理由は、手術で痛みが大幅に軽減すること。ではfusionでいいじゃないか、という話になる。ただ、患者が求めているのは痛みがなくある程度の動きがある関節。例えインプラントに不具合があって、手指機能が落ちたとしても患者満足度には影響しないことが今回の研究でわかった。この「患者満足度」という評価尺度がなかった場合、PIPJ pyrocarbon arthroplastyは"合併症の多い悪い治療法"とレッテルを貼られてしまうだろう。ただ、"患者満足度が高い治療＝よい治療法"という視点にたつとこの治療法に対する見方は180°変わる。患者満足度を評価ツールとして、従来の形成外科手術に応用することのおもしろさを今回の一連の研究、論文執筆で感じた。■まとめ・"患者満足度"で治療法を評価することでその治療法の評価が180°変わることがある

  2011.10.08

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  11/10/07　経皮酸素分圧器 T.Ox Tissue Oximeter

  昨日のUM PRS morning conferenceで、経皮酸素分圧測定器 T.Ox Tissue Oximeterの説明会が開催された。上記写真のように病棟にある心電図モニタのような感じで皮膚にセンサーを貼って、皮弁術後の経皮酸素分圧を持続モニタするというもの。酸素分圧の基準値（要設定）を下回るとアラームが鳴る仕組み。また、人によって、また部位によって正常値に幅があるため絶対値は信じず、グラフの変化幅を読むのが重要らしい。例えば、動脈の血流障害では波形が急激に下がる。静脈の鬱血にともなう血流障害では1日ぐらいかけて徐々に下がる。いわゆるclinical signがでる前に皮弁の血流障害を判断できるのが最大の利点とのこと。ちなみに測定中のデータをiphoneなどの端末からremote accessすることも可能。医療機器とスマートフォンのコラボも個人的に興味があり、おもしろい分野だと思う。

  2011.10.07

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• 第55回日本形成外科学会総会・学術集会 開催概要

  第55回日本形成外科学会総会・学術集会■Date：Apr 11 (Thu) ～ 13（Fri）, 2012■Place：ホテルニューオータニ（東京都千代田区）■Abstract：Sep 29 -Oct 26, 2011春は各学会の総会シーズンだが、帰国にあわせていろんな案内が来るようになった。

  2011.10.05

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• 11/10/05　論文の書き方／字数制限

  現在、PIPJ pyrocarbon arthroplastyの論文をまとめている。今までのcase series系の論文と違い、臨床統計の手法を用いるので、特に"Materials & Methods"、"Results"のボリュームが自然と多くなる。一方で、最近は多くのjournalで字数制限がある。他領域はわからないが、例えばPRSでは■Manuscript: 3000 words■Figures: 20ちなみにfigureは術中写真を例えば4枚一緒にして1枚にまとめても４枚とカウントされる。論文の内容量が増え、3000 words以内にまとめられずに困っていたら同僚のresearch assistantが"Tableを増やすといい"と教えてくれた。なるほど、Tableには制限がない。Results, Discussionの内容を極力tableに変換することでダラダラと長い文章を避けることができ且つ必要な情報はすべて論文に含めることができる。■まとめ・字数制限をクリアするためにTableを多用する

  2011.10.05

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• 11/09/30 アウトカム研究を形成外科に導入する

  現在、pyrocarbon implantを使用したPIPJ arthroplasty の長期アウトカムに関して論文をまとめている。今回の論文の構造としては、(1) pyrocarbon PIPJ arthroplastyを施行し、且つ(2) 2年以上のfollow-up period（＝long-term）が経過した症例を対象に、術前後で(a)機能(b)疼痛(c)患者満足度を評価項目として統計学的に比較するというもの。結果として、患者がこの治療法に満足しているか、そしてどの項目が患者満足度に直結しているのかを客観的に把握することができるようになる。例えば「この手術法は、機能はそれほど改善しないが、疼痛が著しく軽減することで最終的な患者満足度は高くなっている」というような結果がでる。ちなみにこれらの評価項目をそれぞれ数値化することで、他のインプラント（例：silicone implant）との比較も可能になる。(a)機能はrange of motion(ROM), grip strength, pinch strengthなどで評価する。また、(b)疼痛はVAS scale、さらに(c)患者満足度にはMHQ, DASHなどが用いられることが多い。もちろん、どの評価ツールを採用するかという判断もとても重要で、疾患ごとの評価ツールの精度を比較した論文も数多くpublishされている。********************************************個人的に興味があるのは、このアウトカム研究を形成外科内の他領域にどう応用するかということ。手外科は、・機能再建手術が多く術前後で差が出やすい・またROMやpowerなどを数値を測定しやすいため、アウトカム研究に向いている。しかし、形成外科手術の多くは、機能というよりはむしろ整容的な再建をすることが多く、それを数値化して評価するのは非常に難しい。さらに整容面は主観的な要素が多いため、VASなどでデータをとってもその精度に疑問が残る。文献を検索すると、aesthetic surgeryにおけるアウトカム研究も少ないながら報告があり、aesthetic専用の評価ツールの開発もされているようである（時間のあるときに調べてみようと思う）。特に美容外科領域にアウトカム研究を導入するに際しては、あるラインで限界があるように感じる。なぜなら美容外科にはscienceだけではなくartの要素が入ってくるから。ただ、瘢痕治療、皮弁再建、顔面骨、褥瘡治療などアウトカム研究が応用できると思われる分野は多く、今後それぞれの代表的な評価ツールに精通して、従来の治療法を評価、比較できたらと思う。

  2011.09.30

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• 11/09/24　論文の書き方／フォーマット

  KCCのresearch teamでは論文フォーマットが決まっており、そのためのマニュアルが存在する。■Writing format□ Wordを使用する□ フォント：Times New Roman 12 pt, double-spaced □ 四方の余白を1 inchずつ□ スペルチェック機能を使用する□ 科学論文の headings は: Methods, Results, Discussionで構成される（Do not include a heading for Introduction/Background）□ ページ番号を記載（editしやすいから）□ タイトルページがまず1ページ目。その後、2ページ目から本文。□ 信頼できる引用文献を(＝極力、文献・本を引用、Webは最小限で)□ EndNoteを使用する (Journalの指定したformatで)□ Figureは本文に含まず、別のファイルで管理 (Journalの指定したformat、size、resolutionで)□ Journalの投稿規定を注意深くチェックするo Journal of Hand Surgery o Journal of Bone & Joint Surgery o Plastic & Reconstructive Surgery o Hand Clinics ■Writing tips□ やや深く掘り下げる（Dig a little deeper）。表面上の事実を繰り返す文章ではなく、記載した文章に対して"how and why" を記載する。□ 盗用をしない。□ 複雑な文章を避け、シンプルな文章で。□ “Big words” を使用しない。（例："完璧な"治療法、"最高にすばらしい"治療法など）□ カンマは控えめに使用する。カンマを頻用してダラダラと長い文章にするのではなく、なぶべく文章を短く分断するほうがよい。

  2011.09.24

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• PubMedの使用方法

  PubMedの使用方法■PubMedの検索方法 （九州大学）→PubMedの検索方法をわかりやすく解説している■Youtube→視覚的に解説しているのわかりやすい

  2011.09.24

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• MICHIGAN HAND OUTCOMES QUESTIONNAIRE（MHQ）

  現在、■PIPJの人工関節置換術の長期治療アウトカムに関する論文をまとめている。いわゆるcase series系の論文とは全くスタイルが違うので新しく勉強することが多々ある。アウトカム研究において、治療法の善し悪し（＝アウトカム）を判定するためには信頼性の高い評価ツールが必要で、その1つに■MICHIGAN HAND OUTCOMES QUESTIONNAIRE（MHQ）が挙げられる。（同様な評価ツールとしてはDASHが有名）その名の通り、University of Michiganで開発された手専用のアウトカム測定ツール。KCCが開発し、1998年JHS[Am]に報告してから（Ref 1）種々の疾患（手根管、橈骨遠位端･･･）に応用されツールとしての信頼性を確立してきた。KCCのアウトカム研究ではほぼ100％使用されている。近年では国際的にも信頼性の高い評価法として認識され諸外国で翻訳され使用されている（もちろん日本も）。■MHQ概要→患者さんが記入する形式のアンケート→６つの独立したスケールから構成されている(1)全般的な手の機能(2)日常生活動作(ADL)(3)疼痛(4)仕事(5)整容(6)手の機能に対する患者の満足度※患者の性別、職業、収入などの情報も記載※機能評価だけでなく、日常生活で使える手か、さらに整容面まで評価している点が特徴。→合計72 問の質問、アンケート所要時間15分→具体的には手術前後にアンケートを実施し、治療効果を評価する→それぞれの項目をEffect size（ES）という数値に換算して評価する。ESは「治療法の効果の大きさ」のこと。すなわち、ESの数値が大きいほど、その治療法は有効ということになる。（ちなみにESはサンプル数によっても変動し、サンプル数が多いほど有効である確率があがる）■ReferencesChung KC, Pillsbury MS, Walters MR, Hayward RA. Reliability and validity testing of the Michigan Hand Outcomes Questionnaire. J Hand Surg Am. 1998;23:575-87.

  2011.09.24

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  PRS 顔面移植の術前評価法

  今月号のPRSにBostonのBrigham and Women’s Hospitalのグループが（1st authorは防衛医大放射線科の曽我茂義先生）facial allotransplantation（顔面移植）の術前評価における4D-CTAの有用性を報告している。結論は"MRAと比較して4D-CTAの方が術前検査法として優れている"というもの。顔面移植は日本ではまだできないが、フランスの第1例目を皮切りに形成外科の世界的トピックスの1つになっている。フランスの第1例目の患者さん■ReferenceSoga S, Pomahac B, Mitsouras D, Kumamaru K, Powers SL, Prior RF, Signorelli J, Bueno EM, Steigner ML, Rybicki FJ. Preoperative Vascular Mapping for Facial Allotransplantation: Four-Dimensional Computed Tomographic Angiography versus Magnetic Resonance Angiography. Plast Reconstr Surg 2011;128:883-91.

  2011.09.21

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  PRS Freestyle Pedicled Perforator Flaps

  今月号のPRSに友人のMarco Pignatti のグループが■Freestyle Pedicled Perforator Flaps■85例（うち穿通枝プロペラ皮弁63例）■Algorithm in cases of vascular compromise（動脈、静脈にトラブルが生じた際のバックアップのdecision-making）を報告している。ほとんどの症例が皮膚悪性腫瘍切除後再建症例。■ReferencesD'arpa S, Cordova A, Pignatti M, Moschella F. Freestyle pedicledperforator flaps: safety, prevention of complications, and managementbased on 85 consecutive cases. Plast Reconstr Surg 2011;128:892-906.

  2011.09.21

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  57th Annual Meeting Plastic Surgery Research Council (PSRC)

  2012年度のアメリカ形成外科基礎学術集会（57th PSRC）がUM (Ann Arbor)で開催されるとのこと。Prof. Paul S. Cedernaが主催するとのこと。そんなに大きな会場もない小さな街なので果たしてどこで開催するのだろうか？？■開催期間：June16-17, 2012■URL

  2011.09.01

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• 11/08/26　シリコンインプラント豊胸術の安全性(4)

  今月号のPRSに■乳房インプラントと乳房原発ALCLの関連性に関して続報（Ref. 1）が報告されている。10人の有識者によるmultidisciplinary panelの結果をまとめた論文で、今後の調査が必要であると前置きした上で下記のように結論づけている■要約(1) 乳房原発ALCLと乳房インプラントには関連性がある（＝positive association）が患者総数に関しては把握できていない。(2) 豊胸術後6ヶ月以上経過して生じたseromaは穿刺吸引のうえ、細胞診するべき。(3) 乳房インプラント周囲に発生した乳房原発ALK陰性ALCLは進行が遅く比較的予後が良い（全身性の同疾患と比較して）。(4) 治療は乳房インプラントと被膜の摘出。(5) Capsule-confined disease（直訳：カプセルで密閉された病気）を持った女性に対して放射線療法や化学療法は選択すべきではない。（因果関係に関しての同意はないが）また、今月号のPRSでは本疾患による死亡症例も報告されている（Ref. 2）。最近はPRSに毎号のように研究結果、症例報告が掲載されており多くの形成外科医が関心を持っていることを伺わせる。■References1. Kim B, Roth C, Young VL, Chung KC, van Busum K, Schnyer C, MattkeS. Anaplastic Large Cell Lymphoma and Breast Implants: Results From aStructured Expert Consultation Process. Plast Reconstr Surg. 2011 May122. Carty MJ, Pribaz JJ, Antin JH, Volpicelli ER, Toomey CE, FarkashEA, Hochberg EP.Patient Death Attributable to Implant-Related Primary Anaplastic LargeCell Lymphoma of the Breast: A Case Report and Review of theLiterature. Plast Reconstr Surg. 2011 Jul 19

  2011.08.26

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