新之助とクミョンの房子

震災の少し前までクミョンは喫茶店をしていたような気がする。
今もその頃のことをショートカットで思い出すことはあるが１０年も経つと
なんだか自分じゃない誰かがそこに存在していたような錯覚に陥る。

２４，５歳の小娘があんな一等地で近くの老舗の旦那衆？相手に珈琲とケーキ
だけで商売が出来てたなんて、今思うといい時代だったのだ。
その街も一店また一店と老舗が姿を消し携帯屋だのファーストフードなどに
様変わりして前の街とは全く違ってしまった。

何かの間違いでもしまた喫茶店を営むことがあったなら。。。。。
上の様な店がいいなぁ、「珈琲」ではなく「コーヒ」しびれるじゃないですか。

メニューはホット、ミーコ、レーコ、レーミーコ、めんどくさいけどミックスジュース
それだけ。ゆで卵とトーストも必須。気が向いたらかぼちゃのプリンも作ろう。

「フォションのアップルティーあるかしら？」とか「サントスを目盛り２で濃い目に」
なんてうざい事をぬかす客はお帰りいただく。

若い女のバイトなんていない、いるのは湊川市場で買ったお揃いのジャージを
はいたクミョンと東播の皇后だ。時々老化による疲れからどちらかが寝込むと
二人目の子供を背たろうた「ぶどう畑の妻」リョウコちゃんが手伝ってくれる。

営業時間は昼３時から夕方疲れるまで。定休日は不定休でほぼ週休４日。
ええなぁ、夢のよう。どなたかスポンサーになってくれる旦那はんいませんか？

ＥＮＤ