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2017.10.19
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ご無沙汰しております。

書きたいことがいろいろあるのに、仕事で忙しくて書く時間がとれないのは実に残念ですが、今日は、二週間程前から続いている本ブログの読者の方(=米国在住の日本人の方=以下では「Aさん」)とのメールのやりとりの抜粋を(読者の方にご了承いただいた上で)次の通り、公開させていただきたいと思います:



>私のまわりの精神障害のある作家は、きら
>めきがあっても陽の当たらない人が多い
>です。望月先生が、日陰の人の中にまぶしさ
>を感じるのは、どのような時(人)ですか。

短い文章ではありますが、上記のご感想・ご質問だけで私がブログを通して発信しようとしているメッセージ(=より正確に言うと、数々のメッセージのうちの一つ)がAさんにかなり忠実に伝わったようで、とても感動致しました。本当にありがとうございます。

よく思うことの一つですが、数学の研究の中でも最も核心的に重要なものは「~予想」というような名称のついている有名な予想・未解決問題等ではなく、むしろ、

(*)「何で数学が人類にとって本質的に必要
   不可欠なものであるか」ということを、
   どうやってより明示的な形で一般社会
   に対して示すことができるか

のような問い掛けだと思います。

別の言葉でいうと、人類は人類にとってまさに

             「異星人」

であり、その「異星人ぶり」は国家間、民族間、世代間といったような場面において如実に現れがちなものですが、もう一つの非常に重要な場面はまさに

 「(いわゆる)健常者 対 
        (様々な種類の)障害者」

の間にある壁だと、個人的に以前から強く思っております。

この様々な意味での「異星人」(=即ち、様々な種類の壁の向こう側にいる人間・知的生命体)の心に通用する言語は無数の社会的偏向(=「不純物」)に塗れた普通の(英語や日本語等のような)自然言語ではなく、

 人類の脳内で動作する数々の認識の仕組み
 の抽象的な論理構造の解明を、(ある意味)
 その本質的な使命とする(学問分野でもあり、
 一種の「言語」でもある)数学

だと思っております。まさにそのために数学の研究は歴史的に見ても、また人類の現在や未来を考えても、人類にとって本質的に必要不可欠なものだと考えております。

元々のAさんのご質問

>望月先生が、日陰の人の中にまぶしさを感じるの
>は、どのような時(人)ですか。

に対する答えになっているかどうか、余り自信がありませんが、私が様々な状況の下で「日陰の人の中にまぶしさを感じる」のは、邪魔になりがちな無数の社会的な物差し・基準等を無視し、忘却した上で、より原始的な、抽象的な(=つまり、「数学的な」)論理構造だけを見てその人のことについて理解しようとするときだと思います。



>ブログの「数学界にとっては事実上、ゴミ」の
>人材を育成した記事は、実体験とも重なって感動
>しました。忠実に私に伝わったのは、先生の文章
>が正確で心がこもっているからだと思います。

ありがとうございます。

>豊かな人材を溝捨てする平らな物差しが、複雑
>な形に伸び縮みすれば、異星/国/民人とも、障害
>者とも、お互いの眩しい部分を計り合って生きて
>いけるのかもしれません。先生の返信を読んで、
>そこに数学があることを、初めて意識しました!

そうでしたか。

私としては、数学の「ポイント」はまさにこのような側面にあるという認識ですので、(昔から感じていることではありますが)数学の研究の意味が一般社会ではやはりかなり本質的に誤解されているということになるかと思います。このような状況ですと、益々ブログ関連の活動に力を入れたくなります(!)。(そのような活動に割く時間がないのは実に残念ですが。)

>>私が様々な状況の下で「日陰の人の中にまぶし
>>さを感じる」のは、邪魔になりがちな無数の社会
>>的な物差し・基準等を無視し、忘却した上で、
>>より原始的な、抽象的な(=つまり、「数学的
>>な」)論理構造だけを見てその人のことについて
>>理解しようとするときだと思います。

>この視点をもち、かつ行動に移せる人はまだまだ
>少数なのかもしれません。望月先生の「本音」
>が、読者のこころに種を蒔いていると思います。

ありがとうございます。読者に対してそのような効果があるとすれば、ブログ初心者としては嬉しい限りです。

>アメリカは確かに無駄な”ワンクリック”情報戦に
>溢れる国です。ただ「日陰の人に対しての行動」
>に自信が持てたこの国には、感謝する部分もあり
>ます。

米国には(私自身、お世話になった)「ご立派」な面があり、それを無理に否定するつもりは毛頭ありませんが、「ご立派」には程遠い面も少なからずあることも紛れもない事実であり、私の場合、長年にわたる数々の国の方との無数の交流の経験を経て辿り着いた結論としては、米国をはじめ、諸外国に対しては、

    全体的に友好的な、開かれた姿勢

を保ちつつ、
       
       一定の距離を置く

ことは、決して拳を振り上げるような、いわば「盾を突く」ような好戦的な姿勢ではなく(=そのように誤解されたりすることもあるようですが)、むしろ相手の文化や内面的な世界と誠意をもって真剣に向き合った経験から生まれた、

   長期的な、安定的な平和を愛する姿勢

であると考えております。





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Last updated  2017.10.19 14:06:07



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