笑福亭笑子の日記

チャンネルニュースアジアという、オーストラリア全土アジア全土で放映されている朝のニュース番組での、インタビュー。政治経済などが中心の結構固い番組ではあるが、昔働いていた国営放送局メディアコープの敷地内で、あまり緊張することもなく，生出演した。
１０分の予定で、プロジューサーからは既に電話のインタビューもあり、生放送で質問される内容もメールで送られ、あなたはおもしろいからこの番組にぴったり！とまで電話でいってもらっていたので結構余裕で、あとはどれだけ生放送を担当しているシンガポール人の女性と男性のキャスターを笑わすか。。。だけを考えていた。

最初に落語の説明，噺家になったきっかけ、それから１０個程の質問があって，ケンちゃん登場。そこでケンちゃんが質問に答えて、ジョークを言う。。。はずだった。。。

まず、ケンちゃんの台が。。。高さ大きさが合わず、地べたにおいてとりだすことに。。。。ざんないけど、しゃあない。。。ということに。
インタビュー、笑顔で楽しく落語って何？という説明（もちろん全部英語です）。手ぬぐいと扇子をだして、仕草を。まずはインパクトのあるもので笑わそうと、鼻をかむ仕草から。。。。キャスター大うけ間違いなし！。。。？と２人の顔を見ると、どんびき！あれれ？？音が小さくて聞こえなかったか？？ともっと大きな音で鼻をかむ音をだす。。。もっとどんびき！本間にやってませんよ～！といっても、固まったまま。。。。ロンドンでやったときは、受けたのに。。。なぜ？かんだ後をみる仕草はやめた。すかさず、うどんを食べる仕草に切り替え、大音量で、ズズズズズズズ～！これはいけるだろう！ロンドンでも日本でも、これは鉄板！２人を見ると、軽蔑のまなざし。。。あげくの果てに、１０個の質問をカットされ，けんちゃんに登場してもらいましょう！といいだすではないか。。。。いかんいかんもっと私を知ってもらわねば。。。と、きかれてもいないのに、弟子入りのとき受け入れてもらうのが大変で、師匠の移住先ロンドンに１日先回りして空港でお迎えし、弟子入り合格！のはなしをした。これはプロジューサーが気に入っていた話で、是非してほしいといっていたので。でも、そっけなく、ケンちゃんお願いします。。。て。しゃあない、けんちゃんをだすか。つかみが肝心、ロンドンの大人向けのショーのように、まずはケンちゃんが女性キャスターに声をかけるところから始めよう。。。ハローゴージャス！と女性キャスターにいっても、ポカンとしたまま。。。。男性キャスターに君に言ってるんだよ，と言われて、やっと気づく。それでも無表情。爆笑しなくても、せめて驚かそうと、ケンちゃんこっちむいて！といってからケンちゃんの首を１回転、おまけに反対周りも１回転。それでもポカンとしたまま。どこへ行ってもこれだけは，必ずうけるとおもっていたのに！
そして、訳の分からない質問をされ、あげくの果てに、では最後にケンちゃんにトリックを見せてもらいましょう！としめにはいる。ようし！これで笑わなかった人はいないし、ビジュアルだから、絶対に大丈夫！と自信満々に、ケンちゃんが玉すだれを出し、フィッシング！マ～ライオン！それでも笑わないので最後に、しょんべん小僧！！
大爆笑！！！とおもいきや。。。拍手もなく、次の原稿に目を通すキャスター。
CMに入られかけたので、このままでは絶対に終われない！！と、キャスターを遮り、これで終わりですか？では最後にけんちゃんからご挨拶～！さよなら～！と最後の手段。けんちゃんのカツラを飛ばし、頭の中から真っ赤な花を華麗に取り出し、君に。。とかっこよく女性キャスターに花を投げ、うまいこと彼女の胸元に！やった～！終わりよければすべてよし！！！！？
と、キャスターをみると、固まった笑顔。

はじめの、鼻をかむ仕草で心の扉をがっちりとしめられてしまったのか？？？
ある国で、音を立ててうどんをたてる仕草をして、目の前に客に十字をきられた先輩がいるときいた。
それにしても、こんなインタビューアーは生まれてはじめてであった。普通は、嘘でも、盛り上げるために、驚いたり、笑ったりしてくれるものだ。

あとでこのはなしで、うちの師匠、噺家の先輩方とかなり盛り上がった。
このエピソ－ドも含め、シンガポールであった本当にびっくりする笑えた出来事を、新作落語にすることにした！
構成はほぼ出来ている。
題して、　”シンガポールドリーム！”
こけても、ただでは起き上がりまへんで～！