実験1しろい ね あの人の部屋 さみし い さみし い 奥の部屋 赤蕃茄の死骸が見える ―――偶然帰り道で通りがかった人は お前の名を口にする。電信柱でもない、窓でも ない。い。夕陽でもない。いい。出来損ないの 人間のことだから、eのart ( 行 方 不 明 に な る 吹 雪 ) しろい ね あの人の部屋 ―――さようなら、お手紙書くわ、・・・ ヤギにあげないで 明るくなる ・・・・・・・・・消えた。 ちぶさ ・・・・・・・・・眼が眠る ―――悲しみよ、白いシーツよりも白 く、まどろめ。悲しみよ、こんにちは、時間の ない影のなか・・・、休息をおしえてくれた、白い ヴェールのあかり・・・、さようなら、さようなら、、 ・・・お前の名を口にする。・・・ ぼくがこれから一緒に暮らそうと思っている女 ( そ れ か ら 彼 は 死 ん だ ) 老人のむしばまれた心臓 を 締め付ける の は 景色にも酔っ て 乙 女 の 合 唱 の 笑い声 きいろいハンカチーフ・・・、 ―――半額以下のサンドウィッチに 男はよろこべない、でも、守る、・・・・・・守る よ。混乱した耳に、たえまないつぶやきをく ださい、悲しみを、・・・ください ・・・青。あるいは、紫・・・ それは鏡の中の部屋の模様でありました ( フ ル ウ ト ・ フ ル ル ー ト ) くすんだかけら ・・・・・・・・・ひとつのまなざし しろい ね しろ い ね あの人の部屋――― 2 おいしそうな果物 が ベッド に な る 五感に迫って 音みたいな映像で 見慣れたオブジェ も 寝 ぐ せ 秋、オーディオの ボリュームをあげた 言葉の力を借り て ま た 少 し 好き ・・・に な る 朝、彼の秘密を知る それか ら それか ら 笑 っ た 軽くあしらわれたい 太陽でもえる木の枝のような・・・ ・・・わたしは何も知らな。・・・ 3 道幅が狭くなってきているというのに 、住宅街の狭い路地をぬける かすかに ゆれている洗濯物、不器用そうな犬の首輪 根刮ぎどこかへ運ばれていった ぶ ら ん こ あたしという耳のなか、 ―――瞳のなかへ 晴れあがった日、海へ出掛けるように 庭樹がほそぼそとささやいている ひびきあって葉むらの濃淡に吸いこまれてゆく オーロラのきらめき ぶ ら ん こ あたしという鳥の翼、 ―――地平線へ ( ひろがってゆくその果てしのない夢は、 産声をあげている。キスしたい、キスしたい、 キスしたい、―――もっと、キスしたい ) 太陽に黴がはえはじめるころ 静かに重なってゆく落葉 ・・・線路もないのに終点だけ知っている・・・ 電線が景色を汚して、 ―――まるで教室の掃除箱にしかない希望 そしてBlack box 菜種油の行灯でもともりそうな街に ーいまはなつかしい、祭りの提灯・・・、 ぶ り り あ ん と あたしという耳のなか、 ―――瞳のなかへ 初秋のある日、ひとりぼっちのあたしを残して 弱々しいまなざしが 高層ビルの死角にまで届くころ、 ぷ り ぺ い ど ・ か あ ど No no no・・・ぶ ら ん こ あたしという鳥の翼、 ―――地平線へ あわくも咲いた青空のしろい蓮 ーかすかなひびきを聴け、 あたしは目に光る涙のなかにもっとまっしろな ましろな綿菓子を食べている は る か な 底 か ら どんなやわらかいイメージ・・・、 遠い異国の地で、 季節の匂いをうまく嗅ぎわけること それはほとんど眼に火花をとびちらせ 永遠を待っている少女 4 ね、のんびり話をしよう よ 秋 の ゆ ふ ぐ れ さよおなら さよおなら ま た・・・ 花が咲きました ふかふかの絨毯まあぶる ・ちよこれえとのかおりがする ね、コオヒイのみたいね ああ、秋だね 「憐れみたまえ、慈しみたまえ、 ―――り、り、りん・・・。」 きょうは、月みえるかな ああ、さみしいね、くるしいね 秋 の ゆ ふ ぐ れ は、きっと何も知らないのでした 。こほろぎ、すゞむしのこと・・・、 ね(だれのむねにどんなひびく・・・? ね・・・。 5 もう一度振り返ったら消えていてる・・・、 それは彼を待つ時のジュモン だらだらだらだら・・・・・・・・・。 あいすくりうむの棒からしろうい液がいやらしくとけて、 背中にふれ・・・、腕にふれ・・・、髪に――― あうい空 ・・・遠くから の 雨音 ( 茹 だ る よ う な 夏 で し た 。) ドクドク鉛の味するあたしの心臓≪ポンプ≫ バニラばにら すぐ溶け て Stationh 白昼夢、すぐ溶け て、すぐ あ た し は ま わ ら な く な る ―――すぐ、立ち行かなくなる恋、 舌 、 し た / ば に ら、 ばら ・・・ ピエール・ドゥロンサール ・・・ ふわりと一瞬花のかおりがして、 ―――ぼんやり、と押し戻される肉体、 <どうしてあたしは腐敗しないのか、―――気付く> あうい空 ・・・あうい、あう い、、あ う い こそばゆいアンニュイ、 ペペロンチーノのやふな触手 ・・・愛すべき八月の完璧な懈怠≪けたい≫ <ゆ ふ た ひ り だ つ、・・・・・・・・・> 定点にとどまることなく電線のコードに ―――引っ掛かって揺れて、は ね、羽 根 <ああ、みんなこの世界で天使になる、―――悪魔のため> 口腔のにほひがして、蛇がはひつてくる ―――なすがまま、・・・されるがまま <ア イ ボ リ ー な 感 じ 。> 夏の夕暮れ/夕立ち・・・? いえ、ただ、いろいろな雲がふわふわ流れてゆきます・・・・・・・・・。 6 して、 とおねだりしてみる 銃口を向けていたらどうしよう ―――餓え死にしたらどうしよう ピーチクパーチクカルヴァーニ 忘れたいのに思い出せない この国は死なない、 ―――そのとき、すでに死んでいたから ルチードバルコニオングレーテ ボニファツィウス ヘレネー、ルクレツィア ―――もはや望みを絶たれた 本当にそうだろうか・・・? メルテンフェリクス、uum・・・ して、 7 あたしの咽喉にご飯が通らなくなって もしどんどん痩せていって、 部屋から一歩も出られなくなったら どんな風に、瞬きをしながら 涙を流すんだろう。 あたしがもし、胸がおっきくて 誰でも誘うようなところがあって、 もし、あなたと出逢ったら・・・ ―――あなたに 抱かれたい、 こうしてほしい、そうしてほしい ・・・でもそれを煽情的とあなたは言うのかも。 いままで素直に言えた試しがない、勇気がない、 ほんのちょっぴりのウソのスパイスが ・・・よけい、みじめにさせる。 もっと 左の耳から入るようだったら、 ねえ、もっと、沸騰した水が気体になるように じぶんの身の丈いじょうのこと、 「ひどい答えだ。」 それ以外のこと・・・、言えないの? でもあなたはいつでも正しい・・・、 だってあなたは教師、 明かりを消し忘れることがない。 |