国井咲也の満巻全席　第206席


『だいこん』（足）のつづき。

指先に冬を感じるようになってきた。
この季節はとみに大根がうまい。
軽く塩した水だけで煮て、
たっぷりとその身体に湯をくぐらせて
色を透き通らせた大根に
削りたての鰹節と生醤油、
それとひとつまみの炒り胡麻を
ぱらりとかけただけの、
手間もなにもかかっていない
粗末なものだが、これを
ふうふういいながら食べる。
じつにうまい。

あつあつなので、我が愛しの
ぬいぐるみのくまたちは
「あつあつはよくひえてからたべます」
「あついのはさましてからなの！」
などといってすぐには食べないのだけれど、
それもまた、とんちんかんでかわいい。

話しがそれた。

大根の食べ方ではない。
女性の足をさす、言葉の方だった。

野菜好きには侮蔑の意味にとられない、
または嘲笑の意味において発しない、
国井のような大根好きには
自分で言ってしまうと
「私の足、おいしそうでしょ？」と
自慢しているようにしか
聞こえない、というのが
先々週の話。（そうだったか？）

他に、どんなものがあるだろうか…
いや、どういう野菜が適しているだろう？

人参はどうだろうか？

『キャロット・スカート』

いきなりの聞き間違い、
駄洒落の域になるけれど、
正規の名称から一文字変えただけで、
これはこれで野菜好きには立派な
エロ単語だ。（ええ？）

だって、ホラ、
甘みが多そうではないか。
（国井、『雑破時空』発動中）


子供達には不人気であると聞く人参も、
大人の社会では何故か
「かわいい」ニュアンスのキャラとして
用いられていることが多い。
ウサギと対になるようになっているもの多いようだ。
（多産であるウサギはそこから
　淫蕩のイメージとしても用いられる。
　某有名男性向けグラビア雑誌のキャラクタが
　兎のモチーフであったのはこの為だと聞く）
このあたりに理由がありそうだ。

なので、あまり人参は女性に対しては
使わない方が良さそうだ。
恋仲になってからの表現（野菜）としよう。

…男性視点から、女性を野菜に例えるものに
なってばかりいる。
視点の切り替えが必要だ。（誰に？）
男性に対しては、どうだろう？
良く（そうでもない）耳にするのは
『ピーマン』あたりか？

胸に『Ｐ』の文字をあしらった
全身緑色のタイツの宇宙人、ではなく、
多くは、頭脳労働に向かない、
もしくは記憶力の低さを
指摘する時に使われるようだ。

ピーマンはなんといっても
オイスター・ソースとの相性が良くて…

　　　　　　　　　　　つづく