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カテゴリ:水曜…サンキュータツオ
【サンキュータツオのそういえばですけど】 11.12.14号
サンキュータツオの「世界一初恋愛2」 ~かわいそうな横澤、かわいい横澤、たったひとりの横澤~ サンキュータツオだポポー! 今年は、『世界一初恋』を、都合2クールにわたって堪能できた、 喜ばしい年でした。 まさかあんなことがあった直後の4月から、こんなアニメが放送されるとは! 元気をもらいました! 勇気をもらいました!(普通の意味で) ほかの人はどうかわかりませんが、 私は「上を向いて歩こう」よりも、 喜多修平さんのOP曲が一番テンションあがた! 今年はそれ以外にも、タイバニという作品でオッサン受けの魅力を体感し、 やっぱ、隙のある大人の男っていいよなあ、って思いました。 隙があるからこそ、たまに攻めちゃうのもおもしろいし。 リバーシブルという考え方にはじめて共感できた、素晴らしきBL年でございました。 さあ、というわけで やってまいりました、一週間のご腐沙汰でございます、 サンキュータツオの 世界一初恋愛2! (せかいいちはつこいあい2) 「オレのほうがよっぽど政宗に合ってる! オレは政宗がすきだ。」 横澤あああああああああ!! それを言っちゃ、 それを言葉に出して言ったら、 失恋フラグ立ちまくりでしょうが!! もう今週は、表向きは政宗×律のカプの大フィナーレ前哨戦、 「一度精神的に落とす、そしてそこからアゲる!」イベントのフリ回だったの、 多くの方は、政宗と律の恋の行方を中心にご覧になっていたと思うのだが。 もうこのカプの踏み台というか、 噛ませ犬的な振る舞いをみせる横澤さんという人に、 私はもうゾッコンでございまして。 こやつ、噛ませ犬なのに、猫なんかかわいがってたりして。 いま思えば、あれが私たちがこのアニメで観た、唯一の「横澤のデレ」だった。 私はあの瞬間、「こやつ、噛ませ犬にしては惜しい!」と思ってしまったのである。 カップリングをたしなぬのがBLの醍醐味とわかっていても、 もうこの人の「浮かばれなさ」たるや、現時点では直視できない痛さである。 なぜ痛いって、もう一途で健気だからなのだポポ! 律「なんで横澤さんにそこまで言われなきゃいけなんですか。」 横澤「お前よりアイツのことを好きだから。」 ドーン! ハッキリいって、このセリフジャンケン、横澤の勝ちだよ! 人んちのマンションの廊下で、 男をめぐって男二人が大声で奪い合うという。 最高に迷惑なシチュエーションで出たこの堂々たるセリフ。 修学旅行の班決めのときとかに、是非男子同士で使っていただきたいセリフである。 「なんでお前あいつと一緒の班なんだよー」 「お前よりアイツのことを好きだから。」 とか。「オレらモテないねー」なんていいながら、自由行動の時間も一緒にいてほしい。 (以上、妄想) おいだれか横澤のこと幸せにしてやれよ! 政宗! そんな中途半端な律のことなんか忘れて、横澤を喜ばせてやってくれよ! と、 思わずそんなことまで思ってしまうわけで。 さすが中村春菊マジックである。 賢明な視聴者諸君であれば、 この先の政宗×律の展開は、原作をご存知なくともおわかりだろう。 このままいけば、このカプを見ているだけでも最高のクリスマスを送れることになるだろう。 この、「一度関係が悪化する」は、「元の関係よりさらに良くなる」という結果への、助走でしかないことを、我々は体験してきた! BLとは、「二歩下がって三歩進む」物語なのである! だから、この二人に関しては心配していない。右斜め上を行くシナリオが用意されているはずだからである。 さて、ここで政宗と律のことは、次週以降にとっておくとして、 横澤萌えについて、この気持ちをどうすればいいかを語らせていただきたい。 もっとも賢明な視聴者諸君は、アニメ以外にも、 漫画や小説、ドラマCDなどでこの世界観に浸りまくっているだろうから、 この先のことを知っているやもしれぬ。 ただ、 そこは待て! ひとまず、なにかを知っているとしても、ここはひとつそれを忘れようじゃないか! 忘れたほうが、今度アニメ化したとき、最初の気持ちで観られるぞ! というわけで、今後のことは全員知らないことになった。 これでよい。 私は、あまりに横澤がかわいそすぎて、 当初から、「横澤には、骨フェチの優こそベストな相手」と提案してきた。 ここまで政宗に一途な横澤が、まさかそう簡単に別のだれかの手に落ちるとは考えにくいが、その「考えにくさ」こそ、腐ィルターを通せばバラ色の世界へのブラックホールであることもある。そこへもってきて、エロい優がおっさん横澤を玩具状態にしてしまう、というところが、私の提案した「優×横澤」の良さである。 『純情ロマンチカ』での、ヒロさんがそうであったように(宇佐見テンテー一途だったはずなのが、ある日を境に野分に心奪われていく)、横澤もだれかに心奪われる日が来るのかもしれない。 しかし、ここまで考えて、私はまだ別の可能性があることに気づいたのだ。 1.もしかしたら、アニメ版の最終回が「横澤と政宗が付き合う」という展開。 (恋愛シュミレーションゲームでしかあり得ない画期的展開。) 2.横澤は、このまま一生政宗を思い続けて、一人でいる。 (横澤DEAD END) この二つである。 「1」の可能性は低い。低いが、年末か早春か夏に、薄い本でもしかしたら出会えるかもしれない。しかし、DEEN制作のアニメでは見られない。堀内賢雄さんの声は乗っかっていない。 となると、私が観たいのは「2」になる。 つまり、「横澤未来日記 DEAD END」(死因:孤独死)である。 「だれかを思い続けて一人キャラ」は、当然、千秋を想い続ける優ともかぶる。 しかし、冷静になって考えてみたら、優は本気を出せば、適当な相手と遊べそうな器用さや余裕があるはずである。 寂しさの埋め合わせ方を知っているように見える。 だが、横澤さんはどうだ!? あんな不器用そうな人間はなかなかいないではないか! 現に、大学のころから政宗にまとわりつき、 心のスキマに入りこみ、 政宗が自分のほうを向いていないとうっすらわかっていながらも、 それでも政宗を独り占めしたくてしかたなく、 本当は頭では理解していても、心が苦しくてどうにもならないのかもしれない。 いま、政宗が律ラブであることを目の前で見ても、 彼は往生際悪く、 「オレのほうがよっぽど政宗に合ってる!」 「オレは政宗がすきだ。」 と言い放ったのである。 犬のなわばり争いである。危険なのでほえているのと一緒である。 今週は、心とは裏腹な言葉が口をついて出る律の心理描写が丁寧に描かれていたが、 本当は横澤のほうにだって、心理があったはずである。 「オレのほうがよっぽど政宗に合ってる!」 (こんなことを言っても、むなしくなるだけだというのに) 「オレは政宗がすきだ。」 (だかたなんだというのだ。 何度言ってもアイツは振り向いてはくれない。 アイツはずっと小野寺を見てる。) という心理だったはずなのだ! あくまでタツオ腐ィルターを通した場合、である。 おそらく。 もしこの先横澤が、政宗以外のだれかと一緒になるとしても! それは、中村先生自体が、描いていて横澤さんのことを「かわいそう!」と思ったからに違いないのである! (完全妄想!) しかし、横澤は、永遠に政宗の呪縛から解き放たれることなく、 一人でいてほしい。 ずっとずっと政宗を想い続けていてほしい。 猫を抱きながら、政宗を想っていてほしい! その横澤のさびしい背中に、オレは萌えるのだ!! その絶望が、横澤をもっと輝かせる! 横澤さんは地の底まで落ちてほしい。 「こいつ大丈夫か!?」ってとこまで落ちてほしい。 横澤が孤独になればなるほど、萌える!! オレって、ドSなんだろうか……。 BL読んでて、これほど単体キャラに萌えたのは、はじめてかもしんない。 むろん、こうした私の趣向の根底には、虎徹的な意味での萌えが萌芽したという理由もあるのかもしれない。 虎徹のどこが良かったって、バーナビーが記憶を操作されて、虎徹のことを忘れてしまったときの、あの寂しそうなサマなのである! 横澤は、『純情ロマンチカ』の、野分に出会う前のヒロさんであり、 こっぴどくフラれた『世界一初恋』の優以上に、意中の人には愛されておらず、 永遠の絶望をさまよう孤独な狼であってほしい。 耐えられない! かわいそすぎて耐えられない! でも、そこがかわいい! 今週の横澤がかわいかったから、そのときもっとかわいい! と思ったのでした。 妄想です。この先のことに興味のある方は、原作をどうぞ。 恋愛に必要なことは、 すべてBLから学べ!! 【お知らせ】 祥伝社 『on BLUE』VOL.4 (BLアンソロジーの商業雑誌) ヤマシタトモコ特集 にて、ヤマシタトモコ先生からご依頼を受け、 「ヤマシタトモコと私」に寄稿しました! 死んでもいい! あたしゃ死んでもいい! この漫画家さん大っっ好き!! もともと全作品読んでたんで、5万字くらい書きたかった。 しかもこのコーナーに、あのテラシマさんやえすとえむさんが名を連ねているという! 今年、水城せとな先生の『ダイアモンドヘッド』文庫版のコラムを担当したときとおなじくらいの心のピーク。 正直、こういうのって売れてからじゃないとできない仕事だと思ってたけど、 もうゴールです私。引退します。引退してもいいですいつでも。 またこの先生のオッサンほいほいぶりがたまんねーだコレが!! 今回『喰いもの処 明楽』のプロトタイプ版が発表されたのだけれど、 もうエロいのなんのってもーヨダレ垂らしてましたわオレは! 二次元の男って、なんでこんなに萌えるのか。 「男」ってスーツをまとった萌えキャラにしか見えない。 私のなかで、萌えキャラに性はない。 シーユー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.12.15 00:36:10
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