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【サンキュータツオのそういえばですけど】 2013.9.25号

 ~サンキュータツオの腐男塾!
  『Free!』紹介で語った「現在進行形の同窓会」~


今朝、日本テレビ『ZIP!』で『Free!』紹介させていただきました。
これは大変ありがたい機会!
もちろん地上波で大丈夫な範囲の紹介!(そりゃそうです!)

たしかに、魅力をきっちり語るとなると時間が足りるわけはないし、
どういう紹介の仕方をしても、すべての視聴者や制作者の気持ちを代弁することもできない。
そもそも私にはそんなだいそれたことはできないのです。
わかってねえとか、意味わからんとのご批判はありがたいのである。

私は、私自身が実感したことを、自分の言葉でお話したまでです。これは本当。
言わされたわけでもなんでもないです。『Free!』も語りたくて語りました。

時間の都合もあり、言葉足らずになっているように感じられる部分もあったかもしれませんので、ここで補足説明なんかをしようかなと。どう紹介したところで炎上は目に見えていたので、その覚悟で楽しみました。そうじゃなきゃこの仕事はできないですし、私はだれよりも自分なりに考えて自分の言葉でしゃべっている自信があるので、心配してくださっている方々は、ご心配に及びませんよー。

でも、オンエア観たら、これはこれですっと理解できましたっていう人もかなりいらっしゃったので、別に日テレさんが悪いとか、ZIP!が悪意がある紹介をしていた、なんてことは1ミリもありません。

つまり、ひとえに私が言っていることに腹を立てた人が多いということです。これは私のかわいくないパーソナリティにも問題があるのですが。『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』みたいな話ですが。そうなんです、性格悪めですオレ。

 ~▼『Free!』の松岡凛を考える!~
 ~▼『Free!』相変わらず面白い!つか泣く!
 ※やや刺激強めです。

上記、ここ(このブログ)で語ってきた『Free!』記事。

私は凛タソかわいい!と思ってみております。好きなキャラは渚です。もっとも共感しているのは怜ちゃんです。憧れるのは真琴です。遙はこわいです。

京都アニメーションが手掛けていた『けいおん!』では「終わらない日常」が描かれました。
最終回、そして劇場版でさえも、「別れ」は意識されながらも、「ずっと一緒だよ」を強調することで、未来もおなじような関係性が連続することを予感させました。
昨今のアニメの潮流とでもいうべき「終わらない日常」というテーマは、なぜウケるかというと「変わらない安心感」がそこにあるからだし、変わらないということの「癒し」がそこにあるからです(もちろん、変化を好むユーザーもいます)。

『けいおん!』を引き合いにだすのは、4人の同級生と、そこに1年下の梓がいるからです。
『Free!』でいう怜ちゃんという隠れ主人公がいるのと同様、「4人」を外側から眺める、かわいそうで愛おしい「仲間」がそこにいるという構造がおなじだからです。

しかし、『けいおん!』とちがって、
『Free!』という物語は、実は小学校時代で「終わらない日常」は一度終わっているのです。それはリレーでの優勝という形で最高のハッピーエンドとなってピリオドが打たれている。

そして一人は水泳留学をする。仲間たちは離れ離れになっていく。

『けいおん!』でみんな別々の大学にいき、大学卒業するくらいの年齢だったり、30歳くらいになったとき、あの5人が再会したらどうだろうか。一度ピリオドが打たれていて、ずっと仲良くが続いていなかったとしたら…。それぞれがいろんな経験をして、いろんな考え方をもち、それでももう一回バンドをやるとしたら…。

『Free!』は、そんな「(小学校の)同窓会」を高校時代にやっているのです。
というのが私なりの『Free!』観(これは、こうなのだ!という解釈論ではなく、あくまで個人の見方です)。
『けいおん!』のその先、終わらない日常のその先に挑んだ意欲作だと思ってみています。

小学校の同級生が、しかもおなじ部活のようなことをしていた同級生が、高校でもずっと一緒にやっているっていうのはなかなかありません。野球でいう八重山高校みたいな。
意思をもって集まっているし、感情をもってひとつのプールに集まっている彼らを見ると、それはあたかも「同窓会」のようなのです。

しかも、彼らは常に過去と向き合っている!

小学校時代、そして凛と遙の勝負をした中学校時代。
だれかにとっては父親の死であり、だれかにとっては練習した日々だったり。
だれかいとっては陸上の思い出だったり。漁の記憶だったり。

「放課後」ではなく「同窓会」と私が言ったのは、まさにこの「過去と向き合う作業」があるからこそなのです。
オレはバスケ部だったけど、いまだに当時の部活の連中のことは思い出すし、あえば毎日一緒に練習していたくらいだから、過去の話にはなる。で、いままだ選手をやっていたら…と思うと、過去のトゲは抜いていかないと、続けられないわけですよね。

『Free!』の場合は、とくにそういう人間の心の機微を、遙と凛の物語を中心として、まわりの同級生たちも主人公として扱ってくれている(1年下の怜を含む)
彼らは小学校時代の自分に背中を押され、過去の自分に抱きしめられる。

『Free!』のオープニング、小学校時代の4人がプールのなかにいる絵を見ただけで、私が泣いてしまうのは、まさにそんな「過去の自分に抱きしめられる今」を感じるからです

そして、怜ちゃんだけは、「いままさに胎動する青春」を体現してくれている人なのです。
「仲間」に過去も現在もない、ということが、怜ちゃんという存在がいてくれるからこそわかる。
ただの馴れ合いや幼なじみのコミュニティの話、にしてしまわないために、怜ちゃんがいてくれている。
これが『Free!』のすごいところなのである!

怜の持っている疎外感は、凛が感じる疎外感と種類はちがえど同じ力で、だからこそ彼らはコミュニケーションする必要があった。ここ数回のあの二人の絡みは、そんな「疎外感」をぶつけあう「仲間」になるための儀式だとオレは思ってるさ!

このアニメはみんなどこか「疎外感」を抱えているのだ。真琴も渚も遙も。


大会での競泳シーン。凛が見つめ、「あの頃の泳ぎ」を解説してくれるところがまさにそう!
過去がフラッシュバックしつつ「現在」をみる。止まっていた時間が動き出し、そこに怜ちゃんの泳ぎが凛にも認識された!
あれは「怜」が凛に「仲間」として認識された瞬間なのである!
夜に呼び出しとか、マジで仲間認定そのものなのです!!

同窓会は普通、一日だが、
彼らはいま、毎日が過去と向き合い、現在と向き合う、「現在進行形の同窓会」なのです!

そこに、ちゃんと見ていればわかるような人間関係や「想い」の跡(渚が怜の部屋何度か行っていたりとか、怜が水泳の理論本すんごい読んでたりとか、凛の不在という影が水泳部の5人に与えている影響だとか)があるから、
このアニメは、だれが見たって面白いものになっていると思うのです。
なぜならそれは普遍的な心の動きだから!

というような話をしたけど、そりゃ全部使えるわけがないので、数分にまとめてくださったんだけど、それでもあそこ使ってくれたことに私は感謝しています。
そのほかにも「オフィシャルにみられる男の裸」とか、「水泳シーンの作画と、水しぶき=爆破シーン相当の労力」「水の表現の多様性」みたいな話をしたんですけど、そこを削ってここを残してくれたことに、ものすごく、スタッフさんの誠意を感じました。


前半の心の機微については、無人島で雨上がりの水滴が水たまりに落ちるシーンをぜひ!とお願いしたんですけど、やはり時間がなかったようです。
でも、地上波で多局のアニメをこれだけ紹介してくれるなんて、『ZIP!』も粋です。
先週は『有頂天家族』、先々週は『鷹の爪GO!』を紹介したんですよ。


「現在進行形の同窓会」、私は上記のような意味で使っていました。説明してもご理解いただけないかと思いますが、ひとりでも「そっか」と思っていただければ幸いです。
わかってくださった皆様は、説明せずともわかっていただけたようなのでうれしいです。
おなじ問題意識でこのアニメ観てた人がこんなにもいたのかと思うとうれしいです!


ともあれ読んでくださり誠にサンキュー!

この記事を読んで、二度と私を見たくないほど嫌いになっちゃう人と、そうでもない人(好きという人はなかなかいない)がいると思いますが、それでも『Free!』の素晴らしさは変わらない!

男子でもマジで楽しめる作品です。まだ未見の人はぜひ一気見してみて。三話くらいからグンと引き込まれると思います。

ごきげんよう。






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最終更新日  2013.09.25 09:44:12
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