縁側に腰をおろして
縁側に腰をおろして何を見つめているのだろうかどうしたって四つしかない堂々巡りの季節の中で今さら心をくすぐるものなど無い梅の花がきれいねと口に出してはみるもののあたりまえのつまらなさを何処かで哀しく思っている少女の頃 春は毎回新しかったあの日のように輝く梅を 私は久しく見ていない少女の頃に見ていた夢を手に入れてその夢の代わりに失ったものを探してみるけれどそんなものなどほんとうは 一つもないことを知っているそれでも辻褄を合わせるためだけに 罪と名付けたものたちを今日もただこうして質問ぜめにしているのだ縁側に腰をおろして何を見つめているのだろうか答えのほうが先にあるから答えの数しか質問しない過去になど興味がないくせにあの窓を振り返るふりをしてまで縁側に腰をおろしてただ空と私だけが今日も新しい