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テーマ:小説日記(233)
カテゴリ:日常
「おい門倉、マジでやばいぞ」 「っすねぇ」 「こんな、砂漠で車がガス欠ってのは、マジで、、、やばい」 「っすねぇ」 「一か八か、歩くか、ここで救助を待つか」 「隊長、歩くって言っても、どっちっすっか?行くんすか?戻るんすか?」 「わからん」 「っすねぇ」 「なぁ、門倉。まさかとは思うが、万が一を考えて聞いておくが、現在の残りの食料はどれくらいだ?」 「あ、ありますよ。大丈夫っす」 「何がある?」 「ケンタッキー・フライド・チキンのスパイシー味が12本っす」 「ケンタッキー・フライド・チキンのスパイシー味が12本、、、、そ、そうか。それで他は?」 「無いっす」 「なに?」 「食い物はケンタッキー・フライド・チキンのスパイシー味が12本っす」 「じゃ、コーラは?」 「コーラっすか? コーラは持ってきてないっすねぇ」 「お前、普通、ケンタッキーにはコーラを用意するだろ?」 「いえ、自分、ケンタッキーにはアイス・コーヒーっす」 「コーラだろ、普通~」 「隊長、普通って、隊長が基準っすか?」 「そういうわけじゃないが、俺はケンタッキーにはコーラだ」 「自分、アイス・コーヒーっす」 「じゃ、まぁいい。缶コーヒーは有るんだな?」 「有ります」 「よし、何本だ?」 「1缶っす」 「1缶? 門倉、ケンタッキー・フライド・チキンのスパイシー味を12本で、コーヒーが1缶か?」 「あ、でも大丈夫っす。コーヒーは自分が飲みますんで」 「え?」 「隊長、コーラ派っすもんね」 「いや、、、そういう問題じゃないだろ」 「大丈夫っすよ、自分、コーヒー派なんで、責任持ちますんで」 「いや、そうじゃなくって、門倉、ここは砂漠なんだ」 「っすねぇ」 「門倉、、いいか?俺達は、ひょっとすると遭難する状況なんだ」 「っすねぇ」 「それで、門倉、ケンタッキー・フライド・チキンのスパイシー味を12本で、コーヒーが1缶だ。」 「うぃす」 「門倉、わかるな?」 「うぃす。分かります。自分、責任持ちますんで」 「そうじゃない、門倉」 「あ、ひょっとして、あれっすか?」 「そうだ、門倉」 「ひょっとして隊長、スパイシー苦手っすか?」 「そうじゃない、門倉」 「自分、ちょっと実は思ってました。砂漠にスパイシーは、ひょっとして隊長に怒られるんじゃないかって」 「そうじゃない、門倉。まぁ、そりゃ砂漠にスパイシーは少しあれだが、このさい、それはいいとしてだ。ここは砂漠だ」 「やっぱりそうっすか」 「そうだ、門倉」 「わかりました。じゃ、スパイシーもなるべく自分が全部食べますんで」 「そうじゃない、門倉。コーヒーだ」 「もちろんっす、コーヒーは何があっても自分が責任持ちますんで。そこだけは、絶対に守りますんで」 「そうじゃない、門倉」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.03 15:58:54
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