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行き止まりは、どこにもなかった

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毒色あきし〜

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コテ派な日々~キャラクター紹介~(過去のもの)


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新!コテ派な日々~プロローグ~


新!コテ派な日々~キャラ紹介~


新!コテ派な日々~第一話~


新!コテ派な日々~第二話~


新!コテ派な日々~第三話~


新!コテ派な日々~第四話~


新!コテ派な日々~第五話~


新!コテ派な日々~第六話~


新!コテ派な日々~第七話~


新!コテ派な日々~第八話~


新!コテ派な日々~第九話~


新!コテ派な日々~第十話~


新!コテ派な日々~第十一話~(番外?Dead Data@第一話)


新!コテ派な日々~第十二話~(番外?Dead Data@第二話)


新!コテ派な日々~第十三話~(番外?Dead Data@第三話)


新!コテ派な日々~第十四話~(番外?Dead Data@第四話)


新!コテ派な日々~第十五話~(番外?Dead Data@第五話)


新!コテ派な日々~第十六話~(番外?Dead Data@第六話)


新!コテ派な日々~第十七話~(番外?Dead Data@第七話)


新!コテ派な日々~第十八話~(番外?Dead Data@第八話)


新!コテ派な日々~第十九話~(番外?Dead Data@第九話)


新!コテ派な日々~第二十話~(番外?Dead Data@第十話)


新!コテ派な日々~第二十一話~(番外?Dead Data@第十一話)


新!コテ派な日々~第二十ニ話~(番外?Dead Data@第十ニ話)


新!コテ派な日々~第二十三話~(番外?Dead Data@第十三話)


新!コテ派な日々~第二十四話~(番外?Dead Data@第最終話)


新!コテ派な日々~第二十五話~(番外?Dead Data@楽屋裏)


新!コテ派な日々~第二十六話~


新!コテ派な日々~キャラ紹介2~


2011/07/24
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気になる異性が出来てから、自分が変わるのは本当に早かった。

何とかその人と話せるように、ととにかく色々理由を付けて誘った。

一緒に勉強したり、ただ遊んでみたり。

出会った場所が自分の住む町から少し離れた町だったので

その町で遊べる所が知りたいから教えてほしい、なんて適当な理由でも、案外通った。

冗談めかして色んな事を喋った。

ぽろりと好意を寄せてる事を言ったりもした。

普段の、自分が好きな遊び何かも話したりした。

その時の、相手の表情を見て、自分は


『相手とこのままじゃ居られない』と気付いた。
















人の邪魔をするなんて酷いよ


動物が死ぬのはカワイソウ。


何でそんな事いうの?


















気付いた時、例の奴が、隣に居た。

久しぶりに顔を見合わせる事になる。と言っても奴の顔は見えないのだが。

しかし、奴は間違いなく、怒っていた。そして、笑っていた。

俺は溜息を吐くと、相手と別れ、自宅へ着く。

自室に籠ると、振り返りもせず、一言奴に言った。

「お前が居ると、俺は人として生きれない」

ただ生きてる“自分”でなく、ちゃんと楽しもうと、自我を持つ“俺”

抑圧されてきた俺が、ハッキリと、自分の意思を言葉にした。

「そうですか」

意外な事に、返事があった。奴はやはり、単なる俺の妄想とは違うように思う。

奴は居るんだ。確かに、そこに。

幻聴、幻覚?

それなら自分の都合のいいよう、自分の考えられる範囲に収まるよう、

自分の知識の限りの中で、喋る筈だ。

だから、予想してなかった一言を返す奴は、単なる幻じゃぁ、ない。

「私が何かお判りで?」

俺は振り返り、頷く。

それを見て奴は仮面をゆっくりと外した。

その顔は、確かに俺だった。

だが、パッと見ただけではすぐに判らなかった。

酷く傷や血、膿ににきび、火傷等…とにかくあらゆるモノで顔が歪んでいたから。

「お前は、俺の負の感情、特に殺意を持って生まれた化け物だ」

仮面を放り投げ、奴は、にこりと笑う。目は笑ってないが。

「まぁ大体そうでしょうね。それで。」

それで?

それでとはどういう事だ?

「私は貴方でもある。邪魔だとして、どう排除するつもりで。」

勝手に消えてくれる、という事にはなりそうもないな。とだけ俺は思った。

「私は、貴方が切り分けたいと思った感情を持って生まれた。それがどういう事か判りますか?」

俺は首を振る。困ったような笑いで、奴は続けた。

「“殺意”を持たない貴方が、持っている私をどう排除すると。どう挑むと?」

要するに、俺は殺せないが、奴は俺を殺してやる、そう宣言してる訳か。

「貴方がこうして話してしまった今。私は単なる幻でもなくなった。貴方と生物同士として関わってしまった。今私はここに居ると、認めてしまった」

「そうなると、これから起こり得る事は、もうお判りでしょう」

随分と回りくどく言われたが、大体は判った。

要するにだ。

「追い出してやる」

俺は言った。

「ぶち殺して差し上げましょう」

奴は言った。


カキィン!!と、部屋に金属音が響いた。




普段は使わない、金属バット。部屋に転がっていたものを拾い上げ、俺は奴に向けて振った。

それは奴の両手の刃物にぶつかり、音を立てて、はじき返した。

だが、それだけで奴の攻撃が止まる筈もなく。

殺意を持って、再び振りかぶられる。

部屋で、俺と奴の武器がぶつかり合う音がしばらく響いた。

不思議な事に、俺にはその動きが良く見えていた。

奴が、俺の攻撃を見切るのは、何となく自然だが…俺は何でこうも運動能力高くなってんだろうな。


のんきに考えながら戦っていて、多少、足を切りつけられる。

痛いな。動きが制限されてしまう。

これ、結構、ヤバ…


ドズッ




鈍い音がした。

が、俺は無事だった。

かくいう、俺がバットを振って、迫ってきてた奴の腰辺りをホームランしてやったせいだからだが。

結構うまく入ったらしく、立ち上がれないようだ。

死にはしないだろ。そういいながら俺は、奴の刃物の根元辺りをバットで殴った。

バキッ。簡単に刃物は根元から折れた。

もう、刃物としては使えないだろう。

それを取り上げると、俺は外に放り出した。

「“殺意”よう。これは俺の勝ちでいいんじゃねーか?」

「私の中で勝敗は生か死かしかない。」

「でも、もう戦えないなら不戦勝でしかねーだろ、俺の勝ちだ。」

奴は、小さく舌打ちした。

「“殺意”のない奴に負けようとは思っても無かった。」

「…殺意はねーけどさ。攻撃性が無くなる訳じゃねーからな。」

納得いかない、といった感じに奴は溜息を吐くと、顔を伏せた。

そして、ドロドロと溶けだしていった。

「こういう妙なのが出てくるよりはよう。世界を救う勇者みてーな設定が出来てた方が嬉しかったがなぁ。」

そう言った後、俺は気を失った。








その後、部屋で倒れていた俺は、親に見つかって、病院やら警察やらともかく騒ぎになった。

最初は、自傷行為の末、貧血で倒れたモノ、とされたんだが

傷がどうあっても、自分で付けられないようなつき方をしていた事から、何者かに襲われたという結論になった。

が、その何者かは俺が生み出したものだった訳で、当然そんな奴が出入りした形跡も何も見つからない。

事情聴取だのなんだのされても、特に何の意味もなさなかった。

この事件は、“犯人は見つからなかった”という迷宮入りで割とさっさと終了した。







それから、俺は前よりは色々落ち着いた。

あと、何かの死を見るのは苦手になった。自分がもし死んだら、とか考えると進んで見る気になれない。

というのも、やっぱやっと大事に出来る人を見つけたからなんだろうか。

奴と対決しようと思ったのもそれだし。

この件については、相手には何も教えてない。

ただ、自分の中で色々変わった、とだけ伝えた。




こんな風に現れるのは、きっと俺だけだと思う。

けども、人は皆、色んな形で色んな感情を抱えて、それで色んな生き方をしていると思う。

奴のようなのに会っても、諦めるような事したら絶対駄目だ。

それは、多分、人間として生きれないという事だろうし

それは、多分、危険だろうから。


どういう形であれ、立ち向かって。

その結果、駄目になる。

挑戦しないよりマシと思うんだがどうだろうな。


そんな事考えながら、俺はもう、ここら編で書くのは終わろう。

ありがとう、お疲れ。“殺意” …まぁ当然、消えた訳じゃねーんだろうけどな






おわり。





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Last updated  2011/07/25 01:02:46 AM
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