『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第73話「エピローグその2 チョウジ・いの」
たくさん食したのは、チョウジだった。
「……あのなぁ。オレまだ二切れしか食ってねーんだけどよぉ」
「シカマルはいいの!」
チョウジはにっこり笑う。
「だって今度はキバじゃなくて、ボクがお腹を刺すんだから」
シカマルは思わずはしを止め、チョウジをまじまじと見つめる。
「おいチョウジ。シカマルのためにっていうお前の気持ちは感心だが、腹を刺して死ぬのは違うと思うぞ」
アスマは汗を流す。
「ちっちっ、分かってないなぁアスマ先生は」
チョウジは、もりもりと肉を食べ続ける。
「お腹刺しても死なないくらいの体になるんだもんね!」
「つまりさらにデ……じゃなくて……、ポッチャリ系になるってことー!?」
いのはあきれ顔でため息をつく。
「違うもん! 脂肪を全部筋肉に変えるんだもんね!」
にこっとチョウジは笑い、肉をほおばる。
「そのためには修業して……もぐもぐ……強くなるよボクは……もぐもぐ……」
「しゃべるか食うかどっちかにしろって……」
「ん……!」
チョウジは肉をごくんと飲み込むと、真剣な顔になる。
「キバに腹を刺させた……。もう二度とあんなことさせるもんか! シカマルといののために体張るのは、このボクだ! それも、二人を泣かせないくらいの強さで!」
そしてチョウジは最後の肉を食し……青ざめてトイレに駆け込んだ。また食べ過ぎで入院するかもしれない。
シカマルといのは、仕方ないなという顔で笑い合う。
「あ……あー……」
「なんだよ、いの」
「アンタ今、こう思ったでしょー! チョウジ、お前はホントにいいヤツだぜ…って」
シカマルは、はしをポロリと落とす。
「ふっふーん! 図星のようね!」
いのは得意気に笑う。とても、うれしそうに。
「アンタがこないだ言ったことも分からなくはないけどねー、でもやっぱり、チームメートは心が通い合ってなくっちゃ。でしょー?」
いのはウインクする。
「女だから男の子の気持ちは分からなくてもねー、私が同じ班のアンタの気持ちを分かることは出来るのよー! スリーマンセルをなめんじゃないわよー!!」
いのはご機嫌で、肉を食べ始めた。
「はいはい……」
シカマルは笑う。いつものように、眉間に少ししわを寄せて。いのを見て、アスマを見て、チョウジがあわてて転がしていったはしを見て。
十班で良かったと、心から思った。
ナルト『次回は……あいつら、あの時の約束叶いそうだってばよ!』
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