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離れの離れ

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2007.04.13
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カテゴリ:SS
銀魂EDで暴走した。
世にも不思議な似また。なんで似また。
それは一緒に萌えたからー!!!
はっちゃんに捧ぐ。
ノーマルカプの似またなのでご注意ください。

「タイトル決まらなかったから無題」

 だからと、彼が口にした。
 拗ねて背中を向けた私の素肌に、彼の荒れた指先が滑り落ちる。
 腰の辺りまで降りた指は、そのままそこへ留まりそれ以上は動かない。
 私の予想に反して優しく撫でる仕種が、余計に自分の惨めさを募らせる。
 溢れる涙が枕を濡らす。
 すん、と啜った鼻の音は、異様に発達した聴覚の持ち主には聞き取られてしまっただろう。
 彼は淡々と言葉を続けた。
「やめておけと言ったんだ」
 呆れているのではなく、咎めているのでもない。
 あるがままに事実を述べただけのその言葉には、感慨などこもっていない。
 なのに指先は背中を撫で上げて、剥き出しの肩から首筋をたどり目元に触れる。
 泣き濡れる顔を知られたくなくてうつ伏せになっても、男の指は頬を撫でる。
 それから私の頭へ伸ばして、くしゃくしゃと髪を掻き混ぜた。
「少し寝ろ」
「指図するな」
 威嚇したつもりの声は掠れていた。
 どれだけ声を上げたのだろう。いや、上げさせられていたのだろう。
 途中までしか覚えていないのは、気を失ってしまったからだ。
 痛いのは覚悟していた。
 でも、優しくされるとは思っていなかった。
 不意打ちだ、卑怯だ、と自棄になって喚けば彼は当たり前のように返事をした。
「どうでもいい女じゃないからな」
 どうでもいい女なら、かなり手酷く扱うらしい。
 そもそも彼は穏やかな気性の男ではない。
 人斬りなどと呼ばれ厭われて、太平の世では生きる場所すら見つけられない男だ。
 情動に流される行為では、女を抱くのも人を斬るのも同じと嘯いて酷いことをすると、後始末に駆り出された武市がそうぼやいていた。
 だから、身を任せた。
 そういう気分だったのだ。
「こういうことは、これっきりにしときなせぇよ」
「黙れ」
「俺一人でやめときなよ」
「黙れ」
「いい女ってのは」
 背中に重みがかかる。
 身を硬くして二度目の情事に覚悟を決めた。
 けれど彼はただただ優しく、最初のときと同じように、宥める仕種で素肌を撫でる。
 抱き寄せる腕はとうに冷えて凍えている。
 自分だけがまだ熱を帯びたままで、こんなことに勝ち負けなどないのになぜか負けた気持ちになる。
 頑なに伏せて優しい愛撫がやむのを待った。
 抱きしめられる心地よさになど、溺れたくなかった。
 なのに離せと突っぱねられないのは、私の心が折れかかっていたからだ。
 手を伸ばしても叫んでも、決して届くことも振り返ってももらえないことに、どうしてか耐え切れなくなった。
 それでよかったはずだった。
 承知だったはずだった。
 でも、届く奴らがいることを、知ってしまった。
 銀色の鋭い光で心が折れた。
 身体も壊れてしまいたかった。
「泣いてなるんじゃねぇよ、男泣かしてなるもんだ」
 だからと、彼は口にする。
 泣いて背中を丸める私の身体に、彼の優しい腕が搦みつく。
「もう泣くんじゃねぇよ」
 ああ、やっぱりコイツは卑怯者だ。
 そう言われたら、もっと泣けてくるだろう。
 いいようにあやされながら、私は彼と同じ世界へ沈み込んだ。
 目を閉じて、何も見えない静かな世界。
 投げ出した手のひらに、そっと彼の手のひらが重なる。
 振り返れないまま、背中越しの体温に慰められて眠りについた。
 世界は真っ暗だった。

※※※※※

似蔵はカッコイイと思う。
あれで女には紳士的だったら萌える。
そんな妄想してみた。寝ろ、自分。





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Last updated  2007.04.14 03:32:14
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マンジュ@ Re:死がふた12巻。(06/26) うぬぬ・・・雨でコミックすら買いに行けない…
wata-わた@ バトンありがとうございました! 涼市さん、こんばんは! ご無沙汰さまで…
涼市@ 超いまさらなんですが・・・ 回しっぱなしになってましたことに、たっ…
wata-わた@ バトンお疲れ様でした! みさきょん、こんばんは! バトンのご回…
wata-わた@ ナマモノというとあっちを思いだしました(笑) みさきょん、こんばんは! レス遅くなっ…

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