ノマ・似また
銀魂EDで暴走した。世にも不思議な似また。なんで似また。それは一緒に萌えたからー!!!はっちゃんに捧ぐ。ノーマルカプの似またなのでご注意ください。「タイトル決まらなかったから無題」 だからと、彼が口にした。 拗ねて背中を向けた私の素肌に、彼の荒れた指先が滑り落ちる。 腰の辺りまで降りた指は、そのままそこへ留まりそれ以上は動かない。 私の予想に反して優しく撫でる仕種が、余計に自分の惨めさを募らせる。 溢れる涙が枕を濡らす。 すん、と啜った鼻の音は、異様に発達した聴覚の持ち主には聞き取られてしまっただろう。 彼は淡々と言葉を続けた。「やめておけと言ったんだ」 呆れているのではなく、咎めているのでもない。 あるがままに事実を述べただけのその言葉には、感慨などこもっていない。 なのに指先は背中を撫で上げて、剥き出しの肩から首筋をたどり目元に触れる。 泣き濡れる顔を知られたくなくてうつ伏せになっても、男の指は頬を撫でる。 それから私の頭へ伸ばして、くしゃくしゃと髪を掻き混ぜた。「少し寝ろ」「指図するな」 威嚇したつもりの声は掠れていた。 どれだけ声を上げたのだろう。いや、上げさせられていたのだろう。 途中までしか覚えていないのは、気を失ってしまったからだ。 痛いのは覚悟していた。 でも、優しくされるとは思っていなかった。 不意打ちだ、卑怯だ、と自棄になって喚けば彼は当たり前のように返事をした。「どうでもいい女じゃないからな」 どうでもいい女なら、かなり手酷く扱うらしい。 そもそも彼は穏やかな気性の男ではない。 人斬りなどと呼ばれ厭われて、太平の世では生きる場所すら見つけられない男だ。 情動に流される行為では、女を抱くのも人を斬るのも同じと嘯いて酷いことをすると、後始末に駆り出された武市がそうぼやいていた。 だから、身を任せた。 そういう気分だったのだ。「こういうことは、これっきりにしときなせぇよ」「黙れ」「俺一人でやめときなよ」「黙れ」「いい女ってのは」 背中に重みがかかる。 身を硬くして二度目の情事に覚悟を決めた。 けれど彼はただただ優しく、最初のときと同じように、宥める仕種で素肌を撫でる。 抱き寄せる腕はとうに冷えて凍えている。 自分だけがまだ熱を帯びたままで、こんなことに勝ち負けなどないのになぜか負けた気持ちになる。 頑なに伏せて優しい愛撫がやむのを待った。 抱きしめられる心地よさになど、溺れたくなかった。 なのに離せと突っぱねられないのは、私の心が折れかかっていたからだ。 手を伸ばしても叫んでも、決して届くことも振り返ってももらえないことに、どうしてか耐え切れなくなった。 それでよかったはずだった。 承知だったはずだった。 でも、届く奴らがいることを、知ってしまった。 銀色の鋭い光で心が折れた。 身体も壊れてしまいたかった。「泣いてなるんじゃねぇよ、男泣かしてなるもんだ」 だからと、彼は口にする。 泣いて背中を丸める私の身体に、彼の優しい腕が搦みつく。「もう泣くんじゃねぇよ」 ああ、やっぱりコイツは卑怯者だ。 そう言われたら、もっと泣けてくるだろう。 いいようにあやされながら、私は彼と同じ世界へ沈み込んだ。 目を閉じて、何も見えない静かな世界。 投げ出した手のひらに、そっと彼の手のひらが重なる。 振り返れないまま、背中越しの体温に慰められて眠りについた。 世界は真っ暗だった。※※※※※似蔵はカッコイイと思う。あれで女には紳士的だったら萌える。そんな妄想してみた。寝ろ、自分。