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2019.06.30
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如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace
第11話「皇子の選択」

追贈の件が解決しても延禧(エンキ)宮の冷遇は続いた。
そんな中、まだ子供がいない慧貴妃(ケイキヒ)・高晞月(コウキゲツ)は保身を図るため、生母のいない長子・永璜(エイコウ)を養育しようと思いつく。
そこで皇帝のお供で尚書房の見学に向かい、勉強中の永璜を手なずけようとした。
しかし思いがけず永璜がろくに世話をされていないことが露呈する。
永璜は慧貴妃からもらった菓子に気を取られて勉強がおろそかになり、また腕に傷があっても手当がされていなかった。
また乳母は直前に旗袍だけ着替えさせてごまかしたが、よく見ると永璜の肌着はひどく汚れている。
乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は乳母たちの怠慢を問題視、このように蔑まれるのは母親がいないせいだと考えて養母を探すことにした。

養母になれるのは高位の后妃のみ、そこで皇后・富察(フチャ)琅嬅(ロウカ)の長春(チョウシュン)宮に慧貴妃、嫻妃(カンヒ)・烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)が集まった。
弘暦は母子の相性が一番大事だと考え、永璜本人に養母を選ばせることにする。
慧貴妃は自分を選んでくれると期待したが、永璜はあっさり嫻妃を選んだ。


如懿は永璜を連れて延禧宮へ帰った。
長春宮を出た高晞月は納得できず、必ず永璜を取り戻してみせると誓う。
一方、嫡母としての面目をつぶされた琅嬅は怒りが収まらなかった。
侍女・素練(ソレン)は乳母を使って長子である永璜をけん制していたつもりが、かえって裏目に出てしまう。
冷遇されていた嫻妃が長子を得た以上、皇帝の寵愛を取り戻すことは必至だ。
すると素練は嫻妃が皇帝を養子にした皇太后に倣い、大皇子と事前に示し合わせていたのではないかと疑った。
琅嬅は動揺を隠せず、やはり嫻妃が皇后の座を狙っていると不安に駆られる。
そこで素練は擷芳殿(ケツホウデン)の乳母だった李(リ)女官を延禧宮に送り込もうと提案、情報を流させることにした。

永璜の腕の傷は自分でつけたものだった。
女官たちは自分に無関心のため、傷のことなど気づかなかったのだろう。
如懿は永璜を救うため止むを得ず一計を案じたが、これが功を奏した。
延禧宮でようやく皇子らしい生活に戻った永璜、実は初めから慧貴妃を信用していなかったという。
母の生前に自分を無視していた慧貴妃が急に優しくなったのは長子という身分を狙ってのこと、また女官たちが自分を邪険にしたのも長子という身分を笠に着ていると思われていたせいだと分かっていた。
そこに珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が織物を持ってやって来る。
海蘭は如懿が皇帝の長子の母となったことを喜び、お祝いに永璜に新しい着物を作ると約束した。

内務府総管太監・秦立(シンリツ)が延禧宮にやって来た。
延禧宮が長子を引き取ったことで内務府は態度が一変、嫻妃と大皇子に挨拶したいと頼むが、侍女・阿箬(アジャク)が止める。
「恐れ多いわ~だってうちは秦太監に銀1800両を借りたまま、返済が先でしょう?」
「あの日は私が言いすぎた、忘れてくれ」
秦立は埋め合わせを持って来たと機嫌を取り、ようやく中庭に入れてもらえた。
すると大皇子の荷物や下賜された調度品と一緒に乳母の李女官がやって来る。
永璜はよりによって一番、冷淡な乳母が来たことに落胆したが、如懿は安心させて外へ出た。

如懿が永璜を連れて出て来ると、乳母の李女官が馴れ馴れしく大皇子に駆け寄った。
侍女・惢心(ズイシン)は無礼だと制止、そこで如懿はなぜ永璜の衣食が不十分で風邪を引いても放置していたのか追及する。
李女官は大皇子が薬の服用や厚着を嫌がったとごまかしたが、如懿は即刻、杖刑(ジョウケイ)30回を命じて宮中から追放した。
「よく見ておきなさい、主を虐げた者の末路よ」
如懿は自分の養子となった永璜の世話を怠れば李女官と同じ運命だと釘を刺しておく。
これまで散々、延禧宮を蔑ろにして来た秦立は動揺を隠せず、その場にひざまついて許しを請うた。
そこで如懿は阿箬にカビだらけの織物を渡し、後のことを任せて殿内に戻る。
すると阿箬は織物を秦立の前に投げ捨て、これで首でも吊れば許してやると脅した。
もちろんそれは冗談で、代わりに残飯を食べるよう強要して鬱憤を晴らす。
秦立は鼻をつまんで何とか口に放り込み、食べ終わるまで解放してもらえなかった。

嘉貴人(カキジン)・金玉妍(キンギョクケン)は長春宮を訪ねた。
琅嬅は嫻妃が李女官と秦太監を罰したと知り、ついに尻尾を出したとこぼす。
嘉貴人は永璜を延禧宮から離すべきだと進言したが、琅嬅は嫻妃に永璜を託した皇帝の心が読めないと嘆いた。
そこで嘉貴人は皇帝の側で仕える王欽(オウキン)を取り込んではどうかと提案する。
どうやら王欽は皇后の侍女が気に入っているとか、女官を娶らせて王欽に恩を売ればいい。
すると琅嬅は素練なら有能で年齢的にも30を過ぎているので釣り合うと考えた。
しかし嘉貴人は若さと美貌を誇る女官は第二の玫常在(マイジョウザイ)になるかもしれないと匂わせる。
「儀貴人(ギキジン)とて皇后の侍女で、哲妃(テツヒ)は友人でした
 誰だって玉の輿に乗りたいのです」

嘉貴人が長春宮を出ると、素練が慌てて引き止めた。
皇后と嘉貴人の話を聞いていた素練は嘉貴人の進言のおかげで助かったと感謝する。
嘉貴人は素練が主人のため、何かと暗躍していることを知っていた。
「あなたがいて皇后は幸せね、今のうちに李女官を口封じした方がいいわよ」
↓素練の横顔見るとどうしてもここに指を引っかけたくなる


その夜、永璜は寝支度をしてくれた如懿のことを″母上″と呼んだ。
如懿は何とも言えない幸せを感じ、自分の本当の子供のようだと漏らす。
すると久しぶりに延禧宮に足を運んだ弘暦が現れた。
「その言葉を聞いて安心した」

弘暦は如懿に永璜を預けたことをきっかけにわだかまりを解きに来た。
実は当初、如懿に傷つけられたと感じて取り合わなかったが、無意識に追贈を決めていたという。
今まで生母を思うたび心が痛み、敬愛していたが恨んだこともあった。
父に疎まれたのは生母が原因であり、確かに母に罪はないが一度も会ったことがなく顔すら知らない。
それでも追贈という形で生母に孝を尽くしたことで、弘暦の心の棘がようやく抜けたようだった。
弘暦は如懿が自分の心の溝を埋めようとしてくれたことに感謝し、如懿は困らせるような話をした自分が悪かったと謝る。
すると弘暦は皇帝となった今、もはや自分を困らせてくれるのは如懿だけになったと言った。

永璜が新しい生活にすっかり馴染んだ頃、王欽は皇后が長子を得た嫻妃に脅威を感じていると踏み、この機に蓮心(レンシン)との縁談を持ち込んだ。
琅嬅は自分に尽くして来た蓮心を差し出すのは忍びなく、他の女官では駄目かと難色を示す。
しかし王欽はひざまずき、この恩を一生、忘れないと言った。

皇后から王欽と蓮心の縁談話を聞いた弘暦は本気かと耳を疑った。
琅嬅は王欽が長らく蓮心を慕っており、蓮心も早くに両親を亡くして弟と妹を養っていることから、王欽に嫁がせれば長春宮で働き続けることができるという。
弘暦はともかく蓮心の意向を聞いて決めるよう指示したが…。

そんなある日、如懿は移動中、偶然、王欽と蓮心の縁談の噂を耳にした。
惢心は確かに王欽が以前から蓮心に好意を持っていたと教えたが、これまで無干渉だった皇后がなぜ今になって認めたのか腑に落ちない。
如懿は皇后が王欽を抱き込んで皇帝に探りを入れたいのだと分かったが、惢心は皇后ともあろう方がそこまでするのかと驚いた。
「上に立つ者でも苦労や恐れはあるわ、塔の頂ではそよ風も強風に感じるものよ
 蓮心は気の毒ね…」

如懿と海蘭は暑がりの永璜のため、沐浴の湯に入れる薄荷を千切っていた。
永璜が来てから延禧宮が賑やかになったと笑う海蘭、すると如懿は皇帝が永璜に尽くしてくれる海蘭を貴人に昇格させるつもりだと教える。
海蘭は永璜が本当に可愛いからだと話し、何とか如懿に即位後初の子供をと期待した。
そこへ尚書房から永璜が帰って来る。
どうやら機嫌が悪いと気づいた如懿は、夕餉のあとに散歩へ行こうと誘った。

実は今日から第2皇子・永璉(エイレン)も尚書房に通い始めた。
陳(チン)太傅は永璉が心が広く皇太子の器だと褒めそやしていたという。
永璜はならば自分も皇太子になれるかと聞いた。
どうやら生前、哲妃から長子が皇太子になった例が多いと吹き込まれたらしい。
しかし如懿は後宮の子供の身分は母親に左右されると教え、哲妃も自分も妃嬪で皇后には及ばないと言った。
「災いを招くからこんな話は2度としないで」
「分かりました」
するとその時、どこからともなく誰かの泣き声が聞こえて来る…。

つづく


(; ̄ェ ̄)…王欽ないわ___





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最終更新日  2019.07.01 23:45:25
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