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ど田舎に棲む

ど田舎に棲む

小ボケ弟その4

膀胱炎によるニセ陣痛で、さんざん恥をかいたワタシであったが。

予定日の4週間前にはアンカレッジへ、と言う医者の言葉をずっともてあましていたワタシら夫婦。
ダンナは有給を2週間取ってくれることになっていたが、どうせなら出産してから取りたい。
大ボケ兄の世話もあるし、ワタシの仕事もあるし・・・

うだうだしている間に2週間前になってしまった。
その週もいつもの通り仕事に行って、日曜はスーパーボールだったので、ダンナの同僚の家で行われたパーチーに行って。
その夜一応病院へ持っていく荷物をまとめ、1週間前になったら行くことに決めた。

『後はその時に天気がいい事を祈るだけだね。』

そして翌日の6時、ダンナの目覚ましと共に起きたワタシは尿意を感じてトイレに駆け込んだ。
しかしパンツを下ろしている暇はなかった。
そのままトイレに座ると同時に大量の液体がドシャ~~~。

オシッコをもらしてしまった!と思ったが、そういう臭いではなかった。
破水したんだ~!

あわててナプキンを探したが、なんと一個しかなかった。
ここ9ヶ月ほど生理はなかったし(当たり前か)、普段はタンポンユーザーなのでナプキンを言うものを使わない。

それに大ボケ兄のときは最後の最後まで破水しなかったので、何の前触れもなく破水するシナリオなど考えていなかったのだった。

仕方なくそのナプキンを当てて、ダンナは自分の仕事場にこれから2週間休むからと連絡を入れた。
ワタシもボスに電話して、これから病院に向かうことを伝えた。

荷物をまとめたはずなのに、それ以外にもなんだかんだと持って行きたいものが増える。
朝ゴハンを食べたり大ボケ兄の仕度をして隣に預けに行ったりしているうちに、ようやく出発できたのはもう9時に近かった。

幸いにも天気はよかった。
ナプキン一枚ではちょっと頼りないのでバスタオルを重ねて車のシートに敷く。

破水はしたけれど陣痛は全くなく、3時間の道のりはいつも買い物に行く時とほとんど変わりがなかった。
ダンナといろんな話をしたり、CDを聞いたり。
コメディアンのライブのCDを持っていったのはちょっと失敗だったかも。
パンチラインで笑うたびに、羊水が漏れてしまうのだ・・・

アンカレッジに着いたが病院に行く前に買い物をした。
赤ちゃんを乗せるカーシートがないと退院させてくれないアメリカの病院。
後でダンナに・・・とも考えたが、ダンナにワタシが欲しいものを間違えずに買ってこれるか?と言うのはちょっと疑わしい。

大ボケブラザーズはダンナのコドモである・・・

なので道沿いの店に寄った。

氷点下をはるかに下回るアンカレッジの冬。
駐車場に降り立つと、濡れたワタシのおシリから湯気が立っていた。
やっぱりナプキン一枚では無理だった様だ。

濡れたおシリ隠しに店の車椅子に座り、ダンナに押させてナプキンの袋を掴みトイレに走る。

袋の開いたナプキンを買う車椅子の妊婦。
きっと怪しく見えたことだろう。

欲しかったストローラー付きのカーシートは2軒目の店で見つけ、やっと病院にたどり着いたときにはそろそろ午後2時になろうとしていた。



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