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フライブルク日記

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2008/10/17
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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:エコライフ
フランスのアルザス地方に、コルマール(Colmar、ふだんはコルマーと呼んでます)という町があります。
コルマールは、古いハーフティンバーの家々がなす、町並みの美しい町。
町の中心にある、ウンターリンデン美術館に展示されている、グリュネヴァルトの「イーゼンハイムの祭壇画」が有名です。
この絵を東京上野の西洋美術館でも見たことがあるのですが、光の関係なのか、建物の雰囲気がちがうからなのか、古い修道院の建物であるウンターリンデン美術館で観賞する方が、はるかに感動的でした。

かつては、フライブルクからコルマールに路線バス一本で直行できたので、たまにはフランスの雰囲気を味わおうと、ときどき出かけていました。
あるとき、小さな娘連れで入ったレストランで、キール・ロワイヤル(クロスグリのリキュールとスパークリングワインのカクテル)を食前酒に、前菜にフォアグラを注文しました。
両方とも口当たりがなめらかで、とろけるようなお味。美味い、ウマイとたいらげ、さらにメインの何かもムシャムシャ。

ところが、とつぜん目の前が真っ暗になりました。
なにがなんだかわからないまま、娘をテーブルに残して、よろよろと店の奥へと進み、トイレにたどりつき、先ほど胃袋に送りこんだものを、すべて逆流させました。
この間、十分以上。やっと目の前の闇も消えてくれたとき、
「あ、私には小さな娘がいたんだ」と我に帰り、ふたたびよろよろとテーブルめめざしました。
当時、6歳だった娘はかなりの間、ひとりぼっちで残されたことに耐えていたようですが、さすがに不安になったらしく、ちょうど店の奥に向かって「オカアチャーン」と叫びながら(この娘、おとなになったいまでも私のことをオカアチャンと呼びます。彼女にはママンとかマミーとかよりも、オカアチャンという言葉の方がかっこよく聞こえるらしいのです)駆け寄ってきたところをなんとかキャッチ。
勘定をなんとか終えて、空気の新鮮な外に出ました。
あの時の安堵感といったら!
今でも娘を失う悪夢にうなされるのは、このときのトラウマかも。

この出来事のために、コルマールというとフォアグラがまず頭に浮かんでしまうのですが、コルマールは環境にやさしい交通対策でも有名になりました。
市長は選挙戦での公約どおり、70歳以上の市民は市内の公共交通機関を無料で利用できるようにしました。
また、市民が新しい自転車を購入すると、100ユーロ(約14000円)の補助金をもらえる制度もスタートしました。
この制度が始まった4月から今までに、5000人の市民がこの補助金を利用したそうです。
この制度は今後6年の間つづくので、合計2万人の市民がこれを利用することが見込まれています。
コルマールでは自転車専用レーンがかなり整備されています(延べ65km分)。レーンは今後さらに100kmまで拡張され、劇場、映画館など主要な地点に市民が自転車で快適に行けるようにするのが目標。
自転車への補助金で、自転車の売れ行きは15%成長したそうです。

これはそうとう、気前がいいですね。
「自転車にやさしい町」を自画自賛するフライブルクにも見習ってもらいたい。
実は運動音痴のわたし、自転車には乗れないんです(車もですが)が、先日、何を血迷ったか、ディスカウントショップの特別セールで出ていたおりたたみ式自転車を買ってしまったんです。
値段は179ユーロ。通常の折りたたみ式自転車よりは格安のはず。
これに補助金が出ていたら・・・というないものねだりはしないで、まずは自転車の練習をしなければいけないのですが、一度してみて、すぐにギブアップ。
足を地面から離すことができないのです。
前に補助つきの子ども用自転車でも試したのですが、やっぱり離せなかった。
実はわたし、泳ぐこともできないのですが、水泳へのトライ(泳ぎたいという意志を表現する水中での行為)でも同じ。腰までの深さしかない海でも、両足を海底から離せない。水に自分をゆだねることができないんです。
これって、「何もかも自分の手で把握していたい、周りの力に自分をゆだねたくない」という無意識の表れなんでしょうかね。

自転車がだめなら、二輪のローラーならできるかも。今度はこれを買ってみようかと思案中です。

というわけで、コールマールはフォアグラだけでなく、自転車でも心に残る町となりました。
ところで、「喉元すぎれば熱さを忘れる」。
コルマールでの悲劇の数年後、やはりアルザス地方の美しい町、ストラスブールのレストランで、亡き母と食事をしたときのこと。またしてもキール・ロワイヤルとフォアグラを注文してしまいました。
このときも、目の前が暗くなり、悪寒がこみあげ・・・。
「どうかしたの?おかしいわねえ」とのんきに構える母。
母はアルコールに強かったのですが、わたしはアルコールに弱かった父に似てしまったのです。

でも、キール・ロワイヤルだけとかフォアグラだけなら、何事も起こらないのですから、どうやらこの食い合わせが危険のようです。
金輪際、キール・ロワイヤルとフォアグラは同時に摂取しないことを心に誓い、これまでのところ守っています。



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Last updated  2008/10/17 09:31:09 PM
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