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2018年05月04日
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抗うつ剤や眠剤の服用を中止してそろそろ十か月。
仕事だけは何とかできるのだけれど、家事もお出かけもおっくうで、ベランダの鉢の手入れも全くしていない。読書もしていないし。

三年寝太郎ならぬ、三年寝たきりおばさんのような毎日。鬱がひどかった時と違うことはドラマも映画も見れるし、ちょっと合間の時間なら雑誌を読んだりもできる。頭痛や肩こりはたまにしかやってこないし、睡眠も何とかとれるし。何とかゴミ出しと洗濯は最低限はできているので、セルフネグレクトは完ぺきではなさそう。

活気が出てこないのは年齢のせいか、向精神薬を断薬したことによる副作用か。時々、メンタルクリニックを受診してお薬の処方をお願いしたくなる衝動に駆られる。多分、お薬を再開すればすぐさま活動的になれそうな気がするのだけれど、薬の力で脳細胞が活気を取り戻したとしても自分の力ではない気がして、それが自分なんだろうかと思うと、もう少しお薬を飲まずに様子を見たくなる。

五木寛之とか、中年から高年に移行する時代に一種の鬱のようなものに遭遇するということもあるらしいので、今の私の停滞もこういった時期に良く起こることなのだろうか。思春期から青年期に親から自立して自分の考えと力で人生を歩みだして、何とか職業生活を送ってリタイアという新しい人生のステージを迎える時期に、自分を振り返り何が自分を突き動かしてここまで歩んできたのか、ということに多少でも気が付く。

私の場合は、幼少時より家出願望があったが、幼子の身分でこの世を生きていくことは無理なので、何とか自活するまで家出はできないと覚悟していた。看護師になったのも、東京に出てきたのも、恩師に勧めを断って就職先を決めたのも、みんな自分の考えだけ。私の60年は、ただただ家出をしたかっただけだと気が付いたのはつい数年前。高い理想とか夢の実現とか、そういうことではなく自分を呪縛していた家を出ることだけだった。この家出をするために、突き進んできたと知った時、あまりにもその単純な理由に気が抜けた。私はそんなことで、今まで生きてきて、生きてこられたのかって。

このことに気が付いて、なんだか肩の荷が下りた。ずっとずっと、なんだかわからない「ねばならない」衝動に突き動かされて生きてきたのに、こんな大したこともないことで生きようとしていたんだって。

そして、最近はこれからどのように生きていこうかって、よく考える。これから英語やイタリア語などを身に着けて外国旅行をするのもよいし、体力をつけて歩く旅をするのも。田舎に住んで畑づくりをするのも。元気に生きられるという75歳までの人生を再構築する時間もあるしね。これからは本当に自由に生きられそうだって思うだけで、自分をギシギシに縛っていた思いから自由になれる。

自由になれそうだと思うと、早々急いで何かを決めなくてもよさそうだし、のんびりと焦らずにゆらゆらしたくなる。休みの日に、無理に出かけて疲れなくてもとか、情報を詰め込もうという気持ちもなくなって。何もせずにぼんやりと過ごしている。自分の中に芽生えている何かに気が付くまで、じっとしてもいいかなって。





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最終更新日  2018年05月04日 10時20分26秒
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