<三遊亭円楽さん>引退を表明 ろれつ回らず決意
<三遊亭円楽さん>引退を表明 ろれつ回らず決意2月25日20時6分配信 毎日新聞 人気落語家の三遊亭円楽さん(74)が25日、東京・国立演芸場で開かれた落語会「国立名人会」の終了後、 「きょうで噺家(はなしか)として引退したい」と、落語界の第一線から退くことを明らかにした。 円楽さんは05年10月に脳梗塞(こうそく)で入院。その後、復帰したが、06年5月には83年から務めてきた人気テレビ番組「笑点」の司会を勇退した。1日おきに人工透析を続け、歯の具合もよくないという。 この日はトリで得意ネタの「芝浜」を約45分間演じ、満員の観客から大きな拍手を受けた。しかし直後の記者会見では硬い表情で、 「もうちょっとはっきりしゃべれると思ったら、だめですねえ。こんな噺をお客様の前でやるのは情けない」と発言。 「今後よくなるということはないですから」と引退を表明した。 円楽さんはこの日の出来次第では引退すると明言。半年以上前から1日3回のけいこを重ね臨んだが、「ろれつが回っていない。これ以上、恥をかきたくない」と語った。今後、弟子の落語会などにゲスト出演することはあるという。 円楽さんは55年、六代目三遊亭円生に入門。78年、師匠・円生と共に落語協会を脱会し、翌79年の円生没後も一門を率いてきた。過去には、昭和の名人といわれた八代目桂文楽が高座で言葉に詰まり、「勉強し直してまいります」と言い残し、引退した例などがある。円楽さんも先輩たちの引き際の潔さに触れ、「長い間お世話になりました」と頭を下げ高座を後にした。【油井雅和】 ◇引退撤回頼みたい 円楽さんから「笑点」の司会を引き継いだ落語芸術協会会長、桂歌丸さんの話 引退すると言っちゃったことは大変に残念。まだまだ後輩たちのお手本として高座に上がってほしいのだが。私たち噺家はしゃべらなくなったらただの人。多少体調が悪くて失敗することは誰だってある。自分で決めたことを曲げる人ではないが、しばらくしたら引退を撤回するように頼んでみたい。 本当に残念です。ぼくは高校に入ってから落語にはまりました。 けれども地元の図書館に円楽師匠のテープがあったので中学生の時に聞きました。 「笑点」と違った顔を持つ円楽師匠の「たがや」の一席にとても感動しました。 また、寄席(落語の世界)から名人が一人消えていくんですね。 残念です。