よい動物病院の探しかた・見分けかた--その(3) 動物病院でカルテを作る
※はじめてこの連載をご覧になる方はその(1)「動物病院の所在を確認する」からどうぞお読みくださいませ。1. 下見に行ったなかから×をつける動物病院を選びます。その(2)「動物病院を下見する」では、所在を確認して下見をした動物病院のうち1. 何度見ても、いつ行っても誰も患者さんがいない2. 待合室の様子を見ると猫にも自分にもストレスになりそう3. 不潔すぎて耐えられない状態・病気になってしまいそう4. 車を交通手段とする場合には路上駐車をせざるを得ないこれらの動物病院には×をつけます。このうち1つでも×があれば下見には行きません(4については病院の立地が都心の場合は付近の駐車場の有無も考慮してください。このような場合は×を△にせざるを得ないこともあります)。後日、時間と余裕があるときにさりげなくチェックすることはお忘れなく‥・。2 ×のついていない動物病院に実際に足を運びます。猫を連れて行く必要はありません。外からみていた様子と中の実際の状態との相違をチェックします。待合室の様子や清潔さ、処置料金の掲示などはしっかり見ておきましょう。あまりにも汚い、(滅多にないことだと思いますけれども)料金が異様に高すぎるという場合には、心のなかで×をつけて帰宅しても構わないと思います。3. 動物病院でカルテの作成をお願いします。動物病院の経営状態や患者さんへの配慮の有無、働く人々の動作の機敏さ、確実さをご自身の眼で確かめます。動物病院の窓口でカルテの作成をお願いしてみましょう。「引っ越してきたばかりなので猫を連れてきていないけれども、今度連れてきますのでカルテだけ作っていただけますか?」と受付の方にお伺いしてみてください。たいていの病院ではカルテを作ってくれます。同時に診察券も作ってくださるでしょう。ここであなたの「カルテ番号」ができました。これは後々威力を発揮します。後日必要があって電話での問い合わせする時にもカルテ番号を先に述べて用件を伝えると話はスムーズに進むものです。他方、カルテを作ってくれない病院もあります。なぜか。これはいつ来るとも分からない患者のためにカルテの紙を消費するのがもったいないから‥という理由が多いように思われます(^^;あまりにも利益が少ないのかもしれませんし、コスト意識が激しいのかもしれません。しかし、こういう病院だと手術道具や検査道具など安全を確保するための経費はしっかり出してくれているのか‥少し疑問に感じてもおかしくないように思います。さらにこのような病院は後日カルテを作っても診察カードを用意していないこともあります。緊急時にはあわてがちな患者さんがすぐに連絡を取るときには診察券を頼りにするものです。患者さんの便宜に少し鈍感なのかもしれないな‥と推測できてしまいます。4, 病院取り扱いの処方食(療法食)などを確認しましょう。獣医師を含め、スタッフの方々が迅速かつ的確に働く環境にあるかどうかを見ると同時に、親切さの度合いもチェックします。カルテの作成の有無にかかわらず、どちらの病院でも、処方食やサプリメントについてお聞きします。(1) まず、腎不全の猫さん用の処方食(療法食)の取り扱いをお聞きします。猫さんは腎不全になりやすい傾向があります。「引っ越し前の動物病院では処方食やサプリメントなどを購入していた」などとお話しても不自然ではありません。そこで、その動物病院で取り扱いのある処方食(療法食)の銘柄、種類、すぐに買えるのか、取り寄せにかかる日数はどのくらいか、値段をしっかりメモします。価格については帰宅後に相場と比較してみましょう。あまりにも高額な場合は稀ですので、そのような病院には×をつけてもいいかもしれません。(2) 次に、それらのうち気になったものの在庫の有無を聞いてみます。在庫の把握は面倒なものです。質問にすばやく丁寧に回答されるスタッフはきちんと訓練されているものと考えられます。動物病院内の薬剤などの管理も比較的整然としているものと考えられます。簡単な作業を正確に行うことができる動物病院は手術のときにも不安感が少し減ります。逆にあまりにも時間がかかったりするような動物病院には不安が募ります。処方食だけ管理がいいかげんで、薬剤はきっちり管理している、手術のときだけはてきぱき動く‥ということは考えにくいからです。なおサプリメントなど高額な商品を積極的にすすめてくる動物病院もありますので気をつけてください。断るのが苦手な人はお財布を持たずに行く、必要最低限の金額だけにする、などの準備(^^;をしておくと、「お金がない」と断る口実になります。5. 家に帰って動物病院に×△○をつけます。どの動物病院も完璧ではありません。それぞれの病院の特徴、利点、欠点などをちょっとしたメモ程度でよいので書いて並べてみます。カルテを作成したり、在庫の有無を確認して戴いているときには待合室の様子や診察室の様子もさりげなくチェックしていらっしゃるはずです。ご自身の生活環境、猫さんの状態などに応じて、すべてを委ねることはできないもののここまでなら許せる、ここの部分だけは利用したい‥という箇所を確認してみてください。この作業を通じて、動物病院の順番が自ずとつけられてきます。この優先順位にしたがって○の度合いが強い動物病院から「診察の下見をする」ことになります。いよいよ猫を実際に連れて行って、先生の診察状態を確認をします。~次回は 「その4:動物病院に猫を連れて行く」 です。●バックナンバー・その(1) 「動物病院の所在を確認する」・その(2)「動物病院を下見する」・その(3)「動物病院でカルテを作る」・その(4)「動物病院に猫を連れて行く」・その(5)「動物病院で相談してみる」←[Home]に戻る※はじめてこのblogにいらした方は[はじめに]をご覧ください。