215608 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Thank You For Everything          ~100%のスマイルを求めて~

Thank You For Everything          ~100%のスマイルを求めて~

「在宅医療」の実践講習会 講義メモ







「在宅医療」の実践講習会 ~ヘルパーと医療行為~ 講義メモ

≪例題1≫グループ検討形式
【挙がった対応】
・貼ってよいか事業所責任者に確認し、OKなら貼る、NOなら、その旨を伝え、他の方法を採る。
・肩の状態を見て、説明書通りに貼る。
・痺れ、頭痛があるので、血圧測定後に貼る。
・血圧を測って「判断」はできない。
・昨日からということで後遺症後の判断を仰ぐ。
・貼ってあげたいが糖尿病や脳梗塞があるので、主治医の判断を仰いでから対応。
【対応から見えること】
・貼った場合→心筋梗塞で亡くなってしまう虞。
・肩こり:自覚症状。痛みや症状を感じなくなってくる。肩こりから見えてくることとは?
・湿布は貼ってよいが*処方されたものに限る。
長年の付き合い-自分がしないと…とついしてしまいがち。
・指示があってやったか
・医行為と知っていてやったか→亡くなった場合の法的問題。

○医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)
「ここにいう「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれにある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。」
医行為…Dr.の判断、反復継続する意思があるか。AED:反復継続しないのでOK。
背景:在宅生活が増えてきた…HPでDr.やNrs.がしていたことを在宅でするようになった。
それが、介護現場であたりまえの「仕事」になってしまっている→誰が責任を取るのか?

≪医行為ではないと考えられる行為≫
*測定のみ→数字で判断できない。
●血圧測定
 水銀血圧計×→*判断が必要
 自動血圧測定器○→コンピュータが判断、一般的に普及してきた。
 e.x.高血圧が正常値の人は正常値の場合は低い
●パルスオキシメーターの装着
 入院治療の必要のある場合×→状態が明らかに異常
●傷の処置
 専門的な判断を要しないもの○
 汚物で汚れたガーゼ交換○
 褥瘡の処置×
 では、褥瘡のガーゼ交換はどうか?
 e.x.オムツ交換をした時に褥瘡のガーゼが汚れていた場合。
 便で汚れている→そのままでは良くない(感染がひどくなる)
 陰部洗浄後、オムツ交換のみ。
 消毒×薬×→ガーゼ交換をした旨をNrs.に伝える。
≪薬の条件≫
 ・Dr.、Nrs.が確認していること
 ・処置の内容をDr.、Nrs.が*家族、本人に伝えている→事業者に依頼
 ・患者ごとの区分授与、Dr.の処方。
 ・Dr.薬剤師の指導を受ける。
*ここでいう「家族」とは4親等内(成年後見制度に準ずると思われる。)
●湿布の貼付
 新生児×皮膚が非常に弱い。剥がすと皮膚まで剥がれる虞。新生児はとても難しい。
●点眼薬の点眼
 入院治療の必要性あり× 下瞼を下げて点す。
●内服薬の内服
 誤嚥の危険のある人×…でも本来は必要のある人。
コーディネーター→ケアマネに繋ぐ→Dr.から一文もらう。
●座薬挿入
 薬の内容、種類を確認。容態が安定していること。
●点鼻薬の噴霧
 喘息予防OK

≪医療行為の対象とする必要がないもの≫
●爪きり・爪やすり
 糖尿病×…傷→切断と繋がる虞。
 肥厚×真菌症×巻爪×→Dr.に繋げる。
 切り方:スクエアカット*別紙参照
●口腔ケア
 誤嚥予防のため必要
 総入歯○ 部分入歯×…取る際に残っていった歯が抜ける虞→食事ができない
●耳垢の除去
 外耳道まで…耳たぶから1cm位(綿棒の先ぐらいまで) 中耳道より奥×
 耳鼻科に年に1度通えば良い。
 耳垢塞栓の除去×:病院で耳垢水を使ってピンセットで取る。
→そうなる前に除去→自然に奥から出てくるようになっている。
●ストマ装具内の排泄物除去
 ついている場所で排泄物の状態が異なる。
 パウチ交換×…自分でやって頂く、それを補助する○
●自己導尿の補助
 準備や体位の保持○
 カテーテル:男性で15cm、女性で10cm
●浣腸
 市販のディスポーサブルグリセリン浣腸器○
 自分で作っている方もいる:グリセリン濃度に注意
 医師から処方されたもの×

≪バイタルサインのチェック≫
食事量なども含む。
<体温>参加者で体温の測定法をペン等を使って確認
日内変動あり。
●腋窩動脈に密着させる…動脈の温度を測る
1.空間を作らない:空間ができる場合はタオル等を挟む)
2.汗を拭く:熱が放散する
直腸が一番正確…直腸計×
●震えている時:体温上昇中→治まってから測定が基本。
●低体温…寒い時→内蔵の動きが低下。脳血管障害、ALSの人なりやすい。
*普段の体温を知っておく

<脈拍>ペアで測定しあう
顔の表情も確認
不整脈は誰しもある:1日に10回ぐらいはある。
脈拍を測れる場所は16箇所ある。

脈拍と呼吸はセットで行う。

<呼吸>ペアで測定しあう
●呼吸が1分間に7回の場合どうするか?
救急救命のやり方が変更
人工呼吸
以前:呼吸(R)なしの場合に人工呼吸
現在:いつもと違う呼吸の場合に人工呼吸
●回数よりもリズム、顔色、呼吸音(ゼーゼー、ヒューヒュー)、息苦しさが大事。
息苦しさ…横になると80%の呼吸量→起こす方が楽な場合がある。
●呼吸の状態の変化
肺がうまく動いていない→肩が動く(肩R)→顎で呼吸(下顎R)→鼻翼R(亡くなる前)
…全て異常R
●呼吸のリズムの異常
・チェーンストーク呼吸:呼吸が徐々に増大,減少をくりかえし,もっとも減少したときはしばらく停止しているような異常呼吸である。
・ビオー呼吸:深いあえぎ呼吸がしばらく持続した後,突然消失し,しばらく無呼吸の状態がつづいた後に,ふたたびあえぎが始まるパターンをくりかえすような状態をいう。
チェーンストークス呼吸_ビオー呼吸(図)

<血圧>自動血圧計で実際に測定
マンシェット
マンシェットを上腕動脈(肘の内側上部)に当てる。
心臓と同じ高さに腕を置く(低い場合はタオル等を用いる)
橈骨動脈を測りながら行う(橈骨動脈が止まる)。
●環境に影響を受ける
“診察室高血圧”(白衣高血圧)と“家庭高血圧”

◎その他◎
≪爪きり≫ペアで実技
●手浴・足浴
温度:好み。お風呂より低め。湯量:手…6分目~7文目、足…6分目
お湯から入れて水で温度調整。逆…湯灌になる(故人を洗う)×
終わった後(特に足浴後)すぐに保温。その後に片付け。
●*マッサージの種類
・軽打法(叩く)×
・柔捻法(揉む)×
・指圧法(押す)△
・撫擦法(擦る)○
 *「マッサージ」は本来マッサージ師が行うものであり、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(通称:あはき法)の第一条で、「医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という)を受けなければならない」と明記され、無資格者は(業務として)マッサージ行為を行うことができないので、「マッサージ」と明記して行うことはできない。
●スクエアカット(別紙参照):巻爪予防。基底面が広がる(歩行しやすい)。
爪の切り方
まっすぐに爪切りを当てる。

≪服薬≫
<粉薬をオブラートに包んで飲む方法>
包んだ後、水分の中に入れてから飲む→ゼリー状になる。
そのまま飲むと喉にくっつく虞がある。
●オブラートをベタベタ触って欲しくない人に対して。
水面にオブラートを2枚浮かべて、その上に粉薬を乗せ、箸等で包んでいく。
●薬の形状を変えない(カプセルを開けたり、固形を粉にする等)
形状には効き目の意味がある。そして処方されたものは全部飲む。
ご飯等に混ぜる場合は、薬用と通常用とに分けて、確実に飲む。
●飲み物
アルコール×
牛乳・ヨーグルト△:胃の粘膜を保護するので、胃吸収の薬は×
炭酸△
グレープフルーツ・ミカン△:血圧系降圧剤に対して×
コーヒー、お茶もできれば避ける。
湯のみ1杯分で飲む。唾液の分泌が悪いと喉に詰まる等の虞。水分補給にも繋がる。
●食間とは食事後約2時間…おやつ等の時間と被る場合は主治医に相談。
<座薬>
・冷蔵庫で保管
・体温で融ける(直接触れない)・半分にする場合は縦斜めに切る。
・キシロカインゼリー(麻酔効果)、ワセリン、水・食用油、ベビーオイル、オリーブオイル等で滑りやすくして入れる。
・指2関節分は入れる。
<点眼>
・下瞼を下げて入れる。瞬きすれば入っていく。
<塗り薬>
・綿棒、ガーゼを使う。直接指で触れない。
・チューブ状のもの…空中で浮かした状態で切るようにして取る。
・直接触れると菌が繁殖。とにかく清潔に行う。
<罨法>
加温、低温…治療=医行為
湯たんぽや氷枕では体温は変わらない=気持ちよいOK
●湯たんぽ
満タンに入れる…空気が入っていると空気が膨張して弾ける(蓋が取れる)。
漏れがないか確認。
プラスチック製:80度…湯気がジューっと出る程度。
ゴム製:60度…湯気が出始める程度。
タオルに包んで、足元から15~30cm離す(麻痺:熱さを感じない)
布団の中の空気を放射熱で温める。
●発熱時
氷嚢、アイス枕、熱ピタシート等=熱は取らない=気持ちよい
腋窩動脈を冷やす=治療行為
●氷嚢の作り方
1.氷の角を取り、氷嚢に2/3氷を入れ、コップ1杯の水を入れる。
2.空気を抜く
(たっぷりの水を入れると氷嚢が揺れることで頭が揺れ気分が悪くなる。)
・留め金は下にする…頭に引っかかる。
同時に肩の保温を行う。
<けがの処置>
シャワーでとにかく洗う、乾かさない。
消毒…良い菌まで殺すのでしなくてもよい。
カットバンの放置をしない。
ガーゼを直接貼る×

◎緊急時の対応◎
≪例題2≫グループ検討形式
【挙がった対応】
・誤嚥性肺炎の虞、状態報告。
・脈の確認。
・急に動いて貧血。
・口の中の残渣物を出す。
・Dr.か救急車。
・呼吸が乱れていれば人工呼吸。
・肩甲骨と肩甲骨の間を叩く。
・ハイムリック法。
・意識がなければ心肺蘇生。
・呼吸があれば救急車は呼ばない。
【対応から見えること】
挙がった対応では死亡の虞。
急に起きたことによる肺塞栓。残渣物はない。すぐに救急車を呼ぶ。
・貧血:血液低下。鉄分低下。
・脳貧血
・起立性低血圧(立ちくらみ):起きあがった時点で起こる。
→廃用症候群による。大人の場合はすぐ119番。
心停止5分
呼吸停止10分・・・50%が死亡
大量出血30分
・肺塞栓…エコノミークラス症候群

<物が喉に詰まった場合>
チョークサイン(首を両手で抑える仕草)…皆同じ
声掛け…声が出ない→気管が詰まっている。
・背部叩打法(強く5回、肩甲骨と肩甲骨の間を手のひらを丸める感じにして上に突き上げるように叩く)
・ハイムリック法(握りこぶしを作ってミゾオチを引き上げる)
意識のない人× 妊産婦×
・掃除機…できるだけ使わない(歯が傷つく)
もちは取れない、逆に舌を吸う。
ただし、専用ノズル(吸引ノズル)やトイレットペーハーの芯を潰して細くした物を使えば、様子を見ながら行ってもよい。
・逆さまにして振る×

<止血>
・直接止血
 救急隊が来るまで地面等に押し付けて止める(5分から10分)
 止まったかな?と見ない(再び血が出る)。
 厚みがあるもの(重ねたタオル等)を手を離さずに重ねる。
 直接触れない(血液の感染防止)…ゴミ袋等を重ねて覆う。
・間接止血
 出血している箇所より上部の血管を抑えることで血を止める(最近はあまりやらない)。
・止血帯
 紐やゴムは×
 3cm幅広のもの。
 30分以上×一旦緩めて再開。
 場所を離れる場合は、止血帯に時間を表示。
 動かさずに固定させる。

≪病院を受診した方がいいかと介護職が迷う時の6つの基準≫
病院受診
・出血が普通と違う
・意識障害:脱水から起こるせん妄、気付かない骨折
・嘔吐:消化器、泌尿器異常
・食欲低下:2食前まで確認

≪問題≫
人工呼吸補助器:医行為。
痰の吸引:主治医の同意書が必要。
癌患者:容態が安定していないので医行為。
耳垢塞栓の除去:医行為。
重度の歯周病に対する口腔ケア:医行為。

≪まとめ≫
●利用者の状態は常に流動的。
●医療と介護ははっきりと線を引くことはできない。
●救急車を「呼んでごめん」と「呼ばないでごめん」
呼んで欲しくない方、家庭もある→見極めが大事
事前に、事業所、家族、Dr.と相談
●自分がするべきことかどうか常に確認すること。
・便利屋ではない。
・連携のとれる人である。


その他、止血法、心肺蘇生、AEDの実技を行った。


© Rakuten Group, Inc.