見上げれば薄型信号機。
リフレッシュ休暇をとって街に出る。いつもならオフィスで黙々と仕事をしている時間帯に、あえて歩く。ただ純粋に、黙々と歩く。せっかくのiPod touchが持ち腐れになるけれど、音楽を聴くことは、自分の世界に浸ること。筆者は世間の音を聞くのが好きだ。歩道、脇を車が追い越してゆく。この道路、この時間帯はトラックが多いな。一歩奥へ、住宅街は意外にも静かだ。子供の見送り、登校が一段落つく時間帯。耳の遠くでタイヤと雪解けの摩擦音。サクッサクッと足元に気をつけて歩く。ふと周りを見渡すせば、誰かしら、何かしら。この狭い街、自分と無縁な生活空間の何と多いことだろう。自分の存在なんて、誰も知らない。いまここを歩いている理由なんて、誰にも分からない。筆者だけが、知っている。Je pense, donc ju suis.たまには五感で歩く平日。