機械式時計と煙草でブログ！

　沈没事故を起こした有名なタイタニック号の絵柄があしらわれた缶で知られる「クルーズライン（オリジナル）」を今回は吸ってみます。「クルーズライン」シリーズは全部で三つの銘柄があり、今回のは、その最初の基本銘柄であるオリジナルになります。
　ってか、この煙草、タイタニック号の絵柄の缶ばかりが有名で、中の煙草の味とかについては全く言及されない事も多く、ちょっと可哀想な煙草でもあります。まさか、味の方はタイタニックのように沈没してしまっているなんて事はないでしょうねぇ。（笑）　まぁ、とにかく吸ってみましょう。

　開封時の香りは、バニラ系のミルクキャラメルに少し果物が混ざるといった雰囲気で、非常に甘い香りです。どうやら典型的な甘い着香煙草のようです。カットは、少し細かいラフカットがメインで、湿気は普通です。

　これを火皿内径22mmのパイプに詰めて着火しますと、バニラ風味のミルクキャラメル＋果物という開封時の香りを、少し薄めてマイルドにした香りが来ました。ほぼそのまんまです。一方、味の方は意外にもそれほど甘味が強くなく、程よく抑えられています。バーレー葉による渋さと果物系の着香によって、バニラ系ミルクキャラメルの甘さを引き締めているといった所でしょうか。なるほど、香りが随分と甘々なので、味は少し抑えた方が、飽きずに吸えるのでしょう。こういう構成も悪くないです。

　火付きと火持ちは良好です。燃え過ぎる雰囲気もありませんから吸いやすいと思います。

　喫煙中盤でも喫味に変化はありません。この段階で喫味が変化しないのは、この手の着香物にしては珍しい方だと思います。かなり深い着香のようです。特段のタンバイトもありませんし、なかなか良く出来ています。

　喫煙終盤になって、やっと着香分が薄れてきて、ベースの煙草の姿が見えてきます。どちらかと言うとやや渋めの味なのですが、甘味がない訳でもなく、硬質ながらも角の取れたコクもあって、決して薄っぺらい感じではありません。これならこれで「有り」でしょう。

　という事で喫煙終了。後味には薄い甘味が残り、残り香はバニラ系ミルクキャラメルでした。
　全体的に見て、甘々系の香りを楽しみつつ、逆に甘味の少ない味で飽きずに吸える上手く出来た煙草だったと思います。特段に個性的な煙草という訳ではないので、その意味で「（沈）没」個性的ですが、煙草としての完成度は低くないので、タイタニックのように完全に沈没してしまうような煙草ではありませんでした。まぁ、でも確かにこの煙草のトピックとしては、タイタニックの絵柄を持ち出した方が記憶に残りやすいかも知れません。

　結構な昔から日本に輸入されてきている銘柄だと思います。着香好きの方は一応押さえておくべき煙草ではないでしょうか。


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