空間線量から、砂ぼこりによる内部被曝を計算してみる
twitterに投稿した内容をまとめてみました。【砂ぼこりによる内部被曝1】育成会の会員のお母さんから、近所の神社で子供たちが砂ぼこりを巻き上げながらサッカーをしていて不安との相談があり、市に除染の要請をするとともに、内部被曝を計算することに。【砂ぼこりによる内部被曝2】わかっているのは空間線量のみ。広場で0.80uSv/h,周辺で1.10uSv/h。ここから土壌の汚染度を求める。 http://hp.vector.co.jp/authors/VA047235/radiation.html こちらのサイトの力を借り、広場で61.5万Bq/平米と算出。【砂ぼこりによる内部被曝3】次に浮遊量を計算。 http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan031/siryo3-1.pdf では浮遊率1/100万だが、安全を見て平均1/10万とする。広場付近の浮遊量は1m×1m×1mの空間あたり6.15Bqとなる。【砂ぼこりによる内部被曝4】次は吸入量。小学生の呼吸量は http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan031/siryo3-1.pdf では通常0.4立米/h,軽作業1.1立米/hだが安全を見て2立米/hとすると1hあたり吸引量は12.3Bqとなる、はず。【砂ぼこりによる内部被曝5】検算。12.3Bq分の砂の重さは?→61.5万Bq/平米は深さ5cm、密度1300kg/立米と仮定すると9461Bq/kg=9.5Bq/gとなり、12.3Bq≒1.3gとなる。1円玉より重いぐらい。これは文部科学省の評価より20倍安全側に見ている。【砂ぼこりによる内部被曝6】以上より、空間線量が0.8uSv/hの公園で1時間遊んだ時の吸入量は12.3Bq(砂の重さで1.3g、文部科学省の評価より20倍安全側)と算出。次は、実効線量を評価していく。【砂ぼこりによる内部被曝7】内部被曝量。Cs134/137の比率を1:1と仮定し、 http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan031/siryo3-1.pdf ここのパラメータから小学生は1BqあたりCs134=0.016uSv,Cs137=0.026uSvなので12.3Bqを吸入時の実効線量は6.15x0.016+6.15x0.026=0.25uSv。【砂ぼこりによる内部被曝8】年間被曝量。年200日、広場で3h遊ぶと仮定。外部被曝0.8uSv/h+内部被曝0.25uSv/hとすると外部被曝0.48mSv/y,内部被曝0.15mSv/yとなる。【砂ぼこりによる内部被曝9】検算その2。文部科学省は、「外部被曝に対する内部被曝量の寄与割合は1.5%」としている。今回算出の内部被曝0.25uSv÷20(安全係数)=0.013uSv/h。これは空間線量0.8uSv/hの1.6%であり、ほぼ一致。【砂ぼこりによる内部被曝10】長々とお付き合い頂き感謝です。個人的には安心した。吸入被曝は、表土除去や落ち葉の除染をすれば目に見えて減らせる。でも減らせるのは1日あたり40Bqだけ(3h活動の場合)。食品にも気をつけなければ。参考になれば幸いです。