PC用Webカメラを天体用冷却CCDカメラに改造
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PC用Webカメラを天体用冷却CCDカメラに改造する。
↓PC用WebカメラQcam 4000 Pro(SC2改)により撮影(大阪府豊中市の光害下で撮影)
天体撮影用CCDの性能は解像度だけではなく受光面サイズやピクセルサイズにも依存するが、PC用WebカメラのQcam Pro 4000(ネットオークションで5,000-8,000円程度で流通)やToUcam Pro II(ネットオークションで新品が13,000-18,000円で流通)に利用されているCCDは35万画素のSONY ICX098BQであり、数万円する25万画素のMeade初代DSI(Proを含む)より高解像度であるだけでなく、数十万円するビットランBJ-30に相当する解像度であると言えます。ここではPC用WebカメラのQcam Pro 4000やToUcam Pro IIを長時間露光可能天体撮影用CCDカメラに改造する方法を紹介します。
この改造は、おそらくだれでも出来る訳ではありません。改造が可能なスキルは、以下のとおりになると思われます。
1:電子工作を経験したことがある方。ハンダ付けが得意と自負される方なら問題ないでしょう。過去に電子工作を経験したことがない方は、何らかの電子工作キット
などで充分にハンダ付けを練習してからこの改造にチャレンジする方が良いでしょう。
2:シグナルプロセッサICのピン間隔は、0.5mmです。非常に細かい作業を要する為、手先の器用な方でなければ難しいかもしれません。
この2点を読んで断念される方は、
Meade ETXシリーズ用 撮影アクセサリーオートスタースイート+DSIカメラセット
を検討される方が良いかもしれません。
PC用Webカメラを長時間露光可能にする改造方法を考案したのは、英国のSteve Chambers氏です。
Notice.
The electronic portion of the web camera modification described on this page is derived from the intellectual property of Steve Chambers. In return for his kindness in freely sharing the details of his invention with us, he asks that this information is not to be used for personal gain or commercial purposes (without prior arrangement with him).
This means that web cameras modified according to these instructions must be for personal, non-commercial use only, and must not be sold to others for profit!
Steve's copyright notice is here. Please read it! To violate his copyright is a prosecutable offence, it may be enough to keep him from sharing his other ideas and inventions with us!
Please comply with his wishes!
Thank you for Steve's great works.
Steve Chambers氏のホームページには、SC1からSC5までの5段階のWebカメラの改造方法が紹介されています。このブログで紹介するのはSC2改までです。
SC1改造:CCDの垂直同期を制御することにより長時間露光を可能にする改造。
SC2改造:CCD自身の熱ノイズを低減する為の、蓄光中のAmp OFF制御(実際には低電圧)を可能にする改造。
SC3-4改造:CCD自体を更に高感度のICX414/ICX424に載せ換える改造(2x1 binning対応 )。
SC5改:ガイド用のポートなどインターフェースを備える改造。
SC1改造( 長時間露光 )の原理
Webカメラは、シグナルプロセッサ( SAA8116 )が発生した制御信号を垂直クロックドライバ( SONY CXD1267AN/NEC D10560 )が処理・増幅し、CCD( ICX098BQ )の各ピクセルの電荷を水平操走査ラインごとに順次読み出す仕組みとなっています。
SC1改造の原理は2点です。
1:Qcam Pro 4000やToUcam Pro IIの基板上にあるシグナルプロセッサICは垂直クロックドライバICに対しShutter control reset信号を送信していて、垂直クロックドライバICは、この信号を制御・増幅し、CCD素子前面の電子シャッターを制御しています。このShutter control reset信号をICの脚上げ又は基板のパターンカットにより無効とし、垂直クロックドライバIC側の入力ピンをプルアップすると、CCD素子前面の電子シャッターは開放状態で維持されます。
CCD電子シャッター開放状態の実際のシャッタースピードは垂直同期の間隔に依存することになります。
2:Qcam Pro 4000やToUcam Pro IIの基板上にあるシグナルプロセッサICは垂直クロックドライバICに対しVertical CCD load pulse信号を送信し、垂直クロックドライバICは、この信号を制御・増幅し、垂直同期ごとの読み出し開始タイミングを制御しています。このVertical CCD load pulse信号をICの脚上げ又は基板のパターンカットにより無効とし、垂直クロックドライバIC側の入力ピンをプルアップすると、垂直同期ごとの読み出し開始タイミング信号をストップする事ができます。
この状態が継続されている間、光電子がCCD素子に蓄積(蓄光)され、垂直クロックドライバICへのVertical CCD pulse信号が再度有効となると、垂直同期が始まり、蓄光されたCCD素子よりデータが読み出され、長時間露光画像を得ることが出来る様になります。
Martin Burri氏のWebにあるアニメーション解説を見れば、原理を理解しやすくなると思われます。
必要な工具
一般的な電子工作用工具:
1:30w以下の電子工作用のハンダごて。先端が鋭利でなければヤスリでけずる。
2:電子工作専用のハンダ。できるだけ径が細いもの
3:こて先クリーナー。スポンジに水を含ませ、こて先を拭きます。
こて先を整えながらの作業は非常に重要です。このスポンジは絶対に必要なアイテムです。
4:ヒートクリップ。ハンダづけは2秒以内に終了しなければIC回路が破損します。この様な放熱用ヒートクリップを利用することにより電子回路をハンダごての熱から守ります。
5:ハンダ吸取機。
6:マイクロニッパ。
7:マイクロペンチ。
楽天ショップで扱かわれている工具類:
SD-33 (IC.LSI基板用ハンダ)
セット販売品:
細かい作業を行うにあたって必須工具:
ピン間隔0.5mmの作業を行うには、これらの工具がないと出来ません。
A:ルーペ。リード線のハンダ付けの状態確認、ハンダ玉飛びやハンダブリッジの修正確認に絶対必要です。
B:精密ピンセット。先端が針の様に尖ったピンセットが必要です。基盤よりICの脚を起こす時や、IC脚間のハンダブリッジの修正時に、加熱しながら、IC脚間にピンセットの先をすべり通します。
楽天ショップで扱かわれている工具類:
ルーペ付き作業台があれば作業が楽かもしれません。
分解や改造は故障の原因となるばかりでなく、メーカーの一切の保証を受けられなくなります。分解や改造は自己責任で行って下さい。
分解や改造は故障の原因となるばかりでなく、メーカーの一切の保証を受けられなくなります。分解や改造は自己責任で行って下さい。
分解や改造は故障の原因となるばかりでなく、メーカーの一切の保証を受けられなくなります。分解や改造は自己責任で行って下さい。
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