窖窯(あながま)作家たちの夢中がどれだけ伝えられたろうか?
窖窯(あながま)作家たちの夢中がどれだけ伝えられたろうか?澁田寿昭・酒器セット(徳利・ぐい呑1客)彼らの細部の違いにこだわり、美を昇華させていく情熱を少しでも伝えられただろうか?備前の窖窯(あながま)は作家たちの作陶姿勢で、いくつものバリエーションを有している。桃山の大窯を理想としながらも、自分の一生にあてはめて、自分流のバリエーションを築窯する。一つ一つの窯が、作家の個性を色濃く持っている。燃料しかり、はたまた粘土処理しかり。伝統が潰え、窯の残渣しかないところから、彼らは立ち上がった。信じるものは、自分の経験のみ。必死に探し、必死に試みた。“窯の残渣の陶片が夜な夜な語ってくれた。”多くの作家がそう言った。窯の火を見つめる目は遥かな古(いにしえ)を眺めている。だから、これが生まれてくる。ほんの少しの線に潜む、発見。こうしてじりじりと高みを極めていく。彼の後ろに何百の温かい備前ファンの,辛抱強い魂が続く。極めさせる何百,何千の魂たち 現代にもちゃんと生きておられる。備前はいいところだ。