
昭和30年代から40年代にかけて建てられたコンクリート製の陸屋根住宅は県下に多く見かけられますが、この住宅はとても洗練されています。まずひさしにパラペット(防水層の立ち上がり部分)がないため、とてもシャープな立面をしています。ひさしを支える壁柱は下に行くほど微妙に細くなっていて、これがまた立面をひきしめています。持ち主のご主人に設計者を尋ねたら、なんと自分が設計したと言うことです。ご主人は建設会社の会長さんで、仕事上で設計をされているのではないのですが、持ち前の勉強熱心さから第一回目の一級建築士試験を受けて合格し、昭和31年この住宅を完成させました。てすりや照明器具までオリジナルのデザインです。設計を業とする我々建築家を恐れさせる建物です。
物件名 野上邸
所在地 高松市松島町3-12-24
竣工年 1956年
設計者 野上良博
施工者 河辺建設