「ラ・バヤデール」 

Irek Mukhamedov

「ラ・バヤデール」 
  ロイヤル・バレエ
    (1991年)  
  La Bayade`re The Temple Dancer

 原振付=マリウス・プティパ 
 演出・振付=ナタリア・マカロワ
 ニキヤ/アルティナイ・アスィルムラートワ
 ソロル/イレク・ムハメドフ
 ガムサッティ/ダーシー・バッセル
 バラモン/アンソニー・ダウエル
 ラジャー/デーヴィド・ドリュー
 黄金の像/熊川哲也
 影の王国ソリスト/ヴィヴィアナ・デュランテほか

Nikiya ; Altynai Asylmuratova (Kirov Ballet)
Solor ; Irek Mukhamedov
Gamzatti ; Darcey Bussell
The High Brahmin ; Anthony Dowell
The Rajah ; David Drew
Bronze Idol ; Tetsuya Kumakawa
Magdaveya , Head Fakir ; Peter Abegglen
Shadow Soloists ; Nicola Roberts
------------------Fiona Brockway
------------------Vivianna Durante
Aya ; Gerd Larsen
Solor’s friend ; Jeremy Sheffield
D’Jambpe Soloists ; Lynne Bristow
------------------Benazir Hussain
Pas d’action ; Fiona Brockway
------------------Sally Fredericks
------------------Karen Paisey
------------------Nicola Roberts

------------------Deborah Bull
------------------Dana Fouras
------------------Nicola Tranah
------------------Racheal Whitbread

------------------Michael Nunn
------------------Christopher Saunders

Stage Production directed by Natalia Makarova


 2003年7月13日(月) シアターテレビジョンで放送
DVD


 
 第1幕第1場 寺院
 大僧正のダウエル貫禄ありすぎ。演技もすごい。この人が出てくると主役の株を奪っちゃうところありますよね。存在感がすごい。脇だけど脇じゃないの。決して。だから時々ちょっとうざくなる。(ほんとごめんなさい)多分ほかの出演者もそう思ってるだろう。
 ダウエルがニキヤに迫った後、苦行僧がニキヤに
「手を叩く音が聞えたら、それがソロルさまの合図です」と二人の逢引を手助けする。
 ガムザッティを待つソロルが待ちきれず投げキッス。おいおい古代インドに投げキッスはあったんですか? 

 ソロルとガムザッティの婚約式。
 ソロルのソロ、イレールのと振付が違う。カブリオールのあと、ダイナミックなジャンプのマネージュ。何ていうか知らないけど人間ヘリコプターみたいにぐるぐる回るやつ。イレールはアチチュードで空中で1回転する、というマネージュであった。
 ここのソロルが非常に冷たいのよ。ニキヤに。ニキヤが踊ってるのにガムザッティの手に口付けなんかしちゃってるし。そんなことやってる場合? 大僧正が蛇に噛み付かれたニキヤに解毒剤を渡し、
大僧正「その代わり、私のことも気にかけておくれね、ね、…」と念を押す。
ニキヤが解毒剤を飲もうとしてソロルを見るシーンではソロルとガムザッティは手をつないで歩いて去っていく風情だし。あーひどい。ニキヤかわいそう! ニキヤは絶望して解毒剤のビンを落とす。倒れてから顔を覗き込むのは大僧正。
「どうして、どうして解毒剤飲まなかったんだあ、ニキヤ、もったいない、こんなに美しいのに。オーマイゴッド!」と嘆き悲しむのは大僧正なのだ。おーい、そんなに冷たくていいの? ソロル。呪われるよ。

 第2幕
 影の王国の三人目のソリストがデュランテ。この3人とも小さいので、スタイル抜群のアスィルムラトーワやバッセルに比べてデッサンがくるってる、と思ってしまう。デュランテはしかしすばらしい踊り。お客さんも大拍手。

 影の王国で愛を確かめ合った二人。暗転し、元のソファで阿片を吸って寝込んでしまっているソロル。寝言で
「もう、君を離さないよ、裏切らないよ、ニキヤ… ムニャムニャ」(ごめんなさい、作りました。)
 苦行僧マグダヴィア「まだ、寝てるんですか? 早く起きてください」
 友人 「おい、起きろよ、大変だ。もうすぐ使いがやってくる。お前の結婚式が決まったんだぞ。」
 ソロル「えぇ~」飛び起きるソロル(ムハメドフ)。結婚の命令書を持ったラジャの使いがやってくる。
 ソロル「そんなわけにはいかない、今ニキヤの精霊と会ったんだ…」
 そこへガムザッティとラジャ(ドリュー)が登場し一同敬礼。ガムザッティの顔を見ると何も言えなくなってしまうソロル。
 威厳ビシバシのガムザッティ(バッセル)こわいかあちゃんになりそうだ。ソロルにゆっくりと近づいてゆく。 
 第2幕終了。

 第3幕 寺院
 鎌倉の大仏のようなお釈迦様の像の下に小さい仏像。黄金の仏像(ブロンズ・アイドル)我らが熊川哲也。ここのソロはほんとにすごい。しかし皮膚呼吸は出来ているのだろうか? 頭が孫悟空みたい。このブロンズアイドルを超えるブロンズアイドルはない。はまりすぎだ。仏教とヒンズー教がごちゃ混ぜのバヤデール。
 大僧正(ダウエル)や僧侶一同登場。ソロル、ガムザッティ登場。結婚式だというのにまるでお葬式のような二人の表情。
 ガムザッティのソロ。
 舞姫たちの群舞。
 いよいよ二人が手を取り合い、式の開始。途端にバーンと仏壇の扉が開いてニキヤの亡霊が出てくる。これって結構怖いですね。この亡霊はソロルにしか見えないらしい。ソロルはニキヤの亡霊とガムザッティと3人で踊る。苦悩のソロル。ソロルがニキヤの亡霊と踊る間はガムザッティはラジャと踊る。パドカトルになる。もう帰りたい、という風情のソロル。ラジャが通さない。ソロルはガムザッティに捧げるための一輪の花を渡され、捧げようとした瞬間にニキヤの亡霊が花を奪い去る。
ガムザッティ「花はどうしたの?」
 混乱し、この場から一刻も早く逃げ出したいソロル。ラジャが許さない。
 また仏壇からニキヤが登場し、ソロルに
「あなたは私に真実の愛を誓ったわよね?」
ソロル取り乱す。
 侍女か舞姫のひとりがガムザッティにニキヤが死んだ時に持っていたのと同じような花かごを捧げようとする。いやがるガムザッティ。「いや!いらないわ!やめて!」 ガムザッティはやっと悟る。ソロルはニキヤの亡霊に取り付かれているのだ。
「いやいやひどいわ!」ガムザッティはラジャに泣きつく。
 走り去るニキヤを追いかけていこうとしていたソロルはラジャに押しとどめられる。
ラジャ「どういうことだ! その取り乱しようは何なのだ! さっさと結婚してしまうのだ!」
 仏壇の前に立つ大僧正のもとへいく二人。
大僧正「ガムザッティ、あなたはソロルと結婚しますか?」
ガムザッティ「はい」
 どうしてここがキリスト教風なのかわかりませんが。
大僧正「ソロル、お前はガムザッティと結婚するのか?」
ソロル「いや、俺はニキヤに…」
大僧正、天に差し伸べられたソロルの腕をつかむと無理やり誓わせる。
二人の手が重なった瞬間、暗転。雷鳴。豪雨。
 巨大な仏像が崩壊し、人々の上に崩れ落ちてくる。
 残るは灰塵のみ。
 その立ち昇る煙の中ヴェールを持ったソロルとニキヤの二人が歩いていく。
 ここは黄泉の国。二人はやっと永遠に結ばれた。
 幕。
 
 



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