鉄道としての価値
昨晩の「日田彦山線の被災地域について、鉄道での復旧を断念,BRT化」との記事、まぁ終わったな・・・諦めの気持ちです。地元(東峰村)の方も泣く泣く諦めたようですし仕方ないですよ。でも、日田彦山線城野ー夜明の内、鉄道で全て復旧と考えても今回被災した区間を復旧させた後、田川後藤寺ー夜明を残す理由がどこにあるのか?鉄道不要論者ではありませんが「毒食らわば皿まで」の心境にもなります。「素晴らしき鉄道風景」を抜きにして(私にはここが大切ですけど)考えると、日田彦山線に北九州と大分を結ぶ連絡路線としての価値が既に無くなったと判断するのなら・・・日田彦山線の価値は北九州と筑豊、筑豊と飯塚を結ぶ後藤寺線・平成筑豊鉄道伊田線への集約(田川後藤寺駅・田川伊田駅)という役目になり、わざわざ北九州や筑豊から分水嶺を超えて大分に行く需要はないでしょってことになってしまいます。そうすると日田彦山線の鉄道として必要な箇所は城野ー田川後藤寺(せいぜい添田まで)となってしまいます。この景色が見られなくなるのは残念ですけど。筑前岩屋駅がある東峰村の地域も甘木・朝倉・久留米方面への流れがバスでなく鉄道で無ければならない地区でも無し・・そうすると鉄道そのものの存在価値は消えて無くなるのでしょうね・・・。あとはせいぜい観光としての魅力でしょうが、私のように休みにクルマでやってくる写真好きに収益は期待できません。普段の平日も含めスッカラカンの列車を走らせる意味は無いでしょう。今回、彦山ー筑前岩屋をBRT化して残りをバス転換でという案を・・変更の結果、彦山ー宝珠山をBRT化する方向に向いているようですね。鉄道を村おこしの観光にするのであれば、一通り鉄道で復活させて残すべきでしたし、彦山ー筑前岩屋の区間は道路そのものも狭いクネクネ道ですから(迂回路はありますけど距離は相当延びます)、「線路は一区間途切れます、でもトンネルを走るBRTも楽しんでください」という方針はあっても面白かったのでしょうが、鉄道の集客としての魅力や長距離輸送の意義を放棄するのであれば、彦山ー筑前岩屋以外は線路跡にバスを走らせなくても普通に町中の舗装された道を走るバスに転換して、維持費のかかるアーチ橋や宝珠山の駅施設はとっとと撤去したらどうですかという半分ヤケ気味の気持ちです。(まぁ筑前岩屋ー宝珠山をBRT化する公共工事の無駄な費用を削減する意味もありますけどね)これから先、災害は増えるでしょうし、沿線の山林も維持管されなかったり、ソーラーパネル設置による保水能力の低下など更なる不安要素も増えるでしょう。芸備線の土砂崩れによる事故もそうですし、阪和線では沿線の山林を地主が管理放棄の状態でJRが代わりに樹木伐採などなっている・・地主は「お金も無い中で助かった」といったニュースがありましたが、私からすれば、管理できないなら所有も放棄して欲しい気持ちです。長距離・大量輸送という目的が無くなった鉄道にどんな未来があるのか、沿線で写真を撮る身としては申し訳ないやら切ないやらといった気持ちです。