落ち武者の怪 「鎧ヶ淵」
駿河の国に長久保城という城があり、戦国時代には城をめぐる激しい戦いがありました。城の守備兵はよく戦いましたが敵に囲まれついに落城。兵士達も散り散りに逃げますが敵に追いつかれ、淵を渡って逃げようとしました。 しかし、鎧を着ているため泳いで淵を渡ることができず、ことごとく沈んでしまいました。それからというもの、夜な夜な鎧を着た武者の霊が出るようになったというそうです。また別の説では、逃げ延びた武者がこの淵で血の付いた鎧を洗ったために、夜になると誰もいないのにガシャガシャと鎧を洗う音が響いてくるとか・・・ このような、怖い話が伝わる淵は長泉町にある「鎧ヶ淵」、名前の由来は先ほどの話に由来します。この淵の上流には「牛ヶ淵」と呼ばれる淵があり、ここも長久保城にまつわる話が名前の由来になっています。