カテゴリ:文学
南堂五首(その五) 部屋を掃除し香を焚[た]き 門扉を閉めて昼寝する さざなみ模様の竹むしろ 透けるカーテン煙[けむ]みたい 来客告げられ覚[さ]めた夢 自分がどこか分からない 西の蔀戸[しとみど]持ち上げりゃ 長江の浪[なみ]天までも
六月二十七日望湖楼に酔うて書す 墨ぶちまけた黒い雲 まだ山並みも見えるうち 夕立 真珠を躍らせて 船にもバラバラまき散らす 大地ゆるがす風突如…… たちまち黒雲吹き飛ばしゃ 鳳凰山下 望湖楼 青き湖水は空の色
渓陰堂 渓[たに]にあふれる澄んだ水 つがいのサギが飛来する 緑の槐[えんじゅ]そのこずえ 蝉が一匹鳴いている 酒から醒めれば門の外 とっくに高く日は昇り 寝ながら見てる渓流の 南の木陰10畝[ぽ]ほど お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.08.22 16:38:13
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