あなたとわたしのためのゴールではなく、大切な人のためのゴールを目指そう
整理するため、ここにメモしておこう。 組織も立場も考えも違うあなたとわたしの共通のゴールとは? いつもオレはサッカーを例えることが多いけど、今回はゴルフにしよう。一気に打ってみよう。 林や川や池がある自然の地形のどこにゴール、つまりゴルフでいうホールを設定するのか。 パー3のコースとしよう。 オレにとって都合のよい、オレが目指したい方角をまず決める。そして、そこからホールに至るまでのコースを考える。第一打は広いファアウエイを自由に飛ばし、第二打はあの林の間を抜けて三方を池に囲まれた島の上のグリーンに落とし、第三打は島のもっともくぼんだ中心部にホールをつくる。 あなたもほぼ同じ地形、つまり方向性だけは同じ地形を生かしてコースを考えるとして、まず、第一打は同じように自由に広いファアウエイをかっとばし、第二打は林を避けたドッグレッグの曲線の延長線にある池の手前にグリーンをつくり、第三打は池からもっとも遠い位置にホールをつくる。 そして、それをベースにお互いの合意によるコースつくり、最終グリーン、ホールを設定する。 この場合、途中のコース設定にはこだわらず、最終ゴール、つまりグリーンとホールだけを決めればよい。 つまりOBなしの自由なコース設定としよう。 そんなとき、例えば、オレとあなたのほかに一緒にコースを回る大切な方、お互いが認め、その人のために、その人の目指したいと想定するグリーンとホールを考えてみることになった。 そうした場合は、まず、その人がどんなことを望んでいるか、どのような心身の持ち主か、どんな状況がもっとも楽しんでいただけるのか、その人を描きながらオレとあなたが考えることになる。 もし、その方が最終的にどんなことを望んでいるか、どんな設定のグリーンとホールが喜んでいただけるか。 そんなことを考えながらオレとあなたは実際にコースを歩いて、検証していく。 最終の池までたどりつくと、池の少し奥に小高い丘があって、そこに上がれば、そこから中央アルプスの荘厳な山々が見えることにオレたちは気がついた。 つまり、お互いが設定した、その少し奥にもっといい状況のグリーンの候補地があった。 そして、オレとあなたはお互いが最初に設定したグリーン案を変更し、丘の上のそれも一番に見晴らしがよい場所にグリーンを設定し、最後の第三打は荘厳な山々を眺める方向から打てるグリーンの最奥部にホールをきめた。 オレとあなたがそれぞれ選んだホールだったけど、最終的にはそれ以外のホールとすることでオレたちは妥協でなくて気持ちよく合意することができた。めでたし、めでたし。 と、ハッピーエンドで終わればいいのだけど、そうはいかない。 そのうえで、やはり実際にお互いの大切な人の意見を聞く必要がある。というよりも最初に伺っておくべきだった。 そうしたら、その人は外見では分からなかったが、心臓に病を持っていてあまり長距離を歩けないこと、かといってあまり単純なコースではグランドゴルフとかわらないということでゲーム性は求めたいということ、ただ、オレたちが選んだ景色のよい丘のプランは気にいっていただき、合意がされた。 そこで、お互いの大切な人のためのコースをオレたちは設定し直すことにし、結局はティーショットを打つスタート地点を池の手前に設定し、歩く距離を短くし、かつ池越えにすることでゲーム性を高めることにした。 そして、丘の上のグリーンには複数のホールを設定し、本来のゴルフとは違ってしまうが、本人の一番好きなホールを選べるようにした。 複数のホールについてはルール上おかしいとオレは思ったが、大切な人に楽しんでいただくということで目をつぶることにし、まあ、それも第三打がホールに入れやすくなって、目標のパー3が取りやすくなるのでいいかっと思うことにした。もし、仮にホールを9か所設定すれば、おかしいけど、9ホール達成したことにもなる。 そしてプレイ当日、大切な人をお招きし、オレとあなたは役割を分担した。 ゴルフを良く知っているベテランのあなたには、初めてコースでプレイする人へのアドバイスと先導役を、ほぼ初心者でまだ100をまったく切れないオレはチカラだけはあるので、その人のバックや複数のクラブを持参し、コースの移動のためのカートの運転を担当することにした。 大切な人は第一打で池をなかなか超えられず、何度も打ちなおしたけど、4打目にすかっと池を超えて、いきなりグリーンに乗って感激していた。そして、グリーンに乗ったボールをいろんなホールに入れて楽しんでいた。ホールに入れ終わって軽く汗をかいた横顔に山々から吹いてくる心地よい風を受けて、幸せそうな表情をしていた。 あなたは、第一打でグリーンに難なく乗せて、バーディを取り、オレは、池を超えたがグリーンを外れ、パットも外してボギーで回った。そして大切なその人は5打なんだけど、グリーン上でたくさんのホールに入れて楽しまれた。 本来のゴルフからは離れてしまったが、オレとあなたは、もう長くないことがご自分でもわかっていて、最後にゴルフというものをやってみたいというあの方を満足させたいという共通のゴールをそれぞれが役割を分担して達成することができた。 オレとあなたが最初に設定した案に誇示せず、その向こうにあるお互いの共通の対象者、目的を設定し直し、もう一度、そのために、つまりオレやあなたのためではなく考え直したから、お互いが合意できる案ができ、結果としてお互いが大切にしていることを達成でき、本来の目標の設定ができたのかもしれない。 おかしな文章になって、おかしいところもあるけれど、ヒントはつかんだような気がしている。 急きょ誘いがあった七輪パーティーに参加できず残念だったTackeyでした。