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テーマ:戦争体験を語り継ぐ(32)
カテゴリ:盧溝橋事件の体験談
軍隊の生活の一日は、朝、起床ラッパで始まります。
兵隊達は、班ごとにベッドを並べて同じ部屋で寝起きします。 一斑には班長が1名。初年兵を教育するための助手が2名くらいおります。あとは、10名~20名で二年兵と初年兵が半々くらいです。 起きるとまず点呼があります。 「人員は異常なし!」 身体が悪いのも異常なし、などと回ってきた班長さんに報告をして、初年兵は掃除、二年兵は与えられた仕事の準備、そうして朝飯になります。 ほとんどの初年兵が炊事場に行って、準備されたご飯や味噌汁をバケツに入れたものを持ってきて分配してテーブルの上におきます。 片付け物も初年兵の仕事です。 てきぱきと片付けないでもたついているとびんたがきます。 そのような厳しい生活に入りますが、慣れてくると兄弟のように楽しい場所でもあります。 すべてのことが号令一発で決まって行きます。 大体それが隊内の生活の始まりです。 その後、軍隊の訓練が始まるのです。 兵隊の基本訓練は、まず第一に「気をつけ!」から始まります。 その気をつけの動作、これも基本がありまして、なかなか全体がそろうと言う事はできません。 右左が応対に並んでいる線がきちんと一列に並んでいないとだめです。 出ている靴を出すぎだ、と言って足で蹴飛ばされる人もでてきます。 何回やっても気をつけの姿勢だけをきちんとやることも難しいのです。 それから、右向け、左向け、の練習をします。 それができると、前へ進め。 これも歩幅が決まっています。 詳しくは忘れましたが、大体75センチの幅で歩くのではないかと思います。 歩く早さも大体決まっております。 裸になって体操もします。 地べたに寝転んで這いまくる運動もします。 こういうことは、やはり戦闘につながっておりまして、這いまわって敵に近づくという訓練でもあるのです。 重い鉄砲、背嚢(リュックサックみたいなもの。今のような見てきれいなものではなく、四角張って箱のようなもの)を背負って走り回る訓練もあります。 このような訓練が、大体の姿勢をとって一つの隊列を作り上げます。 これが終わると今度は鉄砲の弾を銃の中にこめる訓練もします。 これができるようになると次は射撃にはいります。 銃はは三八歩兵銃といいます。 その銃を訓練して担いだりおろしたりします。 銃のほかに小さい剣を差しており、 ごぼう剣とも言っておりましたが、それを鉄砲に付けたり、はずしたりします。 鉄砲にはすべて菊の御紋が入っております。 ですから、傷をつけたり、手入れが悪かったりなくなったりすると、これはたいへんです。 民間で言う裁判みたいな規則によって罰せられます。 これが一期の訓練です。 ここまでくると、簡単ではありますが、一人の兵隊ができあがってきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年01月18日 11時52分40秒
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