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日英行政官日記 (旧 英国日記帳)

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Oct 3, 2009
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私的に主宰する勉強会「政策懇談会」を開催。
今回は、国際基督教大学准教授の稲葉祐之さんから、「共同企業家と新規地域産業の創造:滋賀県長浜市の事例」とのタイトルでプレゼンをいただき、ディスカッションを行いました。

プレゼン:下記サイトにプレゼン資料を掲載。
http://www.geocities.jp/weathercock8926/policyexchange.html

ディスカッションの概要
・近年も黒壁の経営は順調なのか。
・2005年、笹原氏が病気になり、二代目が次いでいる。基本的に路線を引き継いでおり、本業のガラスについては変化していない。しかし、他の種類の店については、街全体が発展してきたためにむしろ競走が激しくなり、売上が下がっており、このままでいいのかどうかが問題になってきている。
・開始時には相当リスクの高い事業であったと思うが、それでも踏み出すべきか、やめるべきかの線引きはあるのか。成功のフォーミュラを一般化することはできるのか。
・黒壁の場合、事業の参加者はもともと、かなり成功してきたビジネスマン達だった。また、当時はバブルだったこともあり、黒壁は高い資産価値を持っていた。それでも成功するかどうかは分らなかったが、1年やってうまくいかなければ撤退しようと考えていた。公金は最初の出資金のみであり、三セクと違って失敗しても市にはダメージが少ないが、経営者は個人保証をしており、リスクがあった。リスクを取れる人は限られており、猪突猛進型であるとか、あるいはある程度成功したビジネスマンで当座の金の心配がないといった要素がある。成功のフォーミュラは一般化できるものではなく、やはり本人の能力と、多少の幸運が必要。
・三セクは山のように失敗しているが、成功のポイントは何か。人を集めることができるかどうかに尽きているとすれば、コンビニやディズニーランドのような集客ビジネスとどう比較できるか。黒壁が採用した、多角化経営や共同企業家という形態に必然性はあるか。自治体が関与することに必然性はあるか。
・新しいアイデアを持っている企業家はたくさんいるが、融資をする金融機関の側からすれば、必要なのは新規性ではなく経営能力。黒壁の場合、いい人材を採用できる好条件があった。長浜市は保守的で、専門的な教育を受けても地元にいる若い女性が多く、そういう人材を雇うことができた。コミュニティビジネスとしての成功例。多くの三セクと異なり、自治体の人は役員に入っていない。出資は受けるが、補助金や、人的関与は受けず、民間の原理で経営できたことが成功の要因。共同企業家は必須の要素ではないが、新しいビジネスを行うには優秀な仲間が必要であり、黒壁の場合それにも恵まれていた。
・共同企業家と社会企業家は同義か。
・社会企業家は一人でもできる。しかし、本件のような地域の再生は、問題空間が大きすぎて、一人では困難。
・同じ滋賀県でも、彦根は、「ひこにゃん」というキャラを市が作って人気を博しており、社会問題の解決法としては「権力」モデルに該当するのではないか。
・彦根と長浜は文化の違いがある。彦根は城下町で、上意下達という雰囲気があるのに対し、長浜では町人文化が栄えてきた。
・共同企業家は、いわばソリューションの提供者。事業再生の現場では、ソリューションの提供のみならず、メンタル、モチベーションのサポートが必要。事業再生の苦しい局面で踏みとどまれるかどうかで人間性が出る。そうしたとき、金銭、自己実現、あるいは仲間といった、何らかのモチベーションが必要。モチベーションを含めた形で、こうしたモデルを定義できないか。
・人間的側面は重要。事業のコンセプトは、リーダーの人柄に化体される。リーダーに皆が付いて来るかどうかが大事。笹原氏は、こわいところもあるが、かわいい側面もある。好き嫌いはあっても、付いて行く人が多い、人間的魅力・エネルギーがある。笹原氏は、黒壁については自身の私欲がなく、これが信頼を生んだ。
・黒壁は、名古屋、大阪、北陸といった様々な場所から人が来ている。こうした地の利がなければここまでうまくいかなかったのではないか。
・それはその通り。神戸線が開通し、京阪神の客が手軽に来られるようになったのは大きい。同様の地方都市でも、客を呼べる環境にあることが成功には必須。
・ガラスや、レトロ風の街並みを売りにしている点で、小樽に似ている。ガラスはやはり女性をターゲットにしているのか。
・その通り。黒壁でガラスを始める前、まさに小樽に視察に行ったが、とても無理だと言われてかえって発奮したというエピソードがあったという。地方には、結構良い町屋が残っている場所があり、それをうまく転用できるかどうかが鍵。長浜はもう観光地化しており、地元の住民は、町屋の中ではなく郊外に買い物に行く。
・観光地には、はやりすたりがある。小樽も今は以前ほどには賑わってはいない。観光を中心に町興しを行うのは持続的なモデルといえるか。
・長期的に人を呼べるようにするためには、ブランドを構築することが必要。食べ物のイメージとして、マクドナルドのハンバーガーやコカコーラはぱっと出てくる。遊び場所のイメージとして、ディズニーランドはぱっと出てくる。こうしたブランドの力は強い。それが構築できるかどうかが鍵。
・地域の直面する複雑な社会問題としては、高齢化や、過疎化など、もっと深刻なものがある。共同企業家がこうした問題にアプローチしている例はあるか。
・社会問題の解決を行っている会社はたくさんある。例えば、四国の山奥に、「色どり」という会社があるが、地元の老人が葉っぱを集めて、料理のつまものにするビジネスを成功させている。
・黒壁はイノベーションであったといえるか。
・新たな仕組み、プラットフォームを作るという意味ではイノベーションであった。





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Last updated  Oct 18, 2009 12:55:19 AM
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