実家で一人暮らしの母、カヤコさんが２８日ぶりに住み慣れた我が家へ戻った。

季節の変わり目に体調を崩して咳がとまらなくなって数ヶ月。

肺炎を起こして先月盆の入りに入院したころはすっかり食欲もおち、
いつもの好奇心も影をひそめていた。

治療がすすんで体調がだんだんとよくなるとベッドから起き上がる時間も
長くなり、病室からいなくなることもしばしばだったようで
はてには顔をあわせるたびに「糖尿食じゃけご飯がまずいんよ」そればっかり。

肺炎の原因となったカビを完全にのぞくために家を徹底的にリフォーム
することになり、配管があまかった洗面台とタンク内の清掃が必要だった
ウォ○ュレットまで便器ごと取り替えることにして
ビフォーアフターを遂げた家に戻る日がいよいよやってきた。

荷物の半分はｔａｎａさんがすでに持って帰ったというが
今日は忙しくて仕事が休みをとれないらしい。

「タクシーで帰るけぇ！　ええよ！」

というけれど、降水確率５０％だったし。
しかも、ぽつぽつきているし。
家に帰ってもきっと床のぞうきんがけくらいは必要だろうし。
食べるものがないとまたタクシーで買物へ行かないといけんし。

ってわけでお迎えに行って来た。

「ありゃ！　ありがとね！」

精算もすませて もう荷物もまとめてナースステーションで挨拶を
しているところだった。

よかった。∋=(^0^)=∈ セーフ！

残りの荷物を車に詰め込んで、入庫から１０分で市営駐車場を
あとにした。

まっすぐ帰る前に少し食料を買っておこうか？

「いや、パンが食べたい！　プチのパン！　ホテルブレッドが食べたい！」

スーパーのパンじゃなくてパン屋さんのパンが食べたいようだ。
駐車場がないからアタシは待っておこう。

家に戻る道とはちょっとはずれてわざわざ駅近くのパン屋さんの前で
車を停めた。

カヤコさん、嬉しそうに小走りで店内へ消えた。

５分後。

でっかい袋を提げて小走りで戻ってきた。

袋の中身。

ホテルブレッド１本。（３斤）
サンドイッチ。
ホットサンド。
さつまいもパン。
カレーパン。
メロンパン。

どーすんの！？　冷凍庫にでも入れるの！？

「あまったらあげるけぇ持って帰りんさい。」

あまるでしょ？！

どー考えてもあまりの方が多いっしょ？！

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

途中、食材を買うためにまたまたスーパーによって
やっとカヤコさんの家に戻ってきた。

先にカヤコさんは玄関を開けるために門の中へ小走りで消え・・・

あれ？　カヤコさん、また車に来た。
どしたん？

「鍵がない。」

をい！！！

家の鍵をリフォーム業者に貸したまま持っていなかったカヤコさん、
退院して自宅にもどったところで鍵がないことに気が付いた。

さーすーがー！！

って感心するとこ違うか。
この後も動き回るカヤコさんに目が離せないのですが、今日はこのへんで。

すみませんが続きは明日。

家の鍵？スペアをアタシ持ってたのでクリア。

ってか、予定どおり一人でタクシーに乗って退院してたらどうなるんだ。

「ほうじゃね、待っとこうかね。」

誰をだーー？！
（それは謎）