テーマ:気になるテレビ番組(2876)
カテゴリ:南総里見八犬伝
【里見八犬伝】レビューその1では、沢山のかたにご来訪いただき、多くのコメントをいただきました。
ありがとうございました。 ここからは、登場人物と主要シーンにスポット当てたレビューにしていこうと思います。 まず物語の発端に玉梓の呪いありき。 と、いうことで玉梓から始めましょうか。 【玉梓】 菅野美穂。ホントに演技が上手く、鬼気迫るものがありました。 特に金碗大輔に斬られて地面に這い蹲りながら恨みの言葉を吐き、断末魔に伏姫を睨みニヤリと笑うシーン。‥‥恐っ。 そのまま貞子になってしまうかのようでしたね。 しかし惜しいことに菅ちゃんはまだまだ可愛い感じが拭えません。 原作とは懸け離れた角川映画版「里見八犬伝」でしたが、夏木マリが演じた玉梓は素晴らしかった。まさに妖艶。 玉梓にはあれほどの妖艶さが欲しかったですね。 ちょっと残念なところです。 それにしても、今回なぜ玉梓の呪いを蜘蛛として具現化したのでしょうか‥‥ 妖尼 妙椿の正体は狸。八房を育てた狸であり、玉梓の呪いを受けた狸なのなのです。 やはり狸じゃ格好悪かったのでしょうね(笑) 原作では妙椿=玉梓ではありません。 玉梓が最期に伏姫に導かれ、魂が浄化されていくように涙を流した場面は、勧善懲悪の原作にはないオリジナルなのですが、現代らしいいい場面だったと思います。 【伏姫】 仲間由紀恵の伏姫は綺麗でした。(ええ、ごく個人的にファンなだけですよ) 水鏡を覗く伏姫の顔が犬となる。犬の子八匹を身籠もる。 これは原作にもあるエピソードなのですが、それも富山での八房との隠遁生活があったればこそです。 やはり、八房不在では唐突でしかないですよね。 やむなく放送時間を切り詰めるため、この伏姫と玉梓の2人を同時期に登場させたことが、前述の“八房の不在”の原因なのかもしれません。 原作では玉梓と山下定は里見義実と金碗大輔の父 八郎に成敗されます。 その後に生まれた伏姫は、生まれながらに玉梓の呪い受けることになります。 その護身のお参りをした際、役行者より八つの大玉をもつ数珠を授かります。 更に後に伏姫は狸に育てられた奇妙な小犬 八房と出会うのですが、その八房こそ玉梓の‥‥という具合に物語はすすみます。 つまり、玉梓と伏姫が同時に登場した時点で、それら様々な事柄がすっぽりと抜け落ちてしまうので、端折るしかなくなるのです。 しかし、もしかしたら‥‥八房役の大型の日本犬が見つからなかったことが一番の大きな原因なのかもしれませんね。 いまどき調教された大型の日本犬を探すなんて困難極まりないですからね。 さすがに八房をオールCGとはいかないでしょうから。 原作の金碗大輔は、伏姫を誤って鉄砲で撃ってしまいます。 今回のドラマでは、伏姫を誤って弓矢で射てしまうのですが、この場面に関しては今回の解釈を支持したいです。 里見義実や犬塚信乃の父 番作が参戦したという結城合戦は1440年。 日本に鉄砲が伝来したの1543年。100年も後の話です。 そう、原作者 滝沢馬琴はこの歴史考証を誤っているのです。 当然、江戸時代の著書ですから仕方ない部分がありますが、歴史公証が確立した後世での弓矢というアレンジは至極もっともだと思います。 玉梓の呪いを受けて伏姫の首に掛けていた数珠の八玉に文字が浮かびます。 原作では「如是畜生発菩提心」の8文字が浮かび上がるのですが、今回のドラマでは「怨悪淫盗‥‥」でしょうか?うーん、読めませんでした。 全文字知りたいところでした。 おっと、玉梓と伏姫だけでこんなに長くなってしまいました。 この後、八犬士ひとりひとりと丶大法師まではなんとか語りたいのですが、それは【里見八犬伝】レビューその3で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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