大騒ぎのきっかけ
今年に入って午前中のワイドショーを見る機会が多い。最近の話題は大相撲の「八百長」疑惑、だ。 やれ誰と誰がくっついたとか離れたとかいった芸能ネタよりも、離党勧告だの元秘書の裁判が始まったといった陸山会事件よりも、3月解散総説より、「八百長」疑惑が私の関心も高くなっている。 その疑惑の中身、本当に八百長をやっていたのかとか、誰が絡んでいたのか、ということよりも、そもそもなんで発覚したのかという点に関心がある。 報道によれば、例の野球賭博事件で調査した携帯電話のメール調査時に偶然というか派生的にというのか、見つけたらしい。 八百長はけっして気分のいいものではないが、そもそも犯罪行為なのかどうか。犯罪行為に等しいとしてもそもそもどんな法律に引っかかるのか。 道義的責任は追求されなければならないとしても、今回なんで発覚したのかといえば行った者の告白ではなく、警察当局から文科省に連絡があって発覚したということだった。 野球賭博はれっきとした犯罪行為で、その捜査の過程で得た犯罪行為とは関係ない情報が、いとも簡単に公開されるという事実の方が、私には恐ろしく思える。 家宅捜査などを実行する国家権力によってそのは得られたのであって、少なくとも野球賭博とは関係ないことだ。しかも法律に違反する犯罪の疑いがあるわけでもなさそうだ。 こういう状況でも得られた情報は公開されてしまうものなのだろうか。個人のプライバシーではなく、公共性の高い公益法人でのことだから、としても役人の判断に過ぎずその責任は重大ではなかろうか。 繰り返すが八百長は良いとは思わない。が、今回の八百長発覚が警察が別の事件を捜査したときに掴んだ情報でそれを公開することが、国家権力行使の許される範囲かどうかどうにも疑問が拭えないのだ。