「構造」的問題の議論を期待する
今週の月曜日から上尾市議会が開会した。議会ホームページを見ると6月24日までの会期17日間、となっている。 議会ホームページでは市長提出議案についてはまだ一切の記載が無いが、議員の一般質問項目は見ることができる。 現在の市議会議員の任期はこの6月議会でちょうど1年半となる。その間、世界経済は大減速となり、市民生活を直撃した。上尾でも「派遣切り」がマスコミでも報道され、市としても具体的な対応に追われることになった。 今年度予算は前年に比べて税収減が大きくなることが見込まれ、だが、福祉関係での歳出は増加するという、このままではますます「硬直」する財政構造になってしまったようだ。 今行政と議会が取り組まなければならないのは、この「硬直化」への対策を議論することではないのか。 現代社会の政治とは、突き詰めれば、税金をどう使うのか、何に使うのか、といったことを決めることだとも言える。 上尾市で言えば、何に重点的に予算配分をしているのか、この事業はどういうルートで予算執行しているのか、といったことをまさに今議論しなければ手遅れになるような危機感を感じるのだ。 今回は6月定例会ということもあって、例年提出議案数も少ないが、それだけに議員の一般質問などで取り上げ、上尾市の構造的な問題を深く議論するチャンスではないか。 大きな経済成長が見込めない時代になった。限られた財政の中で何を優先的に取り組むのか。この議論が無い中で、対処療法的な「あれやれ」「これやれ」というような要望オンパレードの一般質問では議会無用論につながるだろう。 昨今の「議員定数削減」の主張の根底には、問題を解決するための「根本的」で「建設的」な議論が見えてこないことへの市民の怒り、というものも大きくあるように感じる。 もっとも永田町で言われている衆議院の定数削減という話は、この市民感情に「ゴマをすった」というレベルの低い議論ではあるが。 上尾市に限らず、国や都道府県でも構造的な問題を議論する議会になることを期待したい。