声無き「叫び」が聞こえないのか
今更の感があるが、大津市での中学生が自殺した件で、警察の家宅捜査が入った。 両親からの被害届を受理しなかった罪滅ぼしなのか、単なる責任逃れなのか、このタイミングでの強制捜査に釈然としないものもあるが、それよりも何よりも、先日の教育委員会の会見を見て私の怒りは沸騰していた。 中学生が自ら命を絶ったというのに、原因究明があまりに荒っぽすぎる。原因を特定できなかった、という結論は、ほかにも自ら命を絶つ生徒が出現してもしょうがない、と責任放棄しているようにしか見えない。 もうひとつ、自殺の原因をとことんまで追求しないということは、裏を返せばいじめられた側にも何らかの問題があったと言っているようにも感じる。 いじめられた側には何ら悪いところは絶対にない。すべていじめた側の責任だ。いじめられた側に何らかの落ち度があったとしても、だからといっていじめて良いわけがない。 大津市の教育委員会にはこのはっきりした教育者として持つべき価値基準がない、としか言いようがない。 いじめ自殺の報道があるたびに、言いようのない怒りに包まれる。子どもたちの声無き「叫び」が聞こえない教員は教壇から消えてもらいたい。