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続けて、北森鴻です。
この作品も古美術を扱った作品ですが、今までの「旗師 宇佐美陶子」が主人公ではありません。 陶子シリーズの中に出てくる別の古美術商が主人公になってます。 なので、同じ古美術の世界を書いていますが、こちらの方がより「日常的」な感じがします。 古美術をめぐる事件 というより、商品とその商品に関わる人の人間模様 という感じです。 商品モチーフにしたお話が8編掲載されています。 どれも商品名がずばりタイトルになっていて、しかも高級品でもなく、 ジッポーやジャンクカメラ、根付など、わりと身近なものばかりです。 私が一番面白かったのは「根付け供養」。 根付けは着物のアクセサリーでとってもちっちゃなものですが、 小さいものに無限の大きさの世界が刻まれる というところにロマンみたいなのを感じました。 着物を着ることはあっても、根付けを使うことはほとんどありません。 小さくていろんなデザインがあり、値段も手頃なので、今度店頭でじっと見てみよう! と思いました。 古美術の世界って、古本屋さんにちょっとつながるところがって、 わからないくせに、面白そうな世界だなあと興味があります。 お茶を習っていると思うのですが、古いずっと使われているものには、 形や使われ方に理由のあるものが多いです。 なにげなく使っていますが、そういうものの由来や価値について思うとただの道具も面白いです。 基本的に私は欲張りなんでしょうね。 ただ、使うより楽しんで使いたい。車だって、動けばいいって人はちょっと損してるんじゃないの?? と思うし。 道具は単なる道具だと思っているだけじゃあ、何もインスピレーションは与えられないし・・・。 ユニバーサルデザインという観点からは、共通の使いやすさって必要だと思いますが、 全部それにしてしまう必要はないんじゃないかなあ・・・。 と思うので、こういう古美術のお話は面白いです。(おっ、うまく戻ってきた♪) このシリーズももっと書いてほしいですね。 余談ですが、陶子ちゃんがちょっとは顔を出すのではと思ったのですが、 お話には全く登場しませんでした。がっかりしたけど、潔いということかしら?? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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