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子どもに手を上げたくなるとき
しばらく前に読んだ「アダルトチルドレン・マザー」と同じ著者の、 「アダルトチルドレン・マザー」より先に書かれた本。 文庫版によせて、と最初に1995年の日付が入っているので、 それより先にハードカバーで出版されたみたい。 つまり、10年ほど前の本です。 「アダルトチルドレン・マザー」を読んでしまうと、 踏み込みに一歩、物足りなさを感じるけれど、 子どもを叩いたことのある母親にはものすごい共感を呼び起こすと思う。 まー、すごいです。 素手で叩くだけじゃなくて、殴る、蹴る、突き飛ばす、放り投げる、 そんなお母さんたちがゾクゾク出てきます。 うーん……誇張なんだよね、コレ? あたしもタロウを散々叩いたけど、ここまではやってないぞ(笑 この叩く(他含む)行為を、この本では「子いじめ」「子たたき」って書かれてる。 虐待ってものすごく重く感じるから、敢えて避けてあるわけね。 今でこそ「元虐待母で~す♪」「元被虐待児で~す♪」てな感じだけど、 それはもう開き直りに近くて、虐待の可能性を考えただけでトンデモナイって思ったもの。 この本から10年経って、虐待に対して随分意識が変ってきた今でも、コレ。 10年前のイメージってものすごく違ってたと思うんだ。 虐待って言葉を敢えて避けて、「子たたき」くらいでぼかしておくのは賢明かもしれない。 元虐待母&元被虐待児の自覚があるあたしには物足らないけどね(笑 最初に著者の「子たたき」経験が語られます。 これがまあ、スゴイ。 あたしなんかメじゃないわねって思わず安心したくなるくらい、スゴイ。 だけど、じゃあなぜ「子たたき」は起きるのか。 この本では徹底的に、母親は悪くないって書かれてる。 まず、「育てにくい子ども」が圧倒的多数だということ。 えー、そうなん?? ってコレにはあたし、あんまり同意できないんだけれどもね。 なんていうか、いじめられッ子を指して、 「いじめられる方に原因がある」って言ってるのと同じ感じで、 子どもが悪いって書かれてる。 叩きたいキモチにならない子どもが居るとしたら、 それは非常に稀有なことに、母親がスゴイんじゃなくて、 たまたま「育てやすい子ども」という大当たりを引いただけのことだ、と。 いや、それは違うよ~! って思いっきりツッコミ入れちゃいます(笑 それは愛情が足りないとか、そんなことじゃないってのは同感だけど、 やっぱりさ、表現方法を知らないとかそんなことじゃないかと思う。 って、これはまあ、親業を知ったから言えることなんだけど(苦笑 親業を知ってからのあたしは、格段に「子たたき」から遠くなったからね。 今でも全くしないわけじゃないけれど、毎日ペースだったのが、 1ヶ月に2・3回ペースになったってのはすごいことだと思う。 だから、子どもが悪い、ってことには非常に反感を覚える。 だけどね、父親が悪いってのは非常に共感しちゃう。 だってね、いくら本を読んだって、知識を得たって、育児の現場ってさ、 >「叱らない育児」も「三歳神話」も「児童心理学」も「フェミニズム」も、 >この子の癇癪が治まるまでちょっと待っててね、という感じ。 って感じなんだもの、まさに。 ンな高尚な理念よりも、コイツを何とかしてくれ!なんてさ(笑 ほんっと、涙が出るくらい切実なのよ。 なのに、父親は無関心なんだよね。 >母親の孤独、児童虐待、子たたき、女性の就労などの問題の裏には、 >がっちりとでき上がった男性社会が怪物のようにそびえ、 >この惨状をしっかり支えている。 >この支え手の大部分は、高度成長以来、日本の生産労働者の過半数を >占めるにいたった賃金労働者、なかでもふたことめには「仕事、仕事」と言いながら、 >すきあらば家庭から逃げ出そうとする民間企業のサラリーマンたちであろう。 本当にその通りだと思う。 男たちは、卑怯だとさえ思う。 オカネを稼いでくる、妻子を路頭に迷わせない、というのは大変なことだと思う。 でもね、激務に就いてるわけじゃないあたしが言うのは説得力に欠けるかもしれないけど、 シゴトってね、育児+家事に比べればはるかにラクだと思う。 家事ってね、本当にきりがなくてその割に見えるものが少ないんだよね。 育児にいたっては、家事以上に大変だと思う。 少なくともさ、シゴトだと激務でも激務でなくても「終わり」がある。 それから、言葉の通じる大人との繋がりだし、 困ったチャンが居るにしても、常識くらい持ってるのが社会人。 怪獣のように騒ぎまくり、次の行動予測がつかず、暴虐無人な子どもとは違う。 さらに、売上だったり達成度だったり給料だったり、 何らかの数字が見える形になって帰ってくる。 これは、大きなやりがいになってくる。 あはははは☆ミ 男性バッシングになると留まる所なく続きそうだから、止めておくけどね。 この本はスゴイです。 もう、恨み辛みを詰め込みましたァ!! って感じ。 「子たたき」現在進行形のお母さんたちには、とても読んでほしい。 「あなただけじゃないよ」って言われるのはとてもありがたいことだから。 あたし、タロウ虐待中にこの本に出会いたかったって思うもの。 それぐらい、孤独だったし辛かったからね。 伴侶が居るのに孤独って、一人のときとは違う重みがあるもの。 これはね、耐え難い重みです。 お父さんにも、読んで欲しい。 こうやって男性社会は女性を追い込んでいるんだよって。 男性社会からの盾になるか、悪い意味での代表になるかは、 ちょっとの差なのかもしれないけれどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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