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2008.09.11
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カテゴリ:本@AC関連
新凍りついた瞳(め)

児童虐待を扱ったマンガ。

『凍りついた瞳』、『続 凍りついた瞳』、とも以前読んだことがあったが、

知らないうちに「新」が出て、しかも古本市場に出るほど年数が経っていたらしい。



『続 凍りついた瞳』は、虐待を生き抜いた子供が成長した後の回顧、

というような形を取っているが、この『新』ではまた元に戻り、

児童虐待に関わる現場からの視点で描かれている。



あとがきで、漫画化を担当したささやななえ氏が書いているけれど、

マンガというのは、出来るだけ文字での説明を避けるものだ。

出来るだけ避ける、というのは適当ではないかもしれないが、

視覚的に捉えやすいようにするのが漫画化でもあるので、

文字の羅列は「駄作」の基準のひとつでもある。

なのに、も・の・す・ご・く、説明文が多い。

マンガにはあり得ないほど、多い。



なので、気軽にマンガを読むつもりで居ると、すごく疲れる。

内容が重く、目を離せないのだけれど、なかなか進まない。

1時間かかって1冊読み終わらないなんて、マンガじゃちょっと考えられない。

(ま、私はマンガを読むのはかなりトロくさい方なんですがね)



最初の『SOS・SOS・・・・・・』は、虐待事例として最も思いもので、

女児が虐待の末、死亡する。

直接の死因は頭部を打ったことによる事故だが、

食を断たれて目を覆う程にやせ細って亡くなっている。

住民たちからの通報も相次いで、児童相談所も動いていたが、救われなかった。

何故、救うことが出来なかったのか。

そこに、組織として入り込む余地は無かったのか。

まず、問題はそう提起される。



続く、『サウナの家』。

虐待家庭から救出された男児が、児童養護施設で生活する様を描く。

他の書籍でも以前に読んだことだが、日本の児童養護施設は戦後すぐ、

戦災孤児の救護を目的として作られて以降、大きな制度変更が無い。

以前に読んだ本でも、そのことは問題として取り上げられていたが、

どんなに子どもにとって大変なことなのか、驚いた。



更に『母子再生』・・・・・だったかな?ちょと題、うろ覚え。

家庭で受け入れられなかった女児が、一般家庭での養育に支えられる話。

ボラのようなものらしいのだが、養育里親とはちょっと違う・・・・・・みたい。

今、NHKの連ドラでやっている『瞳』は養育里親だから、

高校生くらいになったら利用できなくなる制度だったと思うんだけど、

この話で語られるのは、大人に近い子どもも受け入れている。

里親制度って、今後もっと活用されるものだろうと思ってたけど、

実際のトコ、大変だと思うのよね。

これも・・・・・・なかなか増えてないみたい。



最後に、児童虐待に関わる医師の話。

虐待に対して、どう関わっていくべきか。

また、どのようにその認識を広めていくかの啓蒙活動。

そういったものを、取り扱っている。





2003年の作なので、多少の法的な制度変更はあったはずだ。

痛ましい事件が相次いで報道されることもあって、

一般レベルの意識も、ずいぶん虐待に向けられるようになったと思う。

児童相談所に寄せられる虐待の通告も、単に虐待の増加だけでなく、

一般レベルでの意識変化も多いのではないかと言われている。



でも。

まだまだ、現場は変わっていかなくてはいけない。

虐待に寄せられるニーズに、制度が追いついていない。

それは・・・・・・すごく感じる。



だってね。

虐待に立ち向かう部署の人の、熱意だけでなんとかなってるようじゃ、ダメよ。

熱意とかって、最低限必要なものだと思うんだけどさ。

それは、全く否定しないけれどもさ。



2話目の児童養護施設の中で、児童養護施設に勤務する女性保育士が登場するんだけど、

子どものことを考えて結婚を躊躇するってあるのね。

確か、似たようなことをTVでも見たことがあるの。



女性が働こうと思うと、究極のところでは「仕事か、家庭か」を選択しなくちゃならない。

一般の仕事なら、それでも折り合いをつけやすいから、

私みたいにヌルく働くことも出来るわけだけどさ。



個人としての幸せも、追求できるようでなくちゃ、仕事としておかしくない?

まあ・・・・・・好きでその道を選んだんでしょ、って言っちゃ身もふたも無いけど。

そういう、酷いしわ寄せみたいなのがあっちゃ、働ける人は限られるもの。

変だと思うのよね。



子どもに関わる法律とかって、知れば知るほど、「???」って気になる。

私も、保育って面から関わりたいと思ってるわけだけど・・・・・・

これからどんどん変わっていって欲しいと思う。



変わられたら、ついていけるんか?と一抹の不安もありつつ。





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Last updated  2008.09.11 15:26:47
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