伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)
歴史の好きな女子は「歴女」鉄道の好きな女子は「鉄子」神社の好きな女子は何と呼ぶんだろう。明らかに、神社オタクのわたし その私が近年ずっと気になっていたのが国生み神話の地、淡路島にある伊弉諾神宮。『古事記』によると~天つ神の命を受け、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)は、天の沼矛(あまのぬぼこ)をさし降ろして海水を「こをろこをろ」とかき鳴らした。するとその矛の先から滴り落ちた塩が、重なり積もって島となった~とある。おのごろ島は淡路島の沼島であると言われている。漢字では「淤能碁呂島」と書き、「自ずから凝り固まった島」という意味を持つ。神話に戻ると、イザナギとイザナミの二神は島に降り立つと天の御柱(あまのみばしら)を立て、御殿を築き、夫婦の契りを交わす。最初に生まれた不完全な子供の蛭子(ひるこ)は葦の船に乗せて流してしまうが、その後の交わりで八つの島が次々生まれ、大八島国(日本)になる。やがて二神は三貴子(さんきし)をもうけ、天照大御神には高天原(たかまのはら)を、月読命(つくよみのみこと)には夜の食国(おすくに)を、須佐之男命(すさのおのみこと)には海原を治めるように命じる。イザナミは最後に産んだ火の神に女陰(ほと)を焼かれ亡くなってしまう。それからのお話は…ちょっと悲しすぎるので割愛する。伊弉諾神宮は、国生みを終えた伊邪那岐神の幽宮(かくりのみや)と伝えられている。また、伊勢神宮と同緯度に位置することから、天照大御神の朝日の神格に対して入り日の神格を与えられ「日之少宮(ひのわかみや)」とも呼ばれている。拝殿。本殿。二つの木がやがて一つの根っこになったという夫婦大楠。樹齢900年と言われている。男性は左回り、女性は右回りで「縁結び」「子授け」「夫婦円満」をお願いする。ご祭神の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)が夫婦であるせいか、毎月22日に夜間参拝が許される。一の鳥居から神様がお通りになるという中央の道を照らすようにキャンドルが並べてある。陽が落ちて暗くなるにつれ幻想的な雰囲気になる。表神門を通って拝殿に向かう。拝殿でお祓いの後、祝詞の奏上があり、ご祈祷を受ける。本殿で宮司より一人ひとりの住所と名前、願意が読み上げられる。拝殿に戻った宮司より玉串を手渡され、玉串を持って拝殿から本殿に参って玉串を捧げ「二礼二拍手一拝」で祈願する。辺りは真っ暗で神社の灯りと境内におかれたキャンドルだけの明るさ。静かな境内に響き渡るご祈祷の太鼓の音。厳かな気分上々。最後に金額的なことを書くと、「特別正式参拝祈願」のチケットは、300円のおもてなし券(一袋100円の玉ねぎを三つ買った)、参拝に付き添ってくれる男性のガイド料、宮司によるご祈祷、本日の記念品(勾玉の根付)、すべて含んで1800円。…ありえない。普通にご祈祷をお願いすれば、最低でも5000円なのに。ありがたいことこの上ない参拝となった。