さて、イメージが結ぶ100の言葉と100の本、第2回目です。
今回困ったのは、「公園」、「日記」、「たばこ」。公園はありそうでなかなか無いんですよ。日記もさてと言われると思い浮かばない。たばこは昨今吸ってるヒーローいませんからね～。真っ先に思い出したのがカウボーイビバップだったんですが、漫画じゃないしｗｗｗ

「涙」は結構いろいろ目移りしてなかなか絞れず、こちらも苦労しました。

な～んてことを踏まえながらいってみよう。

イメージが結ぶ100の言葉と100の本【漫画編】その2

011　「公園」からイメージする本は？

子供の情景　さそうあきら

公園は難しかったわ～。
「みち」という短編の公園はなかなか印象的でした。お引越ししていったかわいい女の子に運動会の写真を届けるというお話なんですが、飲まず喰わずで夜明かしして、朝、公園で蟻の行列を見つけるんです。その先に落ちていたのは食べかけのぺろぺろキャンディ。涙をポロポロ流しながらそれを口に放り込むんです。そんな冒険の目的を達成した少年の顔は何とも言えない最高の笑顔でした。

012　「学校」からイメージする本は？

笑う大天使　川原泉

学園モノもいろいろあるんですが、一番行きたい学校ってここかもなあと、選びました。
分厚い猫を被った3人が最高ですよね。本当に清純なご学友や先輩方も、何だか和むわ～。いやあ、こんな学生生活してみた～い。余談だがこれ読むとムギチョコが食べたくなるんですよね。

013　「双子」からイメージする本は？

半神　萩尾望都

この半神という短編は本当に衝撃的でした。たった16ページの短編なんですが、未だに双子といえば真っ先に思い浮かぶほど。

腰の辺りで繋がった一卵性双生児のユーシーとユージー。ユーシーはバラのように美しく、ユージーは塩漬けのキュウリのよう。自分で栄養分を作れないユーシーは、ユージーの作り出す栄養を得て生きているのでした。しかしこのままでは二人とも死んでしまうと判断したドクターは二人を切り離すことを決意します。その手術がいったい何を意味するのか。。。ラストシーンのあまりにも深い苦悩と喪失感に圧倒されます。

014　「友情」からイメージする本は？

夏目友人帳　緑川ゆき

相手が妖であれ、人間であれ、とにかく相手のことを想う事が常にテーマとなっている作品だと思うので。誰かを想う、会いたいと願い待ち続ける。そんな切ない気持ちを思い出させてくれます。

015　「日記」からイメージする本は？

るきさん　高野文子

随分前に読んだのでだいぶうろ覚えですが、ほんと、のんきで面白いんです。確か2ページで1話くらいなお話で、別に日記って訳じゃないんだけど、読後感が日記を読んだ感じなのですよね～。

魚喃キリコさんの「ハルチン」と似たテイスト（というか、魚喃さんのほうがリスペクトしてるのかもしれんが）と言えば分かる人もいるかしら。ハルチンよりはもっとのほほんとして上品な感じですが。

016　「秘密」からイメージする本は？

秘密（トップシークレット）　清水玲子

すんません。そのっままですね。
これは死んだ人の脳をスキャンして生前見たものをスクリーンに映し出すという科学技術を確立し、警察の捜査に導入するというお話なんです。つまり死者が脳の中に残した、まさに究極の「秘密」を覗くという話です。勢い凶悪犯罪ばかりで結構えぐい（物理的にというよりはメンタル的にえぐい）話が多いので、読む人を選ぶという気はします。

017　「涙」からイメージする本は？

群青学舎　入江亜季

最初は泣ける作品という観点から探していたんですが、どうもそれが「涙」のイメージかと言われるとどれも違うんだよなあ（例えば夕凪の街は確かに涙が出ましたが、それが涙をイメージするかと言われるとちょっと？）と行き詰まり、涙の表現そのものにターゲットを絞ることにしました。

一見冷静で、強く見える女の子が突然涙をぼろり。その大きくてきらきらのお目目からこぼれ落ちる大粒の涙の綺麗なこと。入江さん、ツンデレ少女上手すぎです。特に「白い火」の漣子と「北の十剣」のグゼニアのデレ具合がたまりません。（笑）

018　「たばこ」からイメージする本は？

コブラ　寺沢武一

煙草は頭かかえました。
特に最近の作品には煙草を吸ってる人の描写ってほとんどと言っていいほど無いんじゃないでしょうか。で、これはもう昔の作品だなあと、記憶を掘り掘りして、葉巻がトレードマークのコブラにたどり着いたんでした。

コブラって何であんなにカッコいいんでしょうか。お猿さんみたいなんですけどね。行く先々で女の子とラブラブになってるし、冷静に考えたらものすごく問題がある人なんだけど憎めないんですよね。ま、いいか、コブラだし。って思っちゃう。 また読みたくなってきたなあ。

019　「お酒」からイメージする本は？

夏子の酒　尾瀬あきら

これまたものすごい直接的ですみません。男社会の酒造りという業種に挑む女性の物語。作品全体から、日本酒に対する愛がひしひしと伝わってきます。この人の漫画を読むと、とりあえずお酒が飲みたくなるので困ります。いかん、もう既に欲しくなってきた。（笑）

020　「知的好奇心」からイメージする本は？

海獣の子供　五十嵐大介

何だかまだ、何と評していいのか分からない作品です。とりあえず謎だらけ。
海から来た子供たち、消える魚、不思議な隕石。この世界の不思議に、美しさに、魅了される作品です。抽象的なイメージとしか思えないさまざまな断片的なエピソードが今後どんな風に繋がっていくのか、とても期待しています。

イメージが結ぶ100の言葉と100の本